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海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

母と娘の絵てがみ&写真展inギャラリーはしまや

2008-03-22 | 芸術・文化


3月20日(木)の祝日。
行ってきました!
森貞和子・森貞晶絵「母と娘の絵てがみ&写真展」に。

以前にもここでご紹介しました「母娘展」の第二弾!です。
会場はとても素敵な空間「ギャラリーはしまや」さんでした。

  

展示スペースの二階に辿り着くまでに、階段横の壁に作品がいくつか掛けられていました。
中でも惹かれたのは、右の写真の作品です。

中心には6枚のモノクロ写真。(撮影は娘さんの晶絵さん)
それを取り囲むように配置されたスケッチ画。

すべて「樹」がモチーフとなっているこの作品。
キャプションにはこんな言葉が添えられていました。
「もしも写真を撮らなかったら、もしもスケッチしなかったら、誰の目にも留まることなどなかったような一本の樹にも命があるんだよね。みんな精一杯生きているんだよね。」

毎回、感心してしまいます。
添えられた言葉が、とてもいいのです。


ふわっと春風が心の中に吹いたような、そんな心地で会場への階段を上っていくと―。


森貞さんが笑顔で迎えてくださいました。
前にお会いしたときと少しも変わらない、凛とした佇まい。
それでいて柔らかな雰囲気をお持ちの方です。
訪れるお客さま皆さまに、お声をかけられていらっしゃって。
作品そのままの、温かな空気を纏っておられました。


残念ながら、お越しになれそうにない方のために。
ぐるりと会場の様子をご紹介いたします。

お母様から娘さんに毎日愛情を込めて書かれた絵てがみと、晶絵さんが撮った写真たち。
作品から溢れ出す優しくて温かな空気が、少しでも伝わると幸いです。











作品を照らすライトの色は優しく、窓からは自然のやわらかな光が差し込んでいました。
いつまでもこの空間に居たい。
そんな風に思わせてくれる、レイアウトと空間となっていました。

 

晶絵さんの撮る写真、大好き!
モノクロ写真ですが、すっごく表情があるのです。
作品「花と猫」
ほのぼのとして、まあるい雰囲気で、やさしい。
私もこんな写真が撮れたらなぁ。



この作品は、前回の展示会にもあった「道」をテーマにした作品。
前の記事(「母娘展」)でも書いたけれど、この作品は本当に心に響く。
涙がポロリとこぼれそうになるくらいに―。
今回もまたまた出合えて、すごく嬉しい。
どうもありがとう。




和子さんが描かれた猫。
こちらも、まあるい雰囲気でやさしい。
「しあわせ」と添えられていますが、拝見している私も“しあわせ”です。



さて、こちら。
何だかお分かりになるでしょうか???
ミニ観葉植物が飾られているこの台も、晶絵さんの作品なのです。

何と、素材には「つまようじ」が使われています。
一本一本つまようじを貼り付けて…。
想像するだけで、細かい作業に気が遠くなりそうです。
その根気と緻密さに、感嘆。

卒業制作でも、この“つまようじアート”(すみません。私が勝手に命名)で、「樹」を作成されたという晶絵さん。
その作品は大きくて、今回の展示会には持って来られなかったそうです。
植物を飾る小さな台でさえ驚きなのに…。
是非一度、その作品を拝んでみたいものです。



どうしても今回、皆さまに観て頂きたかったのが上の写真の作品です。
左側が晶絵さんの作品。右側が和子さんの作品。

和子さんの作品に、
「冬休みに一緒に描いたけど すごく個性的な晶絵の百合に感動して」
と書かれています。
羨ましいですよね。
親子で、一緒に絵を描くという楽しみがあるって。

そして、もうひとつ感激したことが。
和子さんのこの作品を最初に拝見したとき、80円切手が貼られていたこともあり、てっきり「絵封筒」だと思ったのです。
ご本人にお伺いしたところ、これも「ハガキ」でございました。
よ~く見てみると、郵便番号を書く欄の上に「郵便はがき」と印刷してありました。

