海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

ふるさとの海に。 ~追記~

2010-09-01 | さかな、さかな、さかな~♪

【サワラ】

前記事「ふるさとの海に。」で触れた魚たちの名前。
>ケッケ、アミ、オコゼ、エイも紹介されています。
>ヌメゴチ、ギンボ、ツノギ、イイダコ、ツナシ、バリ、タモリ、シズ、ベイカの名前も登場します。

ほとんどが標準和名でなく、岡山での呼び名でした。
地方名だと「何?」と思われた方も、標準和名だったらご存知の魚がいるのではないでしょうか?

「名前は知っているけれど、食べたことがない。」
「食べたことはあるけれど、元の姿を知らない。」
そうおっしゃる方もおられるのでは?
という訳で、この機会に写真付きでご紹介致します!
ちょっと?、いやいや、ずいぶん長文になってしまいましたが・・・。
お付き合いくださると嬉しいです。
ちなみに写真は、仕事のブログ用にと携帯カメラで撮影したものです。
私の携帯電話は、魚の画像でいっぱいなの!(^^;)

もしかしたら、魚を食べられない方も「海辺のねこ」を訪れてくださっているかもしれませんね。
私はいつも、「格好いいね!」「キレイだねぇ」「可愛いね♪」と思いながら魚たちの写真を撮っています。
写真では動いている姿は見れませんが、少しでも生き物の美しさを感じて頂ければ幸いです。


まずは冒頭の写真から。
『ママカリ ヒラに まったりサーラ』窪田清一・著(岡山文庫)で、「サーラ」と紹介されている「サワラ」です。
みなさんは、お刺身や切り身では見ることがあっても、マジマジと顔を眺めてみる機会なんて、
あまりないかもしれませんね。
鋭い歯を持っています。
決して口元には手を近付けないよう、お気を付け下さいね。

お刺身最高~♪
他には、塩焼き、タタキ、西京漬け、フライなど。
おっと、忘れてはいけないのが「ばらずし」。
酢締めにしたサワラを使います(^^)


【ママカリ(標準和名「サッパ」)】

岡山では「ママカリ」という名前で親しまれていますが、標準和名は「サッパ」です。
「ニシン目ニシン科サッパ」。
そうそう、前記事に登場した「ヒラ」もニシン科です。
大きさは全くもって違いますが、雰囲気は似ていますよね?

このまま焼いてジュンッと三杯酢に、頭と腹を落として生で三杯酢に。
お好みでどうぞ♪

活きのいいものはお刺身でもいけますよ!
唐揚げや南蛮漬けにしても美味。

開いて酢に漬けたもので握る「まる寿司」は、子どもの頃から親しんでいる味です。
お祭りでよく食べたなぁ。

 

上から、【ケッケ(ヒイラギ)】【アミ】
ケッケは、焼いて甘酢に。煮付けてもおいしい。
ぬめりがあるのが新鮮だ。

アミ。
昔はよく湧いていたなぁ。
うちの前の海を覗き込んだら、見えていたもの。

大根と炊いた「アミ大根」は素朴で優しいお味。
干アミは酢の物に使ったり、焼きそばや卵焼きに入れたりと用途は広い。
アミの塩漬けは、私にとって曾祖父の味です。



【オコゼ】【エイ(アカエイ)】
オコゼって、愛嬌がある顔と思うのは私だけ?
見かけると嬉しくなります。
背ビレに毒があるので気を付けて!
唐揚げや鍋にするとおいしいよ!

エイ。
尻尾のトゲには毒があるので要注意!
危険なので、写真のエイの尾は切り落としてあります。
味噌汁や煮付けにしてどうぞ♪
肝は、とろ~り口の中で溶けますよ。
夏の間にエイを食べると、風邪を引かないんですって(^^)

 

【ツノギ(ウマヅラハギ)】【イイダコ】
皮を剥がされた状態なら、よく目にしているのではないでしょうか?
身別れが良くって、煮付けがおいしい。
それよりも好きなのは、肝と切り身とニラを入れたお味噌汁!!
サイコーです♪

ツノギを見て、「ファインディング・ニモ」のドリー(ナンヨウハギ)を思い出すのは、
私だけ???

