海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

11月の読了本

2006-11-30 | 
佐藤初女『おむすびの祈り 「森のイスキア」心の歳時記』(集英社文庫)
小松成美『和を継ぐものたち』(小学館)
田口ランディ『できればムカつかずに生きたい』(新潮文庫)


今月新しく読んだのは3冊。
本の整理をしたからか、再読はちょこちょこしたのですが…。

この3冊、どれも心に響く言葉がありました。
佐藤初女さんの存在は随分前から気になっており、文庫を発見したときには感激しました。


佐藤初女『おむすびの祈り 「森のイスキア」心の歳時記』(集英社文庫)

副題にある「森のイスキア」は霊峰岩木山の麓にあります。
心を病んだ人や苦しみを抱えた人たちが自然集まってくる「森のイスキア」。

青森県弘前市に住む著者・佐藤初女さんのところには、30年も前から心に苦しみを抱えている人が集まっていました。
ご自宅の2階を増築し「弘前イスキア」と名付け、彼らを受け入れていたのです。
その季節に土地で採れた新鮮な材料を使い、おいしいものを作り、食べさせてあげ、傍らに黙って座る。
そして人々は癒され、社会に復帰していきます。

しかし、自宅に長期間、人を受け入れることに限界があります。
「森に囲まれた自然の中にみんなが集い、安らげる場があれば」という切なる願いが叶い、1992年に完成したのが「森のイスキア」でした。

佐藤初女さんの存在を知ったのは、大好きな写真家であり表現者である星野道夫の繋がりでした。
星野道夫さんが出演したことで知った龍村仁監督の映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」シリーズ。
その「第二番」に出演していたのが佐藤初女さんでした。
(他の出演者はジャック・マイヨール、 ダライ・ラマ、 フランク・ドレイク。星野さんは「第3番」に出演)

この映画は自主上映作品なのでなかなか観る機会に恵まれません。
現在、第1番~第6番まで完成しているこの作品。
私自身「第4番」は観ましたが、残念ながら他はまだ観ておりません。

そんなこともあり、とてもその存在が気になっていた佐藤初女さん。
自叙伝エッセイを読み、想像以上の方でとても感動致しました。
現在85歳になられるという初女さん。
今なお活動を続け、講演を頼まれれば日本中を飛び回っておられます。

*************************************
 私たちは食べることを通して、自然からいのちをいただき、それを私たちのいのちへとつないでいきます。ですから、お料理は、素材との出会いから仕上げまで、片時も心を離すことができません。心を込めてつくり、おいしくいただくこと、それはいただいたいのちへの感謝であり、祈りなのです。


手をあわせて祈るのは「静の祈り」、同じことを心に抱きながら、
行動するのが「動の祈り」だと思います。
私は、この生きている瞬間瞬間が祈りだと思っています。
だから、お茶をいれて、おいしく一緒に飲みましょうというのも祈り。
私にとっては、生活すべてが祈りです。

佐藤初女『おむすびの祈り 「森のイスキア」心の歳時記』(集英社文庫)
*************************************


小松成美『和を継ぐものたち』(小学館)

小学館『和楽』2004年4月号から2006年3月号に連載されたものを一冊にまとめたものです。

この小学館から出版されている『和楽』という雑誌はとても素敵な本です。
限られた書店しか店頭に並んでいないのが残念ですが。
雑誌名の副題には“「和」の心を楽しむ”とあります。

大きな書店に行けばバックナンバーも揃っているので、見つけると手にとって眺めています。
写真を見るだけでも奇麗。

さて、この本。
22人の「和を継ぐものたち」が描かれています。
棋士、三味線奏者、篠笛奏者、武田流弓馬道、薩摩琵琶奏者、扇職人…等々。
「地に足をつけ自己の世界を探求する」人たち。

「私が感じた日本の「誇り」を、多くの方々に共有していただければこれ以上うれしいことはない。
その「誇り」こそが、未来へ前進するための力なのだと、私は今、信じている。」
という著書の言葉に共感しました。