ハガキの宛名を書く面に、絵を描く―。
そういう楽しみ方もあったのですね。
目からウロコ、です。



こちらは会場を訪れた人たちに宛てられた、大きな、大きな、絵手紙です。
こんなサイズの絵手紙、そうそう頂けるのもではありませんよね。
どうもありがとうございます。



こちらは、会場となった「ギャラリーはしまや」さんへの絵手紙。
「ありがとう」と認められています。

この度も、随所にお心遣いを感じる展示会でした。
本当に心温まる、愛情いっぱいの展示会でした。

森貞和子さん、森貞晶絵さん。
素敵な時間を過ごさせて頂きました。
本当にどうもありがとうございました。



最後に、この作品をご紹介します。
階段を上りきったところに掛けられていました。
つまり二階の会場に入るところで最初に目にし、会場を後にする際にも目にするという、
とても印象に残る位置にあるのです。

 「お母さんのように夢を叶え続けたい」
 「晶絵の夢が叶うことがお母さんのゆめ」


晶絵さん、大学ご卒業おめでとうございます。
そして、ようこそ社会人へ!

  どうぞお二人の夢が、叶いますように―。
 

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  母と娘の絵てがみ&写真展

森貞和子 絵てがみで自分史を作る会認定講師
       山陽新聞カルチャープラザ(イラスト入門)講師
森貞晶絵 京都精華大学芸術学部造形学科洋画専攻4年

日時 2008.3.18(火)~30日(日) *25(火)はお休み 
     10:00~17:00 
場所 ギャラリーはしまや 
    倉敷市東町1-20
    TEL 086-422-2564

*********************************

「母と娘の絵てがみ&写真展」の期間は、3月30日(日)までです。
優しくて、温かな気持ちになれること間違いなしです。
お近くの方は是非、足をお運び下さいませ。

母娘展

2007-11-23 | 芸術・文化
行ってきました!「母と娘の絵てがみ&写真展  -森貞和子・森貞晶絵-」。
以前何度かこのブログでご紹介したことのある森貞さん。
「またもや驚きの展開」 「ご応募お待ちしております!」 「NIE(教育に新聞を)」
以前、秋に個展を開かれるとお聞きしていて楽しみにしていました。
「もうそろそろかな~」と思っていたら、友人・美奈子さんのブログ「紫光庵日記」で詳細を知りました。
美奈子さん、ご紹介して下さってどうもありがとう!


お母様の和子さんは、絵手紙講師。
娘さんの晶絵さんは、美大生。
「仲良し母娘から、幸せな時間をプレゼントして頂いたなぁ」と感じる、とてもとても素晴らしい展覧会でした。

受付にいらっしゃった森貞さんと実際にお会いするのは、四年半ぶり。
相変わらず溌剌とされていて美しく、そして包み込むような雰囲気をお持ちの素敵な女性でした。
写真撮影・ブログ掲載の許可も頂き、ありがとうございます。
ご紹介させていただきます。

 

写真左の作品。お弁当の絵です。
晶絵さんが高校に通われた3年間、ずっとお弁当スケッチをされたとか。
スゴイ!
そして、絵手紙といってもハガキサイズばかりではないのですね。
大きな作品も何点かありました。

写真は娘さんの晶絵さんの作品です。
モノクロの写真っていいなぁ。
ここに展示してあった作品は「猫」がテーマだったようです。
どの子も表情豊か―。

 

全国公募のひな祭絵手紙で大賞を受賞された作品。
新聞では拝見しておりましたが、やはり実物はとっても素敵です。

会場に溢れんばかりに展示された絵手紙。
実は娘さんに宛てられたものなのです。

筆、ペン、つまようじ、枝・・・etc。
いろんな道具を使用して描かれた作品達。
中には“ちんげんさい”の切り口をスタンプにしてお花にしたり、新聞やチラシを使用したりと様々な工夫がなされていました。
素晴らしいアイディアです!
日々丁寧に、そして楽しみながら生活されているのだなぁ、と感じました。
少しでも近付きたいと思う暮らし方です。

