10日程前に読了した、生田與克『日本一うまい 魚の食べ方』(中経出版)。
いろんなことを考えさせられた一冊でした。
思うことが多々あるのですが、思考があらゆる方向に飛びまくりまとまりません…。
とてもお薦めの本なので、とりあえずご紹介だけさせて頂きます。
仕事柄、魚関係の本で面白そうなものを見つけると手に取るようにしています。
今回も本屋でこのタイトルを見つけパラパラとめくってみると、魚の名前と食べ方が書いてあり「勉強になるかな」と思い購入しました。
しかし帰ってじっくりと読んでみると、魚の食べ方以上に共感する部分がありました。
この本は次のように分かれています。
はじめに
1章 旬の魚がいちばんうまい!
2章 喰わなきゃもったいない!マイナーな魚
3章 うまくて感動した話
4章 うまい魚を喰いたきゃ、粋になれ!
終わりに
私がとても共感したのは「4章」と「終わりに」の部分です。
4章の見出しは
・粋って何?
・特売の魚・産直の魚
・ちょっと待て!ブランド好きの日本人
・売れる魚・売れない魚
・お魚感性を磨け!
魚に限らず、「食」全体に通じることだと思いました。
魚好きな方も、そうでない方にも是非手に取って頂きたく思います。
「輸入をしている諸外国から兵糧攻めをされたら、1週間もたない」といわれる日本。
考えるべき点が多いです。
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魚たちは人間の都合じゃなくって、大自然の都合で生きているってことなんだよ。
だからホントにうまい魚を喰いたきゃ、札ビラきってワガママに欲しがるんじゃなくって、俺たち人間が自然の都合に合わせていくことが正しいと思う。
(中略)
最近は食育って言葉がもてはやされているけど、別に小むずかしいことを言うんじゃなく、この原点を子供たちに伝えていくのがもっとも大切なことなんじゃないかな?
大自然を畏れ、敬い、そこに棲む生き物たちを愛する。このやさしい気持ちこそが、どっかでボタンを掛けちがえちゃった今の日本にいちばん必要なモンだと思う。
生田與克『日本一うまい 魚の食べ方』(中経出版)「終わりに」より
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追記
この本にも書かれていましたが、「新鮮さ」と「おいしさ」について思うことがあります。
それは「新鮮=活きている」ではないということ、「新鮮=うまい」ではないということです。
餌も与えられず何日も狭いスペースで活かされていた「いけすの魚」、この状態はいかがでしょう?
カニやシャコなどの甲殻類は、動いているほうが売れやすいので活きた状態で売りますが、すぐ絞めた方が身は痩せません。
“コリコリの食感”がお好きという方はそれでいいのですが、カツオ、ヒラメ、マグロ、タイなどは1~2日おいた方が旨味が出ます。
ヒラメ、タイなどは甘くなります。
カニも茹でた翌日の方が味があります。
もちろん、食べ方は召し上がる方のお好みです。
しかし相対売りが減少している現在、ご存知ないこともあると思うのです。
売り手側がもう少しお客様の選択の幅を提案する機会を持つべきなのでは、と感じています。