海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

6月の読了本

2006-06-30 | 
『イツモ。イツマデモ。』  高橋歩(A-Works)
『感動を売る!「人とお金」が集まる仕事術』  中村伸一(ナツメ社)
『ひな菊の人生』  吉本ばなな 絵・奈良美智(幻冬舎文庫)
『すこやかに おだやかに しなやかに』  谷川俊太郎(佼成出版社)
『図南の翼』  小野不由美(講談社X文庫) [再読]


目に特徴のある奈良さんが描く少女たちの絵、随分前から惹かれていました。
でも、奈良さんについては全く知らなくて。
先日、TV番組「情熱大陸」に出られると知り、見てみることに。
描くことが好きで好きでたまらないという感じの奈良さん。
ますます作品が好きになりました。
『ひな菊の人生』は、ばななワールドと奈良さんの絵が同時に楽しめる、とっても
お得な本です。


     こころの色

 私がなにを思ってきたか
 それがいまの私をつくっている
 あなたがなにを考えてきたか
 それがいまのあなたそのもの
 
 世界はみんなのこころで決まる
 世界はみんなのこころで変わる

 あかんぼうのこころは白紙
 大きくなると色にそまる
 私のこころはどんな色?
 きれいな色にこころをそめたい

 きれいな色ならきっと幸せ
 すきとおっていればもっと幸せ 


谷川俊太郎『すこやかに おだやかに しなやかに』より


「ハッピー・バースディ」を自分で歌う父へ

2006-06-30 | 記念日

《 私信 》

6月30日

父の誕生日。
お誕生日、おめでとうございます。
これからも元気で長生きしてくださいね!

ひとつ、私からのお願い。
限度がわからないといって、いつもやり過ぎてしまうお父さん。
減量、体力づくり、草取り、片付け、etc…。
何事もほどほどに。
自分の中で、「足りない」と思うくらいで止めといてください。
大抵それで普通ですから…。
体が一番だからね!

これからもどうぞよろしくお願い致します。


※写真の鉢植えは二年前に父と園芸店で購入した「アッツザクラ」。
買ったときは葉っぱだけで名前もわからない植物でしたが、奇麗に花を咲かせるようになりました。

「いつか君を忘れても」

2006-06-30 | 思い、想う
最近読んだあるコラムでとても心に残っているものがあります。
シンガーソングライターのやなせななさんが書かれた「ひだまりの唄 第3回 いつか君を忘れても」。
(雑誌「音遊人 2006.8」)

内容は「老い」について。
認知症の高齢者の方をケアする老人ホームに慰問で歌をうたいに行った時の体験談が語られていました。

おじいちゃんおばあちゃん達は大喜びで、コンサートはあたたかい拍手に包まれ無事終了。
満たされた気持ちで、帰り際にみなさんにご挨拶をしようと声を掛けたら、どなたも憶えていらっしゃらない。

これが老いることなのかとショックで愕然とされたという、やなせさん。
しかしその後に彼女が感じた事柄に、私は救われました。
長文ですが、引用させていただきます。


「今、この瞬間を、生きている。
 ただ、生きている。
 死の旅には、何も持って行くことはできません。住み慣れた家を出て、大好きな人と別れ、たいせつにしてきた全てを、手放さなければならない。ならば、捨ててしまいなさい─。(中略)
 老いることは準備。旅の支度なのだ、と。衰えているように感じる全ては、身軽になってゆくことと実は同じなのでは、と。
 たとえ大好きなあなたを忘れてしまっても、今、目の前のあなたに「はじめまして」を伝えることはできる。
 最期の最期まで。」


自分の中から、様々な記憶が失われていくという辛さや痛み。
もちろんこれは、ご本人やご家族にしか到底計り知れないことだと思います。
しかし、「今」この瞬間を生きる、というシンプルな美しさは、老若男女問わず一緒なのではないかと思うのです。

以前、実習で養護施設や老人ホームを訪れました。
そのときに得たことは「皆、一生懸命生きている」という実感。

平凡な生活を送っているように感じていても、刻一刻とゴールに向かって変化し続けている私たち。
自然の流れに身を任せながら、今を生きる。
そんな風にシンプルに生きていけたらな、と思っています。



「生きているってことは変化しているってこと。
たった今を重視しようとするなら、人はさすらうほかない。
さすらうことこそが生きてゆくということなんですね」
                臨済宗僧侶・小説家  玄侑宗久