中には私が森貞さんに宛てた手紙を題材にされた絵手紙もあり、感激致しました。
すごくすごく嬉しかったです。

不思議なもので手紙の文字を読むとき、書かれた方の声が心の中に聞こえてきます。
森貞さんの凛とした、それでいて優しい声。
一枚一枚拝見・拝読させて頂きながら、ずっと聞いていたように思います。
娘さんがこの場に立ったら、お母さまの愛情に満ちた思いと声を全身で受けるのでしょうね。

そんなことを思いながら巡っていると、幸せで温かな気持ちで胸がいっぱいになっていました。



会場を飾るテーブルコーディネートも素敵。



作品の展示位置も、とてもよく考えられていて。
ストーリーが出来上がっていました。

左は娘さんがご両親の結婚記念日(銀婚式)に贈られた手紙。
こんなに素敵なお嬢さんに育ってくれたら、ご両親はすごく嬉しいだろうなぁ。
読んでいて私が感動しました。


真ん中の写真群。すごく、好き。
キャプションには、
「 いろいろな道がある。
 わたしはわたしの道を。
  
     もりさだあきえ 」
そして作品は、
「ぽっぽ道」「水の道」「空の道」「声の道」
「セミの道カブトムシの道」「アリの道バッタの道リヤカーの道」
「ねこの道」「海の道」

この感性、この視点はどこから来るのだろう。
その向かう先を見てみたい気がします。


右の絵手紙は、
仲良し二匹のウサギの絵に「母娘展の企画 ありがとう」。
カメラと絵の具の絵に「母娘展ができてよかったね」の文字が。



晶絵さん、小学校5年生のときに宿題で作ったという作品。
リュックサック。

猫の模様のキルティングに、違う黄色の布でポケットを付け、そこにまた猫が縫い付けられています。
その猫ちゃんの体には「A ki e」の文字。
5年生でこの発想と、この出来ばえ!
驚きです。

そしてこの作品をお母さまが絵手紙で表現されたのが、上の額。
「五年生の時の授業作品 アイディアとていねいさに感動したよ」の文字。

娘さんの作品を、お母様がまた作品に残してくださる。
嬉しいでしょうね。
羨ましいコラボです。



展示されている最後の作品は、大きな大きな扇。
訪れた人たちへのメッセージになっていました。

お二人の思い、たくさんたくさん伝わりましたよ。
心にしっかりと響いています。
幸せな時間をどうもありがとうございました。


展覧会は明日までです。
温かな気持ちになれること確実です。
お近くの方は是非!

********************
母と娘の絵てがみ&写真展
  -森貞和子・森貞晶絵-
 
2007年11月20日(火)~11月25日(日)
  10:00~18:00
  <最終日16:00まで>

〒700-0904 岡山市柳町2-1-1
山陽新聞社 さん太ギャラリー
TEL 086-803-8222
********************


二つの美術展(「坂田一男展」編)

2007-11-11 | 芸術・文化
我が国における抽象絵画の先駆者として評価を得ている坂田一男。
岡山市生まれで、我が町、倉敷市玉島にアトリエを構えていました。

そのことは聞き知っていたのですが、正直、抽象絵画はよく分からず・・・。
岡山県立美術館において「坂田一男展 前衛精神の軌跡」が長期開催されておりましたが、当初行く予定は全くありませんでした。
が、見たいと思った「日本赤字社所蔵美術展」と同じ美術館で開催されていたため、目にする機会に恵まれました。
ご縁があったのでしょうか。

展示スペースに入る前に、ビデオを流している空間がありました。
まずそこで情報収集―。
そこで放映されていたのは地元のケーブルテレビ・玉島テレビ放送制作「たましま百景 抽象絵画の先駆者、坂田一男」でした。