足の付け根に、金の輪っかを持っているイイダコちゃん。
煮付けにするとおいしいです。
特にイイ(飯)と呼ばれる子が入っている時期のメスは、“ひっぱりダコ”です。
天ぷらや唐揚げにしてもOK。

 

【ツナシ(コノシロ)】【バリ(アイゴ)】
小さなときにはコハダと呼ばれ、江戸前寿司には欠かせない魚「コノシロ」。
岡山ではツナシと呼ばれています。
ママカリはよく食べるのに、どういうわけだかツナシはあまり人気がありません。
だから岡山では安価。
骨がましいから?
でも、ヒラは好まれるのにね。

焼いてしょうが醤油で頂くのが私は好き♪
骨が気になる方は、ヒラと同様に皮目から中骨に向かって骨切りをしてくださいね。
私の場合、骨切りは無用です。

ワタリガニを獲るときの餌にもなるんですよ。
さすが、ワタリガニさん。おいしいものをよくご存知で。


バリ。
ヒレには毒があるので触らないで~!
塩焼き、煮付けにするとおいしいですよ。
四国ではお皿までなめてしまうほど美味な魚ということで、
「アイゴの皿ねぶり」と呼ばれるくらいです。

 

【タモリ(セトダイ)】【シズ(イボダイ)】
タモリ、といっても眼鏡はかけていません・・・(^^;)
売り場ではちょっと目を惹く不思議な色合い。
煮付けにすると旨いのだ♪

可愛らしい顔をした、シズ。
標準和名はイボダイで、タイと名前に付くのだけれど・・・。
タイとは無縁の魚で、マナガツオやメダイの仲間なんです。
塩焼きや煮付け、バター焼きでどうぞ!


【ベイカ】
生きているベイカは本当に奇麗。
模様がキラキラ動く様は、しばし見惚れるくらいです。
活きているものはお刺身で(甘い!)
ボイルして酢味噌、煮付けても美味。
特に子持ちベイカは人気があります。
中華や洋風にアレンジしても楽しいよ~♪



ここまでが、昨日の記事に登場した魚たち。
申し訳ありませんが、ヌメゴチ(標準和名「ヌメリゴチ)とギンポの写真は持っていませんでした・・・。
ヌメリゴチは、今の時期よくみかけるので今度撮っておかなくては。
天ぷらにするとおいしいんですよ~~~!!
シロギスよりもおいしいと評されることもあります。

ここからは、おまけ。
私のオススメ。
あまり獲れない、出合うと嬉しい魚介類もいます。
 

【乙島ジャコ(アナジャコ)】【ワタリガニ(ガザミ)】
玉島にある「乙島」の地名が冠せられた乙島ジャコ。
シーズンになると、干潟で釣っているのをよく見かけます。
唐揚げ、天ぷら、茹でて。
まだまだアレンジの仕様がありそうな食材です。


ワタリガニ。
写真をご覧になって、上下の箱の性別の違いがお分かりですか?
上の箱が雄。下の箱が雌。
先日、オスを頂きましたが身がたくさん詰まっていておいしかった~♪
メスは、セキと呼ばれる子持ちが人気。
こちらはもう少しお待ちくださいませ。

「タラバよりもズワイよりも、ワタリが好き!」
というお言葉を、地元ではよく聞きます。
食べやすさ(身がとれやすい)でいうとタラバやズワイに軍配があがるけれど、
味の濃厚さではワタリガニなんですよね~。

 

【シャコ】【ネブト(テンジクダイ)】
笠岡市では、市の魚にもなっている「シャコ」。
茹でるとおいしいよ!
それよりも私は蒸したほうが好き♪
ザーッと洗ったシャコを鍋に入れて、そのまま火にかけるだけ。
焦げ付きそうなら少し水を入れてね。
お好みで醤油をたらして。
シャコの旨味が凝縮されていて、これがおいしいの!お試しあれ。

酢も物に、そのままマヨネーズをかけて、天ぷらに。
エビのかわりに入れて料理をしてみるのもいいですよ~。
サイズの揃った茹でシャコは、贈答用にも喜ばれています。


ネブトとかイシモチという名で親しまれている「テンジクダイ」。
頭を上から下へと手でちぎるようにすれば、簡単に頭と腹が取れます。
唐揚げにすると最高!
やめられない、止まらない、とはまさにこのこと。
カルシウムがしっかり摂れて、おやつに最適。
もちろんおつまみにも(^^)
南蛮漬けにしてもgood!です。

 

【テッポウエビ】【チコ(ミミイカ)】
テッポウエビ。
このエビをご存知の方は、なかなかの通です。
茹でると本当に美しい赤色になります。
どうぞ、殻ごと召し上がれ。

テッポウエビの一番前の第1歩脚は、「鋏脚」になっています。
それらは左右の大きさ・形が違っていて、どちらかが太くなっています。
何と、テッポウエビさん。
その太い方のハサミを開いてかち合わせ「パチン!!」という破裂音を出すことが出来るんですよ。
(指パッチンみたい?!)

