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死霊館 エンフィールド事件 【感想】

2016-11-18 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
公開館数が少なく劇場鑑賞を諦めた1本。
コメディ映画と並びホラー映画の冷遇も何とかならないか。。。
前作同様、期待通りの秀作ホラー。ジェームズ・ワンはもはやホラー映画の名手だ。

心霊研究家のウォーレン夫妻がイギリスで起こったポルターガイスト現象事件に挑む話。今から40年前に起きた実話モノであり、登場するキャラクターも実在した人物である。このシリーズならではの丁寧なドラマ描写に、体験者たちへの敬意を強く感じる。
悪霊の仕業であることを肯定するのが早かった前作から、本作は変化を加える。彼らが手掛けた事件の多くは心霊現象ではなく、人為的な事由で起こることが多かったらしい。本作でも、アメリカ人であった夫妻がわざわざ海を渡って調査に向かったのも事態の解決のためではなく、心霊現象の真偽を確かめることにあった。
今回、怪奇事件の被害に合うのはシングルマザーと4人の子どもたちの家族だ。調査の焦点は悪霊にとりつかれたという次女の真相を探ることに移り、冒頭より心霊現象を「あるもの」として描き、その存在を肯定していた流れから、逸脱していく可能性を感じさせる。嘘かホントか、真偽が明らかになる過程はミステリーの様相であり、彼らの過去の体験が伏線となる二重の仕掛けが巧い。そしてその真実がしっかり怖い。
ウォーレン夫妻のモチベーションは苦しむ家族を救いたいとする純粋な良心である。リスクを承知で人助けにのぞむ彼らに心を打たれる。彼らも子どもを持つ親であり、家族愛の尊さを知っているからこそウォーレン夫妻の善意に説得力がある。ウォーレン夫妻と被害者家族の交流が本作でも感動的に描かれる。なかでも、エド演じるパトリック・ウィルソンのギターの弾き語りが大きな見所。カッコよくてシビレる。クライマックスシーンのアクションしかり、本作の主人公は霊能力者のロレインではなく、旦那のエドのようだ。
今回出現する悪霊の目的は「子どもたちを脅かすのが楽しいから」とのこと(別の正体があるが)。実に憎たらしい。悪霊に対する恐怖と共に、強い憤りを感じ「やっちまえ~!」とウォーレン夫妻による逆襲についつい力が入る。ジェームズ・ワンはホラー映画を娯楽映画として成立させることをしっかり意識している。さすがだ。
エンドロールでは実話の証明として、前作同様、実際の当時の写真と映画シーンを対比してみせる。実際に「エンフィールド事件」は史上最大のポルターガイスト事件として有名らしい。本作を見て改めて思うのは、現代ではこうした心霊現象が全くニュースとして取り上げられないことだ。幽霊たちがいなくなったのか、そもそも心霊事件なんてアリもしないことなのか。いずれにせよオカルトな話題が少なくなるのは寂しいことだ。
【70点】

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