“明治22年生まれ”と知り、「あ、うちの曽祖父の二つ下だ!」と少し身近に感じました。
そして最期の脈をとったという主治医の先生の顔が写り、ますます親近感がアップ。
その方は、小学校時代の校医の先生だったのです。
私が生まれたときにはもうこの世にはいらっしゃらなかった画家・坂田一男ですが、不思議な思いを抱きつつ展示室に足を踏み入れることとなりました。


ぐるりと美術展会場を巡り感じたことは―。
「型があるからこそ型破りができる」というある本で出合った言葉と、展示の仕方の素晴らしさでした。

初期作品やスケッチ、デッサン、画帖、家族や友人に宛てた手紙など・・・。
到達した抽象絵画の世界だけではなく、それまでの軌跡が展示されてありました。
だからこそ、描く絵への強い信念が伝わってきたように思います。

“少しわかる絵を描いて売ったらどうだ”と言われ、凄い形相で怒ったことがあったという坂田一男。
純粋に自分が追求する絵画に取り組んでいたからでしょう。


「型があるからこそ型破りができる」
この言葉から思い浮ぶ画家が、もう一人います。
それは、岡本太郎。

彼の作品は一度見たら忘れないという、とてもインパクトがあるものです。
まさに「藝術は爆発だ!」といった感じ。
それがたまたま見たテレビで、意識が変わりました。

戦時中、眠っている仲間の兵士を描いた一枚のスケッチ。
それは繊細な線で描かれた、ハッとするほど美しいものでした。

“前衛”という言葉を冠せられる人々は、革新的であるがために受け入れられにくい場合があります。
でも前衛でいられるのは、それまでの基礎・型がもの凄くしっかりと出来上がっているから―。


“前衛”“先駆者”。
自分の思う絵の世界を信じ、追求し、切り拓いて行く人。
その<心の強さ>を感じた美術展でした。

二つの美術展(「日本赤十字社所蔵美術展」編)

2007-11-06 | 芸術・文化
先日訪れた二つの美術展。
どちらも心に残るものとなりました。
まずは「日本赤字社所蔵美術展 ―人道と平和への想い― 」の感想です。


この美術展のことを知ったのは、日本赤十字岡山支部で行われた講習会でのことでした。
予定時間を過ぎてしまった講習会の最後に、講師の方が言われました。
「もっと赤十字社のことについてもお話したかったのですが、時間が無いのでこの美術展についてだけご紹介します。」と。

その方が指し示した場所には、東郷青児「ナース像」がプリントされた美術展のポスターが貼られていました。
日本赤十字社岡山県支部創設120周年を記念した美術展だということでした。

ここで少し疑問に思われる方もいらっしゃるはずですよね。
皆さんからの善意の寄付で活動が行われている赤十字社。
何故に美術品があるのだろう?、と。
私も一瞬「えっ?」と思いました。
実はこれらの美術品はすべて、作家さん方からのご協力により“寄贈”された美術品なのだそうです。

現在、日本赤十字社社屋(東京)に展示されているというこれらの美術品。
今回は昭和52年(1977年)の新社屋建設に伴い寄贈された品が公開されるということでした。
まとまった形での地方での展示は今回が初めてで、岡山に縁のある備前焼もお里帰りをしていました。
「ナース像」のモデルも岡山の看護師さんだとか。
この機会に是非とも拝見したいと思い出掛けたのです。


会場には20点の作品が展示されていました。
出品作家は、
東山魁夷、梅原龍三郎、東郷青児、パブロ・ピカソ、藤原啓、藤原雄、山本陶秀…など。

お目当ての「ナース像」(1974年作)ももちろん良かったのですが、それよりも同じ東郷青児が描いた「ソルフェリーノの啓示」(1977年)が心に響きました。

イタリア統一戦争の激戦が繰り広げられた「ソルフェリーノ」の悲惨な状況を目にし、国際的な救護団体をつくろうと考え、赤十字の礎を築いたアンリー・デュナン。
「ソルフェリーノの啓示」は、そのソルフェリーノの惨劇の中に立つアンリー・デュナンと、彼らに手を差し出している天使の姿が三人描かれています。