久々の再会

2006-06-29 | 日記
小学校の卒業式以来会っていなかった同級生と偶然再会しました。
驚いた~~~!
何せ、仕事の取引先として出会ったものだから…。

「もしかして○○ちゃん?」
と声をかけられ、マジマジと相手の顔を眺めてしまった私。
次の瞬間、思わず、
「あーーーーーっ!」
と叫んでいました。

とっても元気そうで溌溂とした姿。
嬉しい再会に、私も満面の笑顔になっていました。
幼い頃を一緒に過ごした人たちに会うと、一気にタイムスリップしますよね。
子供の頃の情景が、一気にワーーーッと浮かんできます。
とてもやわらかな優しい気持ちで過ごせた一日でした。

Mちゃん、どうもありがとう。
これからも、どうぞよろしく!


「和」の心

2006-06-23 | 日記
「京都 掛札」さんにネット注文していた木綿の風呂敷が届きました。
七宝柄の茶色。普段使いに活躍してくれそうです。

風呂敷はもちろん、パッケージもハガキも三代目の方のデザインだそうです。
どれもが粋でポップ。風呂敷のいろいろな包み方の説明書入り。
直筆のハガキも同封されていて、感激いたしました。
私も日々お客様に接する仕事をしているので、こうした心遣いは見習うべきだなぁ。

和に関するものが昔から好きなんです。
近年、「和」ブーム。ちまたに和雑貨があふれていて嬉しい!
今、携帯ストラップも和風です。(笑)

着物も好きだから着たいのですが、なかなか機会がありません。
ゆ~っくり時を過ごしたいんだけどなぁ。
浴衣は気軽にすっと着れるので、今夏も何度か着ようと思っています。

去年、麻の葉文様の絞りの浴衣を仕立てたんです。まだ、しつけがかかったまま…。
帯はこれ、下駄はこれ、トンボ玉のかんざしをさして~とイメージはしてあるのですが。(笑)
だけど、去年は高校の時に「絶対、紺地に菖蒲の柄」と我儘を言って仕立ててもらった、お気に入りの浴衣を着てしまいました。
今年こそは麻の葉にしよう。

男性も浴衣をもっと着ればいいのになぁ。
甚平とかはお祭りで結構見ますが、浴衣姿の人はなかなか見かけませんよね。
格好いいと思うのだけど。
うちの父は空手をしていたことも影響しているのか、私が小学生時代によく家で着物姿で過ごしていました。今でもたま~~~に着ています。そんな日はちょっと嬉しい。
(でも圧倒的にラフな格好が増えました…)

そうそう、「京都 掛札」さんのHPで知り得た知識。
ルイ・ヴィトンの「モノグラム」は日本の七宝模様や家紋、「ダミエ」は市松文様から影響を受けているそうです。当時フランスでも大流行していたジャポニズムの要素が取り入れられているんですって。
へ~~~っ、と感心してしまいました。
そういえばマイセンなども有田焼の影響を受けていると言いますよね。
日本の文化は世界にいろいろな影響を与えていたのだと、改めて認識致しました。




「十二国記」

2006-06-22 | 
小野不由美さんの『図南の翼 十二国記』を再読。

もう4年前になるでしょうか?
「NHK BS2」でTVアニメ化された「十二国記」を見てはまったという友人から、「すごく面白いから原作を是非読んで!!」と紹介されたのは。

長編(上・中・下巻くらいまでなら平気)が苦手な私。
上下巻も含めると、シリーズ11冊も出ている作品。(まだ完結していません)
果たして読みきれるのか?と思いながら読み始めたら、止まりませんでした(笑)。
十二国の王と麒麟にまつわる世界のお話。
帝王学の教科書のような作品だな、と思いながら読みました。
その中でもすごく好きな作品が『図南の翼』。

王を失うと国の治安が乱れ、災厄が続き妖魔が徘徊しだすという「十二国記」の世界。
恭国は先王を亡くし、そういう状態が続いていました。
そのような中で、豪商の父を持ち、何不自由のない暮らしをしていた十二歳の珠晶。
しかし国を憂う珠晶は立ち上がります。
「恭国を統べるのは、あたししかいない!!」と王を選ぶ麒麟に天意を諮るために蓬山をめざしたのです。


「昇山して初めて、愚痴を言っても許されるんだと思うのよ。それもしないで、
嘆くばっかりーって、良く考えたら自分のことなのよね」
「どうして誰も王になろうとしないんだ、王は現れないんだ、って怒っておいて、
自分には王なんてなれるはずがない、そもそも蓬山なんて行けるはずがない。これ
ってぜんぜん同じじゃない。だから、まず自分で行こうと思ったの。」
         小野不由美『図南の翼』(講談社X文庫)より


『図南の翼』をたまに読み返したくなる理由。
珠晶のこの行動力を分けてもらいたくなるから。
「まず自分で動く」
この本を読んでいると、珠晶に背中を押してもらっている気になります。

さぁ、前を向いて歩こう。一歩、一歩。
明日も頑張るぞ~!


