海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

美しい花びらに寄せて

2013-04-26 | ねこからの手紙


「 明日ありと思う心のあだ桜 
    夜半に嵐の吹かぬものかは (親鸞聖人)」


八重桜も散る頃となりましたね。

あなたはこの春、どのような桜の季節を過ごされましたか。


今日、散るゆく花びらを眺めつつ、

時は決して戻らないことを改めて実感しました。

あなたと出逢えたこの世界を愛しみながら、

“今”この瞬間を大切に生きよう。

桜は、そう再確認させてくれる花ですね。


今年の桜も、過ごした時も、

どうぞあなたの心に残り続けますように―。


  「 散る桜 残る桜も 散る桜 (良寛和尚)」



* 写真は、良寛和尚が若き頃修行した円通寺を中心に広がる、
円通寺公園にて撮影しました。

7年ぶりに

2013-04-17 | 

【糺の森】

京都を訪れてきました。

7年ぶりに。


【賀茂御祖神社(下鴨神社)】

仕事&冠婚葬祭以外で県外に出掛けたのも・・・、

たぶん同じ年数ぶりです。


【みたらし団子発祥の、御手洗池】

今回の親友との日帰り二人旅は、

下鴨神社~詩仙堂~南禅寺~建仁寺をお参りするというコース。

四国八十八ヶ所を一緒に巡礼したMちゃんとは、

「雑貨屋さん巡りをしよう~♪」といいながらも何故か、

最終的には神社仏閣巡りがメインになっていたりします。


【凹凸窠(詩仙堂)】

一度訪れてみたかった詩仙堂。

以前訪れたことのあるMちゃんオススメの場所。

サツキはまだ咲いていなかったけれど…、

とても素敵な場所だったので、また訪れてみたいなぁ。


【八重の椿「獅子頭」】

出迎えてくれた濃いピンクの大輪の椿に、まず感動。



静けさの中に、カコーンと響き渡る鹿おどしの音。

ゆったりと時間が流れているような空間に、癒されました。


【僧都(鹿おどし)】

鹿おどし発祥の地、なんですってね。

この度初めて知りました。



随所に椿が咲いていましたよ。

紅が映えますね。



新緑のもみじたちも、とても美しかったです。



【南禅寺】

門を写真に撮ろうと思っても、近くからだと写りきらない南禅寺。

石灯籠もとても大きかったし・・・。

全てにおいてスケールが大きかった!



八重桜の桜色が、心をやわらかくしてくれました。



さて、ここは何処?


【水路閣】

古代ローマの水道橋をお手本に建造されたという、水路閣です。



赤レンガがお洒落。

水の音が心地良かったなぁ。


【建仁寺「潮音庭」】

そして、最後は―。

岡山出身の栄西禅師が創建した建仁寺へ。

「風神雷神図屏風」で有名ですね。

金澤翔子さんの書「風神雷神」も観ることができました。



今回巡ったお寺(詩仙堂は現在、寺院)はどこも、禅宗のお寺でした。

詩仙堂は曹洞宗、南禅寺、建仁寺は臨済宗。

そしてわが家も禅宗の曹洞宗。

これも何かのご縁でしょうか―。



天井に小泉淳作筆「双龍図」が描かれた法堂の周りには、

ぐるり色とりどりの牡丹が咲いていました。


こぼれるほどの桜の頃は過ぎていて、サツキやツツジにはまだ早かったけれど。

ヤマブキや椿、牡丹や新緑のもみじが迎えてくれた京都の春。


旅の最初でハプニングに出合いましたが、

それにも増して、

人々の優しさや温かさに触れることができた旅でもありました。


ご一緒してくれたMちゃんに、

出合った全ての風景や人々に感謝。

心に残る旅をありがとう。



次回は、7年も空けずにまた旅をしたいなぁ~。


八重の椿

2013-04-16 | 花と樹と緑と


母と椿を観てきました。

矢掛町にあります、吉備真備公ゆかりのお寺「圀勝寺(こくしょうじ)」に。



今朝、お客様から教えて頂いて初めて知ったのです。

長年岡山県に住んでいるにも関わらず・・・。

今までこんなに立派な椿があることを知らなかったなんて、もったいなかったなぁ。



樹齢約350年、樹高6m、枝はり四方9m。

鮮やかな紅色の八重椿。

矢掛町の天然記念物に指定されているそうです。



岡山のこと、日本のこと、まだまだ知らないことだらけ。

これからも自分の目で観て、いろんなことを感じていきたいな。



それにしても、樹齢約350年かぁ。

玉島港の歴史と同じくらいなんですね。

感慨深いものがあります。



教えてくださったお客様に感謝。

一度門を閉めていたにもかかわらず、

私たちに気付いて開けて下さった係りの方にも感謝。

今日も素敵な1日になりました。どうもありがとう。



みなさまも、ぜひ一度は圀勝寺の椿をご覧になってみてくださいね~♪



【追記】

境内には、他にも何本か椿が植えてありました。

こちら↓も、そのうちの一本です。

また違う美しさに、魅せられました。


木の芽。

2013-04-10 | 日記


あれはまだ私が小学1年だったの頃の、父の実家での出来事でした。

「mariちゃんの大好きなものをあげるから、ついておいで。」

どこに行くのかも知らされずに、伯母の後をてくてくてくてく歩いていきました。


着いた先は、畑。

(私の好きなもの?何をくれるの?)

スコップを手にした伯母の姿を見ても、これから何が始まるのか想像できず…。

すると伯母は、ある場所に座り込み土を掘りおこし始めたのです。

そっと、小さな苗木を傷つけないように―。


はい、どうぞ」と手渡されたのは、山椒の小さな苗木。

何で知ってたんだろう?

手のひらでパチンと叩くと良い香りのする、山椒(木の芽)が大好きだったことを―。


小さな頃の優しい記憶が蘇る、山椒の新芽が出始める頃となりました。

今年もわが家の木の芽を使って、

大好きな「筍の木の芽和え」を作ると致しましょう。



さて、本日は仕事休みの1日です。

お天気が良さそうだし、何をしようかな。

まずは父に会いに行こう。名残の桜も眺めながら。

皆さんも、大切な方や心に残る風景と出会える素敵な1日となりますように。

「さくら」

2013-04-03 | 思い、想う


毎年、桜の頃に思うこと。
(あと何度、愛でることができるのだろう)
他の花たちだって同じことなのに、桜は特に―。

桜の歌が多いのも、そのどれもが心に響くのも。
多くの方たちにとって、桜は特別な花なのでしょうね。

今年の桜は何方と一緒にご覧になりましたか?
何方とご覧になる予定なのでしょう。

誰かと共に愛でる桜も、ひとり眺める桜も。
どうぞあなたの心を温めるものでありますように。




  さくら        茨木のり子

 ことしも生きて
 さくらを見ています
 ひとは生涯に
 何回ぐらいさくらをみるのかしら
 ものごころつくのが十歳ぐらいなら
 どんなに多くても七十回ぐらい
 三十回 四十回のひともざら
 なんという少なさだろう
 もっともっと多く見るような気がするのは
 祖先の視覚も
 まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう
 あでやかとも妖しとも不気味とも
 捉えかねる花のいろ
 さくらふぶきの下を ふららと歩けば
 一瞬
 名僧のごとくにわかるのです
 死こそ常態
 生はいとしき蜃気楼と