作者は、この絵を制作するために現地まで取材に出掛けられたそうです。
お亡くなりになられた年は1978年。
この作品が出来上がったのは1977年。
最晩年の作品です。
キャプションに記された年号を目にし、作者のこの絵に対する思いがさらにずっしりと伝わってきたように感じました。
出会えてよかったと思う作品でした。

磯永秀雄の世界

2007-09-13 | 芸術・文化
現在岡山県下で公演中の劇団はぐるま座による「童話劇と詩の朗読 天狗の火あぶり」を観てきました。

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9月13日(木)
玉島公民館大ホール 開演午後6:30~
【プログラム】
<朗読>
 八月の審判
 ゲンシュク
 十年目の秋に
<朗読劇>
 花咲く桃の木の下で
<朗読>
 ただいま臨終
 一かつぎの水
 右手のしたことを(小学生による群読)
 夜が明ける
<大型立体紙芝居>
 鬼の子の角のお話
<童話劇>
 天狗の火あぶり
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プログラムの全ては、磯永秀雄の作品です。
戦後山口県光市に駱駝詩社を設立し、生涯山口県を拠点に活躍した詩人です。

大学在学中に学徒動員でニューギニアの手前・ハルマヘラ島へ送られ、九死に一生を得て帰国された磯永氏。
多くの戦友の死や戦争の苦しみ、凄絶な体験を胸に、生涯詩を書き続けた方であります。
そして「おとなの童話・みんなのお話」という数十篇の童話も書き残されました。
「磯永秀雄の世界」は“平和を願い、人々が温かで幸せな世界を願う”心で溢れています。


先週、劇団はぐるま座の方が我が家を訪ねて来られ、お話をする機会がありました。
そこで共感したことは、“一人一人の平和を願う思いが、平和な世界を作っていく”ということでした。
そして彼らはその思いを胸に、平和の輪を広げようと、劇団という形で活動されているのです。

私が生まれてからの日本は、幸いなことに戦争はありませんでした。
しかし世界中を見渡してみれば、どこかの国で戦争が起こっています。
地球上の全てが、真に平和だったことはないのではないでしょうか。

しかし―。
62年前の戦争経験を語り継いでくださっている方たち。
文章という形で平和について語りかける方たち。
写真という表現を用いて、世の中に現状を知らせてくれる方たち。
様々な形で平和を願い、行動に移して下さっている方々が大勢存在していることも確かです。

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しかし私は知っている
平和の願いが必ずいくさを退けうることを
真実の道を掩う雑草をたんねんに
抜きつづけることが
私たちの永遠の仕事でなければならぬことを

磯永秀雄「十年目の秋に」より抜粋
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私もその輪の中の一員となり、その輪を広げていこう。
そんな風に改めて思った一夜でした。

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【今後の劇団はぐるま座、岡山公演の予定】
15日(土) 14:00 玉野市総合文化センター
17日(月祝)14:00 美作文化センター
18日(火) 14:00 さん太ホール
 〃     18:30  〃
24日(月祝)15:00 里庄総合文化ホール
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それにしても、人の言葉・声には力がある。
声色、間、大きさ―。
そしてそれらを考えながら発することで、伝わり方は大きく変わる。
私自身、紙芝居を読んだり、人前で話す機会が結構あるので気を付けよう。
勉強になったなぁ。

後楽園たきぎ能

2007-08-18 | 芸術・文化

【おかやま後楽園内特設能舞台】

8月17日。
人生初の体験をしてきました。
それは「たきぎ能」です。
今まで行ってみたい!と思いながらも行ったことがなかったのです。
仕事を終え、急いで会場の後楽園へと向かいました。

開場時間より早めに到着したのですが、何と既に長蛇の列!!
皆さんとても楽しみにされておられたのでしょうね。
暑い中、うちわや扇子で扇ぎながらじっと並んで待っておられました。