著者も「衝撃でした」と言われていましたが、薩摩琵琶奏者の友吉鶴心さんのお話の中で知り、驚いたことがありました。

『平家物語』の「祇園精舎」の“盛者必衰の理をあらわす”と言えるのは平家琵琶の方だけで、それ以外の琵琶奏者は盛者ではなく“生者(せいじゃ)必衰”とうたわなければならないそうです。
友吉さん曰く、
「たった一文字ですが、琵琶奏者はあれにポリシーを持たなければならないと思うんです。武人としての奥ゆかしさというか。」

奥が深いですね。


田口ランディ『できればムカつかずに生きたい』(新潮文庫)

ここのところランディさんの本をよく手にしているような気がします。
アイヌのシャーマン、アシリ・レラさんがランディさんに語った言葉がとても印象に残ったので書き留めておきます。

「人間の義務はね、万物の霊長としてすべての生き物のために祈る事なんだよ」




心に青空を

2006-11-30 | 思い、想う
NHK総合テレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」を観た。
今回の放送は「いつも心に青空を
〜ユニセフ タジキスタン代表・杢尾雪絵〜」。

ユニセフと聞いて真っ先に浮かぶのは親善大使の黒柳徹子さん。
恥ずかしながら現地スタッフについては詳しくなかった。
今回の放送で日本人女性でこんなにも一生懸命現地で活動されている方がいることを知り、心を打たれた。

彼女が心のよりどころとしているという言葉がある。
 「いつも心に青空を」

心が曇ってしまうことは当然ある。でも希望を捨てない。
そんなときにこそ自分を俯瞰して見ようとする―。

政府の各機関や行政との交渉のときに思うことは「後ろに、子ども達がいる」ということだそうだ。

彼女の存在を知ったことによって、私の心に青空が広がったように感じた。

駆け上がってきました

2006-11-28 | 日記
はぁ~。ホッと一息です。

先程うちの父から、
「裏山のほうから煙が出とるんじゃけど、どこからかわからん。
ちょっと見て来てくれ。」
と頼まれ、火元確認をしてきました。

玄関を出ると、何かを燃しているニオイと白い煙。
我が家の裏手の方。

2週間ほど前に近所のコンビにで火事があったばかり。
緊張しました。

で、裏山に続く細い道を駆け上がっていくと…。
山の上にある公園で、落ち葉をかき集めている二人を発見。
その向こう側から煙が。
あ~、落ち葉を燃やしていたのか。

「お掃除されているんですね。落ち葉を燃やされているのですか?」
と話しかけると、
「そう。あら、もしかして心配してきてくれたん?」
というお返事が。

「はい…。」
登り坂を走って上がったので(そんなに距離はないのですが)息は切れ切れ。
それにしても原因が分かって良かったです。
早速、我が家に電話連絡。
帰り道は、色付いた桜の葉や紅葉を眺めながらゆっくりと歩きました。

そして我が家に帰ってから最初に言われた一言。
「薄暗くなっとんのに、一人で裏山にあがったん?!気を付けんと危ないが!!」

すみませんが、そんなことを考えている余裕はありませんでした。
「一人で裏山」も怖いけど、「山火事」も怖いのであります・・・。

それにしても、あ~良かった。


『和みおかやま』その後の展開

2006-11-26 | お知らせ
7月24日付「今日はどこへ行きますか?」でご紹介させて頂いた森田恵子さんの『和みおかやま』(ソウルノート刊)。
その写真展と、朗読会が催されます。

場所は、本の中で紹介されていた和める空間のお店3箇所。
 第1期目 『栂』(とが)
 第2期目 『キューティパイ倶楽部』
 第3期目:『三宅商店』

朗読作品は
 第1期 山本周五郎『花匂う』
 第2期 山本周五郎『初蕾』
 第3期 山本周五郎『初蕾』


第1期の日程は12月9日(日)~12月17日(日)です。
*朗読会は12月10日(日)
 