追記
このシリーズの中に出てくる半獣の楽俊。
私は密かに「巧」の国の王になる器なのではないかと思っているのですが。
小野不由美先生、シリーズ最新刊を心待ちにしています!



さかな、さかな、さかな~♪ キス編

2006-06-18 | さかな、さかな、さかな~♪



今回は「キス」をご紹介いたします。
「海のあゆ」と呼ばれる気品ある端正な容姿の魚、「キス」。
味も、繊細かつ上品です。


<旬>
 
  春~夏
  「6月のキスは絵に描いたものでも食え」と言われています

<料理法>
 
  刺身
  塩焼き
  酢締め
  天ぷら 
  フライ
  吸い物(身を結んで椀に入れ、上品な一品に)

<栄養価>

  低カロリーの消化のよいタンパク源
  (ダイエットに最適!)

産卵直前の6月は、身もぷりぷりとしています。
この時期は湾内に入ってきており、新鮮な状態で手に入りやすいです。
是非「お刺身」で召し上がってみて下さい。「キス」のお刺身は美味ですよ。
私自身は、それにつけ加え「天ぷら」が大好きです!


<新鮮なものの見分け方>

ウロコが剥がれ落ちていないもの
腹が透明に透きとおっていて、張りのあるもの




ピアノの音色に酔いしれた日(後編)

2006-06-18 | 音楽
ルネスホールの感動が覚めやらぬまま「喉が渇いたね~」と、「ピアノバー」へ。

ちょうど店長さんのピアノ演奏で、Tちゃんがルイ・アームストロングの名曲「この素晴らしき世界」を歌うところでした。
知らなかった。
ベトナム戦争時代にサッチモ(=ルイ・アームストロング)が歌ってたんですってね。
平和の祈りをこめて。
Tちゃんの声も歌いっぷりもとても素敵で、伝わってきました。

ここでも幸せな出来事が。
以前、ピアノバーを訪れた時に聴かせていただいた店長さん作詞作曲の「桜」。
とても素敵な曲だったので、Nちゃんと「CDは作らないのかなぁ」なんて話していたんです。
Nちゃんがその話を店長さんに伝えていたようで。

何と、CDと譜面を頂いてしまいました!嬉しい~~~。
ピアノはジャズバージョンになっているそう。帰ったら早速聴くぞ!と気合(笑)。

そしてその場では、Nちゃん伴奏で店長さんが歌って下さいました。
マスターの声は優しい優しいやわらかな低音なんです。
包み込まれるような感じ。
何だか音楽三昧の贅沢な夜です。

そして帰り。
いつも電車の中では本を読む私。
久々の電車読書に選んだこの日の本は益子昌一『指先の花』。
副題に「映画『世界の中心で、愛をさけぶ』律子の物語』」とある作品。
何となく数日前に本屋で気になった作品。
この日選んだ理由は、往復の時間で読みきれるかなという簡単なものでした。

映画は観ていないのですが、原作『世界の中心で、愛をさけぶ』は読んでいる私。
皆さんは読まれているでしょうか?
私は、最終章で「あぁ、救われたなぁ」と感じました。
主人公の朔太郎が、桜の舞う中でとった行動。
どうも女子中高生達の感想では、この最終章に納得がいかない人が多いようなんですけどね。
私は最後の最後で救われました。

映画版は少々違っているようですね。でも根底に流れるものは同じ。

家路について真っ先したこと。
先ほど頂いたばかりの、CD「桜」を聴くこと。
ジャズバージョンのピアノが素敵。
今日の私の気持ちに寄り添っているようで、とてもいい。
本の世界と繋がったかのようなひととき。
今日起こったこと、今まで出逢ったすべての人に感謝です。