演目は、

狂言《和泉流》  鈍太郎(どんたろう) 野村萬斎 他

狂言《大蔵流》  空 腕(そらうで) 茂山千作 他

能 《金剛流》  半 蔀(はしとみ)<立花供養> 金剛永謹 他


萬斎師の朗々と通るお声に聴き惚れ、人間国宝・千作師の科白の絶妙な「間」に感嘆。
狂言の笑いの世界に引き込まれました。

そして最後は、能「半蔀」。
「源氏物語」に登場する女性・夕顔を描いた作品です。
来年は「源氏物語」が生まれて1000年目。千年紀です。
記念すべき年にこの作品を観劇できた巡り合わせに、感謝。

************************************
京都・紫野の雲林院に住む僧が、夏の安居(座禅修行)も終わりに近づいたある日、夏の間毎日供えた花々を供養するための立花供養を行う。夕暮れ時になると、どこからともなく若い女が現れ、美しい白い夕顔の花を手向けて花の陰に消え失せる。僧が女の言葉に従って五条あたりを訪れると、半蔀に夕顔の咲く家があり、その戸を開けて夕顔の精が現れる。女はかつての光源氏との恋物語を語り、舞を舞う。やがて東の空が白み始めると、女の霊は僧にさらなる回向を願い、半蔀の内に姿を消す。それらはすべて僧の見た夢であった。
(パンフレットのあらすじより)
************************************

題に「立花供養」の小書が付くと、能舞台正面に実際に生花または作り物の立花が出され、僧がその前で回向を行います。
今回の立花は、池坊岡山県連合支部が立てられていました。

日はとっぷりと暮れ、空には星が瞬き、月が浮んでいました。
その夜空に吸い込まれていくような笛の音と、鼓の澄んだ音。
優美、幻想的に舞う「夕顔」。
幽玄の世界を堪能させて頂いた、夏の一夜でした。



上演中は写真撮影禁止。
写真は始まる前と、観客が殆ど帰った後に写したものです。
少しは雰囲気が伝わるでしょうか?

帰りはピアノバーへ。
店長さんの優しいピアノの音色に合わせ、歌われたサッチモの「この素晴らしき世界」。
伸びやかな女性ヴォーカルの声が心地よく、癒されました。

ご一緒してくれた直ちゃん、どうもありがとう。

「人形芸術の世界」

2007-03-18 | 芸術・文化


MFAの講習会の帰り道、ふと見上げたら嬉しいものを発見しました。
広島三越の懸垂幕に書かれた「与勇輝 人形芸術の世界」の文字。
期間を見てみると、3月6日(火)から3月18日(日)まで。
何と今日までではないですか!!

その時の時間は5時20分。
「最終日とあれば、きっと閉場時間が早いはず…。間に合わないかな?」
と思いながら、急いで会場へ。

間に合いました!入場は5時30分まで。閉場は6時。
まさにギリギリ。

与勇輝氏の作品は、倉本總『ニングル』を題材にした人形を写真で見て以来のファン。
実物を見たのは今回が初めてでした。
この偶然の出会いに感謝です。

作品はどれも素晴らしくて。
少し前の時代の日本の子供たちや大人たち。
表情が豊かで、着物姿も愛らしい。
そして何ともバランスが良く、すくっと立っておりました。

与勇輝さんの作品は着物姿か妖精のイメージだったのですが、この展示会には洋服姿の外国の子供たちもありました。
やはり見事です。
いまにも動き出し、おしゃべりを始めそうな感じでした。

会場を訪れていたお客様は年齢も性別も様々です。
そんな中で共通していることをひとつ発見しました。
皆さん“微笑んで”ご覧になっているのです。
本当に幸せがたくさん詰まった空間でした。

展示の仕方も工夫されていたのですよ。
ガラスケースに収められていて、殆どは四方から見えるようになっていました。
しかし、後ろ側が壁の場合はそうはいきません。
後ろも見えるようにと、鏡が立てられていました。
さすが!ですね。