詳しくはブログ「森田恵子の『和みおかやま』」でご覧ください。
こちらから。



朗読会のために選ばれた作品が山本周五郎と知って、それだけで感激してしまった私。
周五郎の作品は情緒があり、心に沁み込んでくるものが多いですよね。
今回選ばれている作品『花匂う』と『初蕾』を読み返してみたのですが、やはり良かった。
読み終えて心の底が温かくなる作品です。

偉そうなことを書いてしまいましたが、周五郎の作品を全部読んでいるわけではありません。
代表作でも読んだことのないものが何作かあります…。
しかし。
『赤ひげ診療譚』を読み「理想のお医者様!」と思い、『柳橋物語』を読んで周五郎の世界を好きになったのも事実。
そして、私が生まれる3ヶ月前にこの世を去った祖母のお気に入りの作家だったという周五郎。
このことを知ってからは、特別の思いがある作家なのです。


「朗読会当日は、スタッフそろって着物で参加予定」とのこと。
なんて素敵な演出。
情緒ある周五郎の世界が、ぐっと身近に感じられることと思います。

11月12日付「甘~いお菓子たち」で“世界に浸る”ことについて書きました。
その中で、紫式部の講演会のときの服装の話に触れました。
(先日この話を、三日月51さんがご自身のブログでご紹介下さっていました。
どうもありがとうございます!!)

日頃からTPOに合わせて服装を選ぶことは誰でもしていることですよね。
しかし今回改めて感じたことがあります。
そこには、その場に臨むその人の心が表れているのだということを―。

先日読んだ小松成美『和を継ぐものたち』(小学館)でも同じようなことを感じた箇所がありました。
「棋士 佐藤康光」の章で、佐藤康光氏はこんな風におっしゃっていたんです。

*************************************
ゲームとしてはどんどん広がってほしいと思いますし、外国人の将棋人口が増えると、形態が変わっていく可能性もあっておもしろい。しかし、やっぱりワールドゲームになっても美しいスタイルでやってほしい。僕は世界のどこで将棋を指しても、着物でいる。これは曲げたくない。椅子よりも畳が落ち着くし、精神統一できますから。
*************************************

服装にはその人の心が表れる。
きっと素敵な和める空気が溢れた朗読会になることと思います。

私も都合を合わせて何れかの朗読会に参加できればいいなぁ、と思っているのですが。
その日は無理でも写真展には是非行ってみようと思っています。



ミーちゃん成長記録 <紫光庵での暮らし5ヶ月目>

2006-11-24 | 日記
東京の桜新町で「和喫茶 紫光庵」を営む友人、美奈子さんから“ミーちゃんの成長記録”が届きました。
(注: *~*印の間は美奈子さんの文章です。写真撮影も全て美奈子さん。)


時折送られてくる写メールで成長を見守っているミーちゃんの姿。
ずっと見ている私としては「大きくなったね~」と思うのですが、ここで「成長記録」をご覧の皆様はどうお感じでしょうか?

水の流れに興味を示す猫ちゃんというのもなかなか面白いですね。
疲れてテーブルの足に「ヘタッ」と倒れかかっているショットも可愛いです。

愛情たっぷりに育ててもらっているからか、飼い主の美奈子ママの前では安心しきって好きなことをやっていますね。
これからもスクスクと元気に育ってね!ミーちゃん。


*************************************
こんにちは。ミーちゃんです。
ミーちゃんは春生まれました。生まれて半年になります。ここに来た時500gくらいだった体重も五倍くらいになりました。
「猫カフェ 紫光庵」あれ?「和喫茶 紫光庵」に来て五ヶ月です。常連さんに「大きくなったねー」と言われます。
初めてミーちゃんを見る人には「小さーい」と言われます。
「ミーちゃんは大きいのか小さいのかどっちかな」と思っていたらママがミーちゃんとお釜(高さ37.5㎝)の写真を撮って見せてくれました。

ミーちゃんはごはんとミルクとおやつの次に遊ぶのが好きです。ねずみのおもちゃです。
でも一番好きなおもちゃはガーナチョコの金色の包み紙を丸めたボールです。

  

