POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 オランダのユトレヒト大学の研究グループは、アメリカとカナダで確認されたインフルエンザA(H1N1)(いわゆる「新型インフルエンザ」)の患者3400人のデータを基に、発症した人のうち何人が死亡するのかを示す「致死率」を計算したようです。その結果によれば、新型インフルエンザ致死率は0.5パーセント程度と推定されるようです。季節性インフルエンザの致死率が高くて0.1パーセントであるのに比べると桁違いに高いことになります。季節性インフルエンザでは罹患者1,000人に1人が亡くなりますが、インフルエンザAでは200人に1人は亡くなってしまうのです。

 タイに旅行に出ようとして、インフルエンザAの大流行で断念したために、タイのインフルエンザAの感染状況を観察していますが、タイの厚生省の発表では、タイ国内での死者は111人に達したそうです。8月9日から15日の間の死者は男性7人、女性7人で、その多くが、肥満、糖尿病、慢性肺疾患、腎臓疾患などの基礎疾患があったようです。(Of them, most have underlying diseases such as lung problems, obesity, diabetes and kidney disorder. August 18,2009、THE NATION) いわゆる「ハイリスク群」に属する人たちですね。

 ハイリスク群とは、インフルエンザに感染すると、重症化や合併症を引き起こす可能性の高いグループのことで下記の人たちです。
 (1) 65歳以上の高齢者
 (2)妊娠28週以降の妊婦
 (3)慢性肺疾患(肺気腫、気管支喘息、肺線維症、肺結核など)を持っている人
 (3)心疾患(僧帽弁膜症・鬱血性心不全など)を持っている人
 (4)腎疾患(慢性賢不全・血液透析患者・腎移植患者など)を持っている人
 (5)代謝異常(糖尿病・アジソン病など)を持っている人
 (6)免疫不全状態の患者

 タイでは、雨季から冬の季節へと移行する時期(通常、10月で雨季は終わり、11月から乾季に入る)にインフルエンザA(H1N1)は一層容易に蔓延するので、警戒を緩めてはいけないようです。日本人観光客にとっても、危険な時期と言えましょう。(Paijit urged people not to lower their guard against the influenza A(H1N1) because the disease would likely spread more easily during the upcoming transition period from rainy season to winter.

 タイの医療関係者のアドバイスは、私たちにも有用です。妊娠していたり、肥満であったり、慢性疾患があるなどの「ハイリスク群」の人たちは、高熱をだしたり、下痢または頭痛がしたらすぐに、診察を受けなければなりません。(People in risky groups such as those having pregnancy, obesity, and chronic diseases should visit a doctor immediately after they have high fever, diarrhoea, or headache.

 「ハイリスク群」に属さない人でも、高熱、下痢、頭痛といった症状が改善しない場合は、症状が出てから24時間以内に治療を受けなければなりません。この時間が抗インフルエンザ治療薬の効果が大きく上がるタイム・リミットなのです。("For others, they should seek medical treatment within 24 hours if the symptoms do not improve," Paijit pointed out.

 心配な事例がいくつかあります。「ハイリスク群」ではない子供たちがインフルエンザAの感染で重症化するケースが報告されるようになってきていることです。沖縄県で、糖尿病や腎不全、心疾患などの基礎疾患のない小学生と中学生が重症化し、小学生はインフルエンザ性心筋炎を起こし、中学生は肺炎を起こして、呼吸困難に陥って人工呼吸器を装着し、集中治療を受けているそうです(8月19日)。また、他県では「インフルエンザ脳症」を起こしたケースも報告され(8月4日、大阪府の5歳の男の子、8月11日、茨城県の4歳の男の子など)、「ウイルスの病原性が変化したとは考えていない」という沖縄県対策本部の言葉も安心を与えてはくれません。

 名古屋市は8月19日、新型インフルエンザに感染した81歳の女性が重症肺炎で死亡したと発表しました。女性には多発性骨髄腫と心不全の疾患があり、免疫力が低下しているところに、新型インフルエンザに感染し亡くなったとみられています。新型インフルエンザ感染者の死亡は全国で3人めで、いずれも「ハイリスク群」に属する人たちです。女性が入院した病院では院内感染が起こったようで、女性を最初に診察した医師と、入院患者2人、看護師3人の計6人が簡易検査でA型インフルエンザ陽性となり、新型の感染が疑われているといいます。

 私たちは、迫りくるインフルエンザAに対して、素手に近い「マスク」と「手洗い」という武器で戦うしかないのでしょうか。我が家には、基礎疾患はないが高齢の母がいます。新学期が始まり、我が子「健人」がウイルスを我が家に持ち込むことを恐れています。

 2009年8月19日配信の毎日新聞の記事からです。

 厚生労働省は19日、新型インフルエンザの集団感染の報告が10~16日の1週間で662件に上り、前週(3~9日)より109件増えた、と発表した。3~9日の定点医療機関1施設当たりの患者数報告は0.99で、流行水準とされる「1」の目前となっており、10日以降は既に1を超えて流行期に入っている可能性が高い。舛添要一厚労相は「第1波の本格的な流行が既に始まったと考えられる」と19日午前の記者会見で述べたが、数字的にも裏付けられた。

         (この項 健人のパパ)

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