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かの大国の空母 (1)

2012年10月11日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

ソ連崩壊でロシアとウクライナの取り合いになり、廃艦になった20年前のものをカジノにするという名目で購入したものです。かの大国は中古空母が好きでして、今回で4隻目の中古空母です。大きな欠点として言われているのがエンジンと着艦装置です。 今回はエンジンについてです。

この船は、元々は蒸気タービンで計画されていましたが、走らないスクラップに高価な蒸気タービンなど不要ですから蒸気タービン無し。それどころか舵も付いていないため、ウクライナから曳航するのに通過するトルコのボスポラス海峡では、舵の無い「巨大漂流物」を曳航するのは危険と言う事でトルコ政府から足止めを食らい、かの大国からの観光客を増やすという条件で通過が許可されるまでに2年かかりました。

大出力の船舶用蒸気タービンなど簡単に作れるものではないのです。日本が第二次大戦で作った空母や戦艦は、15万馬力級の蒸気タービンでしたが、かの大国は日本が75年前に作ったものさえ自前では作れないのです。75年前の日本の技術力はアジアでは突出していました。アジア諸国は、欧米から技術レベルが遥かに遅れ、遅れている国々は軒並み植民地にされるか、欧米に肩を並べる技術力があれば目の上のタンコブ扱いされ、欧米からいじめられ、戦争へと追いやられた。第二次大戦の一つの側面です。

蒸気タービンを使用している代表格は原子力空母とLNGタンカーです。原子力空母は原子炉の熱で蒸気タービンを回し、古いLNGタンカーは、低温のLNGタンクから気化したLNGを燃やしての蒸気タービンですが、気化したLNGを再度液化する装置の小型化が進み、新しいLNGタンカーはディーゼルになっています。古いLNG船と大型の軍艦以外には蒸気タービンは人気がありません。

そこで、かの大国は一番無難なディーゼル・エンジンを積み込みましたが、これでは空母としては出力不足なのです。飛行機は離陸するのに対気速度が重要ですから、風上に向かって最大速度で進みますが、船舶用のディーゼル・エンジンは回転がユックリなのです。日本の大型自衛艦は全てガス・タービンで10万馬力。40ノット近い速度がでますが、船舶用ディーゼルで、高速回転できる10万馬力はないのです。ディーゼルの10万馬力では毎分数百回程度の回転数です。毎分1000回転を超える高速型では5千馬力にもなりません。商船であればこの性能は十分ですから、商船と高速を必要としない軍艦はディーゼル、高速が必要な軍艦はガスタービンというのが一般的です。

同じ路線を後追いするのは得策ではありません。日本が進むべきは無人機の空母でしょうね。空母のもう一つの難関であるカタパルトも不要で、着艦技術の習得に命をかける必要の無い無人機搭載した空母です。しかし、日中、米中に何事か起るとしたらこの数年でしょうからもう間に合わないですね。。。残念!!


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