最近好きになったのは水遊びです。水の流れを見るのが好きです。

 

遊び疲れたらお店のお客様のテーブルの下で一休みです。もっと疲れたら座布団の上に座るのが好きです。

  

ミーちゃんは好きなことがいっぱいです。

*************************************

こんなミーちゃんの、すごく好きな場所を皆さんにこっそり?お教えします。
ここ↓です。



確かミーちゃんはもうすぐ手術のはず。
無事成功して、早く痛みから開放されますように祈っています。

それぞれの花物語

2006-11-23 | 花と樹と緑と


10月20日付の「今度は2匹」で、バッタに葉っぱを食べられていた菊の花が咲きました。
アブラムシの襲撃にも負けず、バッタの襲撃にも負けず開花してくれた「福徳」という名のこの花。
本当はもっともっと大輪の花なのですが、挿し木をしなかったもので…。
来年はもっと手をかけて大切にするからね!
花を咲かせてくれてどうもありがとう。





もう何年前になるでしょうか?
突然降り出した雪にあたってしまい、「もうダメか」と思っていたシャコバサボテン。
とても大きな株に成長していたのに・・・。
ゴメンネ、家の中に入れてあげるのが遅かったね。

でも無事に復活したのです。
小さくなっていたのが、何とかここまで大きくなりました。
今年も奇麗に咲いてくれています。
冬が間近だと感じさせてくれる花です。


そして、今朝。
11月15日付「数年後を楽しみに」に書いた月下美人に異変が!
シュートに小さな穴がポコポコと開いているではありませんか?!
穴の中を覗いてみると何やらいるような気配が…。

そういえば隣りに植えてある「ズイナ」の葉が丸まっていて、虫がいるぞと思っていたところでした。
葉についていたのは駆除したのに・・・。
月下美人についていた虫も、細い針金の先で一生懸命取り出しましたよ。


花が咲くまでには、本当にいろいろなことが起こります。
虫達も一生懸命生きていますしね~。
(虫にとって人間は天敵だろうな。。。)
いろんなことがあってそれでも奇麗に花を咲かせてくれる植物たち。
いつも見るものを幸せな気持ちにさせてくれて、どうもありがとう。


本に呼ばれる。

2006-11-20 | 
一ヶ月前に出逢った20代前半の女性。
二度目にお会いした今日、こんなことを言われました。

「本を読もうと思っているのですが、何を読んだらいいのかわからなくて…」

たまにそう言われる方にお会いします。
この女性、三ヶ月前にさだまさしの『解夏』を買って、5ページまでで止まっているとか。

「もしかして、あの文庫で2cmほどの厚みのある本全部が『解夏』一作品だとおもってる?」
「…。」

どうやら思った通りだったようです。
あの作品には4作品が収められているんですよね。
だから一作品ずつが短めで、比較的読みやすいはず。
ストーリーも感動的だし、きっと最後まで読めると思いこう付け足しました。

「最後の一文がとても良いから、是非最後まで読み進めてみて。
あの言葉は、最後まで順に読んだ人だけが深く味わえると思うから。」



皆さんは読みたいと思っていても何を読んだらいいのか悩む方に、何をお薦めしますか?
とりあえず私は、短編かエッセイをお薦めしています。
短い文章でも最後まで読めると嬉しいから。

あと、好きなジャンルのものを選んでみるのも良いですよね。
ドラマでも「恋愛ドラマ」「ヒューマンドラマ」「ミステリー」「ドキュメンタリー」とあるように、本の場合もいろいろ。
お好みの世界であれば入り込みやすいはずです。

私自身は、本屋さんに行けば「本に呼ばれる」性質なので何にしようかと悩んだことが殆どありません。
それよりも読みたい本が置いていなくてショックを受けることの方が多いです…。
(私の読書傾向はかなり偏っていますので…)
一冊読み終えると関連の本が読みたくなったり、本の中で紹介されていたものを読みたくなるんですよね。
本が本を呼ぶ。

