今年は昨年と打って変わって洋画の不作年だ。アクション大作が軒並み期待ハズレであり、オスカーに絡んだタイトルも突き抜けた映画がなかった。現時点で私的90点オーバーは上半期の「オデッセイ」と「レヴェナント」のみで、全身が震えるほどのお気に入りである95点オーバーの映画が、このブログを始めた2010年以降初めて、今年は出でこないように思う。残り2カ月の公開ラインナップを見ても期待できるタイトルがない。今年の日本映画は例年と比べると良作が多いけれど、それでも個人的には洋画と比べるとまだまだ見劣りする。
今年は残念・・・ということで、来年公開の映画に期待する。
年末に向けてオスカーレースを意識したタイトルが、ぞくぞくと北米で公開を迎えている。これらのすべてが来年にようやく日本で公開される。(あるいは未公開)
で、前から気になっていた映画「Moonlight」が先週より北米公開され、現時点で今年No.1ともいえる絶賛評を集めている。
マイアミの貧困地区を舞台に、1人の黒人青年の成長を、子ども時代、思春期、青年期と3つの時代を通して描いたドラマとのこと。主人公がゲイであるという点も大きなテーマとなっており、黒人コミュニティ特有のジェンダーに対する意識が主人公の生き様に深く関わっていくらしい。トレーラーを見る限り、とても鮮烈でエモーショナルな物語になっている模様。「Moonlight」(月光)という美しいタイトルの由来も気になる。
現時点(10月27日)で、Rottentomatoでは批評家レビューで99%(!)のフレッシュを獲得。オーディエンスでも93%の支持というトンデモないスコアを叩きだしている。要は誰がみても間違いない傑作ということ。来年のアカデミー賞に絡んでくるのは間違いなさそうだ。
配給は「A24」。最近だと「ルーム」や「エクス・マキナ」などを配給していて、優れたインディーズ映画を扱う配給会社として知られるようになった。
注目するのは本作で黒人コミュニティのボスらしきキャラを演じているマハーシャラ・アリだ。「ハウスオブカード」のレミーである。本作のパフォーマンスで、オスカー助演男優賞にノミネートされると予想。映画の出演は「ハンガー・ゲーム」の脇役など、あまり恵まれていないため、彼が映画界でスポットライトを浴びるのはファンとして喜ばしいことだ。
あぁ気になる。日本での公開が早く決まってほしいな。
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