出口で図録を購入したら―。
何と与勇輝さんご本人がいらっしゃっていて、サインをして下さいました。
それも「○○さん江」とフルネーム入り。
握手もして下さり「この温かな手であの人形たちは作られたのか」と感激致しました。

何とも有意義で、幸せな一日でした。

朗読会

2007-02-25 | 芸術・文化
『和みおかやま』その後の展開でご紹介しました森田恵子さんの朗読会に行ってきました。

会場は倉敷美観地区にある三宅商店さん。
江戸時代後期(百数十年前)に建てられたという町家で、長い土間の奥には蔵があります。
とても趣のあるお店です。

そして、ご本人も、スタッフの皆さんもお着物姿。
お店に入った瞬間から癒されていました。

五時。
朗読会が始まりました。
照明を落とした和の空間に、山本周五郎の『初蕾』の世界が広がります。
この作品は読んだことがありました。
しかし、声を通して聴くと感動の度合いが全然違いますね。
「もうすぐ、もうすぐ終わるなぁ」と思いながら最後の場面を聴いていたのですが―。
何とも言い表せない感動でした。
声の力って本当にすごいですね。

一時間にわたる長丁場。
お疲れ様でした。
また聴きに行きたいです。



朗読の後にはデザートタイム。
アイスクリーム2種、ケーキ2種にコーヒー。
これまた幸せ~なひととき。



デザートを堪能した後は、奥の蔵へ写真を観に。
ここもとても素敵な空間でした。
写真はもちろんなのですが、飾られているお花も素敵。

壷には今日の題材『初蕾』の合わせられたと思われる、梅が生けられていました。
あたり一面に白梅の芳しい香りが満ち溢れていて。
思わず深呼吸―。



そして森田さんお手製の“袱紗”をお土産に購入。
麻の葉模様大好きの私としては、とっても嬉しいのでありました!

今日は偶然にもよく知る方にもお会いでき、そして新たな出会いもあり。
心もお腹も満たされた朗読会でした。
ご一緒した皆様、どうもありがとうございました。

お店の戸をやわらかな気持ちでくぐり、清々しい気持ちで風に吹かれながら駐車場まで歩いて帰りました。
途中、ちょっぴり寄り道。
ライトアップされた大原美術館に魅かれパチリ!
今日も楽しい一日に感謝です。




年明け恒例の

2007-01-08 | 芸術・文化
よく晴れた休日。
未読の本の中から一冊を選びカバンに押し込み電車に乗って出かけました。
高梁川の上にさしかかると、水面がキラキラと光りとても綺麗。
読んでいた本から顔を上げ、しばしその光景に見とれていると―。

高梁川。
どのあたりで描いたんだろう?
これから観に行く絵のことを、ふと想像していました。

毎年楽しみにしている「日本美術院展覧会」。
お目当ては大好きな西田俊英さん。
今年は特に楽しみにしていました。
1月3日付けの山陽新聞「滴一滴」の中にこんな文章を見つけたからです。

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もう一つの鶴を楽しみに二日は、岡山市の天満屋岡山店で始まった院展岡山会場に出かけた。
西田俊英さんの「吉備の鶴」は六曲一双の屏風(びょうぶ)で、総社市の高梁川沿いで育つタンチョウを描いた。
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私にとって身近な高梁川。そこで育った鶴がモデル。
いつも楽しみにしている西田氏の絵ですが、今回は特別な思いで出かけたのです。

岡山駅に着くと、降りたホームの反対側に可愛らしい電車を発見。
思わずパチリッ!
松山行きの「特急しおかぜ」でした。

   

   


気分は益々ワクワク状態。
まずは院展に行く前にもう一つの美術展に行ってきました。

岡山県立美術館で開催されている「棟方志功と芹沢介」。
昨年県内の一所蔵家からの約200点もの寄託を受けたことにより、今回の美術展が行われたそうです。

どの作品も力作ばかり。
そしてチラシもチケットも粋!
チラシは青バージョンと赤バージョンの2種類があり、両方頂いて帰りました。



そしていよいよ院展へ。

実物を目にする前に出会っていまいました。西田氏の絵に。
ポスターとチラシに使われていたんですね。

   