私はお得な気分になれるので文庫本が大好きです。
それは、単行本にはなかった「文庫版あとがき」や「解説」が読めるから。

辻仁成さんが山田詠美さんの大ファンだということも、山田さんの本の解説を任された辻さんの文章で知りました。
(このときの解説は、ファンレター以外の何物でもなかった。)

写真家・星野道夫さんに影響を受けユーコン川をカヌーで旅した石川直樹くん。
彼がアーネスト シャクルトン『南へ―エンデュアランス号漂流 』(文庫版)の「あとがき」を書くと知ったときは驚きました。
エンデュアランス号の話は作者は違えど、星野さんの愛読書だったのです。
(星野さんの座右の書は『エンデュアランス号漂流』アルフレッド・ランシング著。
星野さんのおかげでこの本は翻訳され日本で読めるようになりました。)

こんな風に繋がりをつけて読んでいくと、また違った楽しみ方ができて面白いんですよね。
現代作家であれば、作品を書いた背景や意図を公の場で話されることもあり関心も深まります。

活字嫌いでなければ、読もうと思う気持ちだけで読書の扉は開いています。
あとは何か一冊読みきれば、きっと本に呼ばれ始めます!



皆さんのお薦めは何ですか?
これから本を読んでみたいと言われる方に何をお薦めしますか?

連日の…

2006-11-18 | 日記
「mariちゃ~ん、カギ、カギ!!」

お客さんが外から叫んでいる。
(カギ???どこの?)
頭の中は?がいっぱい状態。

「箱、箱~!」
またもや叫んでいる。

(ああ、箱がいるのか。箱をしまっているところのカギがいるのね)
そう思い、鍵を持って走っていくと・・・。

「車の荷台に柿が入った箱を積んどるけぇ、持って帰れ~」
(訳:柿の入った箱を積んであるので、持ってお帰り)

あ・・・。カギ(鍵)ではなくカキ(柿)の聞き間違いだったのか。
そして頂いたのが段ボール箱いっぱいの柿でした。



0さん、どうもありがとうございました。


実は昨日もありました。
インフルエンザの予防注射を受けにいった病院での出来事。

医師「はい、ちょっと“お○○”を見せてください」

○○の中に入る言葉を聞き取れず、“お”が付く言葉としたら“お腹”だなと思った私。
聴診器を当てるのだろうなぁ~と、「お腹ですか?」と服に手をかけながら聞き返してみました。

すると、「いえ、咽喉です」の一言。
とんでもない聞き違いでした…。
二日続けての聞き違いに我ながら唖然です。

注射

2006-11-17 | 日記
インフルエンザの予防注射を受けてきました。

我が家の中では私が最後。
皆、早々としていたんです。

毎日「まだ行っていないの?」と言われ続け。。。
やっと行ってまいりました。

決して注射が怖いわけではございません。
バタバタとしていたもので。

あっ、でも小さい頃から「空気、入っていないよね」と監視するためにジーっと腕に刺さった注射器を見つめる子どもでした。
あるときには「顔が邪魔!」とお医者さんに言われるくらい・・・。

今でも、血液検査のために血を抜くときにはジッと見つめているなぁ。
あの針先、斜めに切ってあって結構穴が大きいのに驚いたことがあります。
(*注射が嫌いな方、ゴメンナサイ)

今日は思い切り良くプスッっと、一瞬で終わりました。


実は去年、12月31日に高熱を出してしまったんですよね。
(その日は仕事に出ていたのですけど)
年末年始は寝込んでおりました。

そして、1月2日。
母が高熱を出しダウン。
病院に行くと何とインフルエンザと診断され、私がうつしたのではないかと随分言われました。
私は風邪だと思っていたのですが、我が家では一人だけ予防注射を受けておらず…。
肩身の狭い思いをいたしました。
気合いを入れておけば大丈夫だと思ったんだけどなぁ。

