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「ひらめき」の設計図  久米是志  小学館

2015年03月04日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

10年前の本ですが、時折、読み返します。 久米さんは本田技研の3台目の社長で本職はエンジンの設計であったそうで、マン島TTレースからF1への参加、CVCCエンジン、社長になられてからは、アシモ、ビジネスジェットへの進出などへも関わった本田の技術の最前線を引張ってこられた方です。300ページを超える本書は、久米さんの技術開発への思いが込められ、貴重な体験の一端を覗かせていただけます。これほど実績のある方ですから、当然と言えば当然でしょうが、機械のエンジニアとしての幅がとにかく広いんです。自動車のエンジン屋さんであるのに航空機事故についてまで、その機構的な欠点がどの様に事故を誘発するに至ったか等、ここは柳田邦夫さんの名著「マッハの恐怖」を引用していますが、自動車であれ航空機であれ、新しい技術を創造したり、新しいビジネス分野に参入する時には単なる技術だけでなく、人間としての幅の広さ、思いをはせることのできる幅と深さが重要である事を教えてくれます。技術開発競争の厳しい業界の中で本田のような大組織を率いて行く人間力の大きさを感じさせます。 

紹介したい例は多々ありますが、技術開発の中にも「自分の心の底を覗いてみろ」とまるで自己啓発や宗教がかったような話があります。これは、うまくいかない原因を究明する際の反省の仕方として、自分の経験の枠から出られないで、原因を自分の外に求めている間は不都合の事例を1週間、にらんでいても何の手がかりも得られない。不都合現象の解明に当たっては過去の経験に基づく推論、論理を捨ててあるがままの事実を受け入れる。。まるで禅の悟りの境地を求めているようですが、ここまで物事に真摯に向かい合って問題を一つ一つ解決していく。このような悟りは修羅場をくぐった人にしかでてこない話です。

私、本はかなり乱読で、ほぼ、1日1冊を読みますが、時間は1時間と決めています。1時間では読み切れないものもありますが、隅から隅まで読みたくなるような物ばかりではなく、1時間もかければ構成と内容はほとんど理解できるような内容の薄いものが多いのです。その中で、この本はもう10年も手元に置いて何度でも読み返している数少ない本の一つです。

ただ、創造性と言うのは幾ら本を読んでも得られるものではありません。 先日書きました、SPEED、仕事は素早く処理する。。というのは言わば量的な話で、いくら量をこなしても新しいものは出てきません。 本書の様な創造についての本をいくら読んでも創造力はつきません。 しかし、どちらにも共通するのは、常に「仕事は素早く」、「従来のやり方を革新するブレークスルーはないか?」 こういう事を常に意識しておくことが重要であるということです。毎日をただの繰り返しとして生きて行くのではなく、毎日を変えて行こうとする意欲の大切さはどちらにも共通します。

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