かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

聞いてますか?

2006年01月17日 21時59分04秒 | 雑談
今日つまらないなと思って話を聞いているとき、ふと思い出したのが「カクテルパーティー効果」という言葉だった。つまり、注意を払っていれば「聞こえる」のだがまったく注意していないと聞こえていても聞いていないのだ。
例えば、あなたが誰かを目の前にして熱弁を振るっていたとしよう。よほど耳が悪いのでなければ、その人物にあなたの声は間違いなく聞こえている。だが、人間うまくできているもので、その人物があなたの熱弁に興味を示していなければ下手をすると全く聞いていないということもあり得る。いわゆる右から左に抜けていったという類である。
耳がいかによかろうと聞いていないことがあるわけだ。ボーっとしていて聞き逃したなんていうのもあるだろう。複数の音の選別のみならず、注意全般に関わることというのは経験があるだろうと思う。違うことを考えていて聞き逃したとか。こういうフィルターとでもいうべき仕組みは他の感覚にも見られる。たとえば視覚もそうである。
逆にいうと、注意を集中させると周囲の音から聞きたい物音を選びだして聞くこともできる。たとえば、周囲のささやき声を騒音の中で聞くなんてこともできるわけだ。自転車に乗っていて目は前方を向き、耳は後方に集中なんてこともできる。ただし、どちらかに集中すれば当然もう一方はおろそかになってしまうので、その辺のバランスには注意されたい。