母は予防注射を受けているのにも関わらず、かかってしまいました。
う~ん…。

今年は十分気を付けるぞ~。

「ひと粒の糧」

2006-11-15 | 思い、想う
このところ毎日、新聞やテレビ、各種メディアで「いじめ問題」が大きく取り上げられています。
私もこの数日間、ずっと頭の中をめぐっていました。
そしてなかなか言葉に出来ずにいました。
そんな中で読んだ11月14日付「読売新聞」の「編集手帳」。
とても共感を覚えたので、ここに紹介します。

*************************************

 伊東柚月さんという方の詠んだ五行歌を頭でなぞっている。「いっそ/大きく凹(へこ)もう/いつか/多くを満たす/器になるのだ」◆草壁焔太(えんた)編「五行歌秀歌集1」(市井社)に収められた一首である。器を満たすものは涙かも知れない。涙の容器になることなど誰しも望みはしないが、凹みを知らない人間に比べてどれほど魅力的か◆一片の詩句を知ることで、気の持ちようで、死を決意させるほどの苦しみが薄らぐとは思わない。自分を励ますことに疲れ、いまこの瞬間にも力尽きそうな子供たちのひと粒の糧になればと、藁(わら)にもすがりつく心境でここに引いた◆人を自殺に追いやるほどのいじめは、ほとんど犯罪である。告発するのは少しも恥ずかしいことではない。凹みも深ければ器が割れる。割れる前に、涙の湖を語ってほしい◆もう1本の藁にすがる。「いじめっこが/いじめられっ子に/ひらあやまり/三十年ぶりの/同窓会」(清美)。昔よりも陰湿で残忍ないまのいじめにはそのまま通用しないとしても、「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない◆30年とは言わず、3年、いや1年、心の凹みを打ち明け、声を発して生きてごらんなさい。あの時、死ななくてよかったと思う瞬間が必ず訪れる。約束しよう。だからいま、死んではいけない。

(2006年11月14日 読売新聞・編集手帳)
*************************************


子ども達、それぞれ一人一人に個性があります。
育った環境も違う。
それぞれの「違い」をお互いが認められたならば―。

大人たちは、子ども達の抱えている思いにいつでも気付いてあげられるように目を凝らそう。
心を砕こう。
そしていつでも子ども達が「SOS」を伝えられる存在でいよう。
話しを聴こう。話しをしよう。

子ども達が発する「SOS」に気付きにくい時が確かにあります。
子ども達にもプライドがあるし、自分の大切な人たちを悲しませたくないと思う子もいます。
だからこそ両親・教師・親戚・地域の人たち、子ども達の近くにいる大人たちがもっともっと協力し合わねば。

先日地域で活動している方々が、学校側にいじめについての話合いをしにいったと聞きました。
「あなたのことを大切に思っている人がたくさんいる」ということを一人でも多くの子ども達に知ってもらいたいと思います。

情けないことに、大人の世界でも「いじめ」はあります。
子ども達が知ったら何て思うかな。
「自分がされて嫌なことは、人にはしない」
一人一人がそう思い行動する社会になることを願っています。


最後に私が経験したことをお話しします。
小学6年生の時のことです。

我がクラスには「いじめ」がありました。
授業中、泣いて教室を飛び出さなくてはいけないくらいの・・・。

先生はね、とてもいい先生だったんですよ。
とても親身になって解決されようとされていました。

私はというと、いじめっこに向かっていつも怒っていました。
それはもうカンカンに。

高校生になったときにね、その子とお母様にあるスーパーの駐車場でバッタリお会いしたんです。
お母様にそのとき言われたんですよ。

 「学校に行けたのはあなたがいてくれたからよ。あなたがいてくれてよかったわ。」

一生忘れることのない言葉です。
この言葉に、とてもとても救われた気がしました。
嬉しいとか良かったとかいうよりも、安堵の気持ち。

その子は子供の頃から大好きだった生き物に関わる学校へと進路を決めていました。
好きなことを勉強しているという充実感と幸せそうな笑顔。

上に挙げた「編集手帳」にあるように“「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない”のです。
だからね、私も約束します。
「生きていてよかった」と思える時が必ずくることを。

あなたが大切だと思う人たちと、あなたを大切だと思っている人たちと、
一緒に、生きていこう。