実物の前に立つと言葉がありませんでした。
時の移ろいの中で、愛情と優しさの感じられる作品です。
作品名は「吉備の鶴」。
丹頂鶴の「誕生」と「鳴き合い」の二つの場面からなる六曲一双の屏風絵です。
そして、この作品は第12回足立美術館賞を受賞作。

西田氏の絵を好きになったきっかけは人物画でした。
とても目に力があるのです。
ここ最近の氏の作品は動物が多いような気がしますね。
孔雀や馬、鶴。
今後どのような絵を描かれるのか、楽しみです。

あと、気付いたことが。
地元岡山の佐伯拓也さんの題材が変わっていました!
いつも古代魚だったはず…。
今回は「息吹く」という題で木を描かれていました。
来年は何になるのでしょうね。これまた楽しみ。

院展に行くと、改めて新年になったなという気がします。
今年も行けてよかったな~。


余談ですが、会社で院展に行きたいなぁと言っていたら「アウトドアですね」とある方から言われました。
確かにお出かけでしたが…。何かが違うような。
う~む。
ちなみにアウトドアは大好きです。
家でのんびりするのも好き。

そして今日驚いたこと。
朝、何気なく選んだ本『アフターダーク』村上春樹(講談社文庫)の主人公の名前が“マリ”でした。
自分と同じこの名前、ありふれているからかよく歌詞や本の中で目にします。
そしてその度にハッとしてしまいます。
感情移入してしまいますね…。

県展

2006-09-10 | 芸術・文化
現在、「第57回 岡山県美術展覧会」が開催されています。
Ⅰ期は9月6日~10日、Ⅱ期は13日~17日まで。

毎年のように叔母が出品していることもあり、足を運ぶことが多い展覧会。
学生時代には、必須科目であった書道の授業で行ったこともあります。
気に入った作品(3作品くらい)の感想文が課題であったため、ひとつは身内贔屓もあり、叔母の作品について書いていました。(^^)


今回の県展では嬉しい知らせが届きました。
ジュエリーデザイナーの高瀬豪太氏が工芸部門で初入選!!
数年前に「お守り」のペンダントトップを作ってもらった方なんです。
13日から岡山県立美術館にて作品が展示されます。

連絡を頂いたとき、どんな作品を出品したのか聞きませんでした。
観に行ってからのお楽しみ。是非、行かねば!!

高瀬氏を知ったきっかけは、山陽新聞さんの集金のときに配られていた小冊子。
「いつか絶対にお店に行ってみよう」と思っていると、きっかけとなる出来事が起こりました。

母の手術の日に、お守り代わりにしていたネックレスのチェーンが切れたんです。
それも母からプレゼントしてもらった「永遠」という名が付けられていたもの。
(今では身代わりになってくれたのかな~、なんて思ってはいるのですが)

そこで新しく「お守り」を作ることにした私は、高瀬氏のお店を訪ねました。
「森羅万象」の意味の入ったものを作って下さい、とお願いして。
親友3人でお揃いの指輪を作ってもらったりと、いくつかその後もお願いしています。
どれも素敵!
その中でも誕生石のターコイズ(トルコ石)、ラピス、珊瑚が入ったペンダントトップは大のお気に入り。
ターコイズは旅のお守りになると言われているので、遠出の時には大抵身に付けています。
このトップを付けていると、女性によく声をかけられるんですよ。「可愛いね~」って。

普段はあんまりジュエリーを身に付けない私。
そんな私のお気に入りたち。これからも大切にしよう!と思います。

高瀬さん、作品はもちろんですが人柄も素敵な方ですよ~。
お店はこちら。「サンシャイン工房」さん。
HPにはプロフィールが載っていないようですが、意思が感じられる経歴の持ち主でもあります。
興味がある方は是非!