約100万人が餓死したという「エチオピア飢饉 (1983年~1985年)」から数年後の1987年5月3日に亡くなった「ダリダ(Dalida、享年54歳)」は、その人生の終焉近くで、「歌いつづけて(Mourir sur scène、Born to Sing)」という歌をアルバム「Les p'tits mots」に収録します(1983年)。“Mourir sur scène”とは、「舞台の上で死ぬ」という意味になります。
Moi je veux mourir sur scène
Devant les projecteurs
Oui je veux mourir sur scène
“Tommy Cooper”と呼ばれた“Thomas Frederick Cooper”(トーマス・フレデリック・クーパー)は、1984年4月15日、現在「オペラ座の怪人(The Phantom Of The Opera)」が上演されている「ハー・マジェスティーズ・シアター(Her Majesty's theatre)」の舞台上で亡くなります(享年63歳)。日曜日の夜に放映されていたテレビのバラエティショー「ライブ・フロム・ハー・マジェスティーズ(Live from Her Majesty's、 1982~1988年)」に出演中の出来事でした。心臓発作(heart attack)で突然に倒れたのです。数百万のテレビ視聴者も劇場の観客も彼のジョークだと考え、笑いが起こりました。強烈な胸の痛みと薄れいく意識の中で、クーパーは観客の笑いをどのようにとらえたのでしょうか。
「俺は子どもが5人もいる貧しい家庭に育ったんだ。子どもたちはみな一つのベッドで寝ていたんだぜ。そう、ベッドで一人で寝られるようになったのは結婚してからだよ(I came from a very poor family of five children. We all used to sleep in the same bed. In fact, I never slept alone until I got married.)。」
エチオピア飢饉の深刻さを、深刻にならずに改善しようとする、コメディに携わる人たちのメッセージが込められた団体名です。コミック・リリーフの設立される前年にトミー・クーパーは亡くなっていますが、生存していたならば、コミック・リリーフの活動に大きく関わっていたことでしょう。コミック・リリーフは、「レッド・ノーズ・デイ(Red Nose Day)」を主導しています。
レッド・ノーズ・デイのグッズも販売され、その売り上げの50%ほどが慈善団体に渡されます。そのグッズの中にTシャツがあります。元「ビートルズ(Beatles)」のメンバーの一人「ポール・マッカートニー(Paul McCartney)」の次女でデザイナーの「ステラ・マッカートニー(Stella Nina McCartney)」がデザインしたTシャツ類は、Unisex Beatles T-Shirt、Kids Beatles T-Shirt、Unisex Tommy Cooper T-Shirt、Kids Tommy Cooper T-Shirt、Ladies Marilyn T-Shirt、Ladies Kate Vest、Ladies Kate T-Shirt、Kids Giraffe T-Shirt、Baby Giraffe T-Shirtの9種類。およそ6ポンドから15ポンドまでと値段はいろいろです。1枚につき2.5ポンドから8ポンドまでが慈善団体に寄付されます(£5.99 with at least £2.50、£6.99 with at least £2.50、£9.99 with at least £5、£14.99 with at least £8 going to Comic Relief)。
(注) “Kate”は、イギリスのファッションモデル「ケイト・モス(Kate Moss)」です。ケイト・モスは、俳優「ジョニー・デップ(Johnny Depp)」との失恋の痛みを癒そうとアルコールに走り、アルコール依存症になったこともあるそうです。シェイクスピアの喜劇「お気に召すまま」で語られる言葉、「この世はすべて舞台、男も女もみな役者に過ぎない(This world is a stage and every man plays his part.)」