息子「健人」の小学1年生の時の担任だった先生から、わくわくする頂き物をしました。すでに退職していられる先生は、長野に農家の応援に行って来られたそうで、そのときにいただいた「トマティーヨ」をおすそ分けしていただきました。その農家の方は、実験的にいろいろな野菜や果物を育てているのだそうで、珍しいものがかなりあったそうです。
おすそ分けしていただいた「トマティーヨ」もその一つなのだそうで、味は、トマトというよりも、マンゴーのようなトロピカルな南国のフルーツで、そんな香りがします。小さいのですが、とても味が濃く、甘みも強い。
夫に「面白いトマトでしょう」と見せると、「トマトには見えないね。これはホオズキだね」という反応。たしかに、ホオズキを大きくしたような形をしています。そこで調べてみました。「トマティーヨ(tomatillo)」は、メキシコなどのスペイン語圏では、「ミルトマテ」、「トマテ・ベルデ(緑のトマト)」、「トマテ・デ・カスカラ(殻付きトマト)」 などと呼ばれ、「サルサ・ベルデ(緑のサルサ)」というグリーン・ソースの主材料になるのだそうです。
トマトと同じナス科なのですが、トマトはトマト属に属すのに対して、トマティーヨはホオズキ属に属すのだそうです。たしかに、薄い殻に覆われた果実ですから、ホオズキにそっくりです。ナスを食べて、トマトのような味がするとは言わないように、トマティーヨを食べた夫が「トマトの味はしない」と言ったのは正しいのかも知れません。
ホオズキもナス科、トマトもナス科で、ナス科の植物は多彩です。ウリ科の植物と違って、「萼(がく)」が「へた」となって残ります。キュウリ、スイカ、カボチャ、ニガウリ、メロンなどのウリ科の野菜や果物にはヘタはありません。萼の変化したものが果実の先端にわずかに残るに過ぎないのです。
「ヘタ」を特徴とするナス科の植物は、トマトなどが属する「トマト属」、ナスやジャガイモなどが属する「ナス属」、トウガラシやピーマンなどが属する「トウガラシ属」、ホオズキなどが属する「ホオズキ属」、タバコなどが属する「タバコ属」、チョウセンアサガオなどが属する「チョウセンアサガオ属」などに分けられます。
ホオズキでもトマトのように見えることから、英語でも“husk tomato”(ハスク・トマト、殻付きトマト)、“Mexican tomato”(メキシカン・トマト)と呼ばれるようです。ホオズキは、その形状から“bladder cherry”(ブラッダー・チェリー)というのだそうで、 トマティーヨは、“husk cherry”(ハスク・チェリー)とも呼ばれるようです。でも、イメージしにくいですよね。
日本語ではトマティーヨは、「ほおずきトマト」と呼ばれることが多いようで、この名前が一番イメージしやすいですよね。沖縄では、収穫時期は4月から6月にかけてで、北に行くに従い、後にずれていきます。日本全体でいうと、4月から10月頃までとなるようです。珍しいことから、かなりお高いもののようで、人に知られるようになって、栽培量が増え、安価に手に入るようになったら、食卓に乗せようと思います。
夫は「ホオズキは食べるものではなくて、鳴らすものだね」と言います。子どもの頃、北海道の山の中に暮らしていた夫は、ホオズキが熟れる時期になると、父親から教わって、ホオズキの中身を揉んで、萼とともに上手に引き抜き、紙風船のようにして、口に含み、ギューギューと鳴らしたそうです。
ギューギューと音は出ませんが、「トマティーヨ」、おいしくいいただきました。ご馳走さまでした。
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