「君と出会えた奇跡 風に話せば
 風は愛の歌を 歌いはじめる」

「時が過ぎて 今が遠い過去になっても 忘れない
 僕のこの気持ちは 花に預けよう」

           作詞・作曲 矢野啓三郎




ピアノの音色に酔いしれた日

2006-06-17 | 音楽
今週の月曜日、ピアノの先生をしている友人Nちゃんからピアノコンサートのお誘いがあった。「テッド・ローセンサール スタインウェイ・ジャズ・ピアノ・コンサート」。

2006.6.16(FRI)19:30 ルネスホール
STEINWAY JAZZ PIANO TRIO CONCERT

TED ROSENTHAL(PIANO)
NORIKO UEDA(BASS)
VICTOR LEWIS(DRUMS)
松本和将(PIANO)岡山公演のみ特別出演


ルネスホールにあるスタインウェイのグランドピアノは倉敷出身のピアニスト松本和将さんが海外まで探しにいったもの。
今回はその松本さんのピアノも聴けるということで、喜び勇んで行ってきました。
(松本さんのコンサートは何度か行ったことがあり、とても大好きなピアニストの一人なんです)

さて、感想です。
ありきたりですが、すごくよかった!!ジャズ・ピアノ・トリオ。
ピアノの音色が爽やか・鮮やか・やわらか。
1音1音がはっきりとしていてとても心地いいのです。

ピアノのテッド・ローセンサールの指の動きは「よく絡まらないな」と思ってしまうほど早かった…。
凄いの一言。
友人と「素敵な音~」と感動しておりました。
それがまた、やわらかないい表情で鍵盤を叩くんですよね~。
見ていて幸せな気分になりました。

ベースの女性、植田典子さんも素敵でした。
女性のベーシストって、珍しいですよね。
私は生で聴くのは初めてかも。
ピアノとドラムの男性陣に囲まれて、のびのびと演奏されていて格好いい!
この方も目にも止まらぬ速さで、指が動いておりました。

あと、ドラムのビクター・ルイス。
ソロパートが凄かった。「これでもか~」というくらい叩く叩く。(笑)
あまりに興に乗ったのか、ピアノのテッドが手で次のパートに移るよう静止の合図を送っているのにも関わらず演奏しておりました。
ドラマーを見ていていつも思うこと。あのリズム感が羨ましい…。

クラシックの名曲をジャズアレンジしたもの。
新鮮でした。聴きなれた曲がまさに生まれ変わったという感じ。
私が気に入ったのは、チャイコフスキーの「四季」より6月と最後に演奏されたバッハのバイオリンソナタ。
バッハのバイオリンソナタなどは、「今、この瞬間を切り取って持ち帰りたい」と思えるほどよかったです。

特別出演の松本さんは、シューマンのトロイメライとチャイコフスキーを弾かれました。
そのあと、同じ曲をピアノトリオが演奏。
違いを聴かせる、そんな演出だったのでしょうか?

「トロイメライ」は、4月に行った「ピアノバー」で友人Nちゃんにリクエストし演奏してもらった曲。
松本さんの指から「トロイメライ」のメロディが奏でられた瞬間、不思議な繋がりに二人で顔を見合わせて微笑んでしまいました。
松本さんの演奏は、いつ聴いても情感たっぷりです。

ルネスホール、素敵な空間で幸せなひとときとなりました。

追記
ピアニストのテッドはとても気さくな方のようです。
演奏後、CDをお買い上げの方にサインされていたのですが、普通に観客にまぎれて入り口まですたすたと歩いていくんですよ。
気付いていない方もいるくらいのさりげなさ。
なんとも自然体。
そして、彼は左利きということを発見。左でサインをされていました。



魚霊祭

2006-06-14 | 季節を感じて・節句


今日は年に一度の魚霊祭の日でした。
魚介類に関する商売をしている人たちが集まって、魚の霊を慰めるというお祭り。
日本各地の市場でやっていますが、どれぐらいの方がご存知でしょうか?
稚魚の放流をするところもあります。

日頃から「いのち」を頂いている私たち。
神主さんに祝詞をあげていただき、それぞれに感謝と祈りを捧げました。

この魚霊塔は昭和14年4月に建立されたもの。
春は桜が咲き乱れる、小高い山の小さな公園の中にあります。
碑銘は当時、鉄道大臣・商工大臣を務めた地元岡山県浅口市鴨方出身の国会議員
小川郷太郎氏。(号は松軒)