チコとかチコベイカと呼ばれている「ミミイカ」さん。
こちらも大量には獲れません。
サイズも小さく愛らしい姿。
見かけると思わず微笑んでしまいます。

煮付けるとやわらかくて美味。
見つけると必ずといっていいほど・・・、買いたくなります。


【ウミタナゴ】
塩焼きが大好き。ご飯がすすむ~。
煮付けもオススメですよ。



今日は調子にのって、たくさん魚のご紹介をしてしまいました。
長文にお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
何かしら感じていただけると嬉しいです。

昔はもっと獲れていたよなぁ。
え?今の時期にこの魚が?
毎日入荷してくる魚を見ながら、そんな風に思うこともあります。

時代の流れと共に、海の中も、食生活も変わりつつある今。
いのちを繋いでくれる生き物達への感謝だけは、決して忘れずにいたいと思います。
今日も、ありがとう。

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8 コメント

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わーお (suzie)
2010-09-01 21:33:42
これだけ多くの種類の魚を画像付きで説明してくださるなんて、さすが魚のプロ!しかも美味しい食べ方まで紹介してくれて、魚好きの私は、“写真”も“食べ方”もワクワクします。

しかもミミイカがこんなにたくさん!
私、水中でミミイカを見たのは1回(1匹)きりです。
複数のミミイカの姿を見るのは初めてです!

かわいい魚たちの写真にうきうきです
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♪さかな、さかな、さかな~ (miki)
2010-09-01 21:51:15
たくさんのお魚の写真と解説を載せて下さり、感謝いたします。
サワラは、なかなかイケメンの顔をしていますね。
西京漬け、頂いたことがありますが美味しいですね!
魚の画像と(塩焼き、煮付け、天ぷら、ボイル、から揚げなど)それぞれの調理方を拝見していると、夕飯済ませたばかりでも喉が鳴ります。

mariさんが「サイコーです♪」とお勧めの「肝と切り身とニラを入れたお味噌汁」
是非作ってみようと思います!!

縞模様の洋服を着たタモリ、テレビの人と同じくおしゃれですね(*_*;)

魚に寄り添った美味しい(?)文章に引き込まれ、じっくり楽しく読ませていただきました。
mariさん、本当にありがとうございました。

魚を殆ど食べない孫に、次に来たときにこちらの写真を見せながら、話をしてやりたいと思います。
命を繋いでくれる生き物の話を・・・

8/29(日)のNHKアーカイブス アイガモ家族のひと夏でも同じことを言っていました。
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ふるさとの海の恵み (omotann)
2010-09-02 11:45:43
いずれも甲乙付け難いふるさとの海の恵み全てを紹介頂き有難うございます。
さすがプロとしての面目躍如たるガイドには感服しました。
一番旨味を引き出す食べ方まで紹介頂き、拝見しているだけで腹いっぱいになりそうです。

いつぞやカニ大好きの次男を同行した折には、社長(お兄さん)からワタリガニの雌雄の見分け方などを講釈して頂きました。またネブトの耳石処理についてはmariさんからブログコメントで教えて頂きました。
魚食いにとって「玉島魚市場お魚情報」から目が離せません。
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魚たちに囲まれた仕事です(^^) (mari)
2010-09-03 21:59:07
suzieさま
「百聞は一見にしかず」というとおり、画像があればより伝わりやすいかな?と、
写真付きにしてみました。
できれば料理の写真も載せられればよかったのですが・・・(^^;)

魚たちのお話、楽しんで頂けたならとても嬉しいです。
まだまだ補足したいことや、ご紹介したい魚もいます。
それはまたの機会に―。

ミミイカを海の中でご覧になったことがおありなのですか?
羨ましい~~~
あの小さくて可愛らしいミミイカが泳ぐ様子。さぞかし幸せな気持ちになれたことでしょうね

私は海の中では見たことがありませんが、陸地で写真よりももう少しまとまった数を見る機会はあります。
毎度、つんつんと触りたくなる可愛らしさです(^^)
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いのちの循環 (mari)
2010-09-03 22:19:04
mikiさま
サワラ、なかなか精悍な顔つきでしょう?
その上、おいしいので言うことなし!
西京漬けは、上品で味わい深いですよね。

そうそう、「海の貴公子」と呼ばれる夏が旬の魚「スズキ」もサワラに負けず劣らずのイケメンですよ~。

ちょっと調子に乗りすぎて、一度にたくさん載せてしまいました・・・。
どれだけ食いしん坊なんだか(^^;)

楽しんで頂き、少しでもお役に立てると幸いです。
ツノギの味噌汁はぜひお試しください!!
うちの家族はみんな大好きなメニューです(^^)
あと、暑かったこの夏の疲労回復のために、シジミの味噌汁もおすすめします。
そして来る季節は、私、イワシのつみれ汁が恋しくなります。

タモリ、おしゃれでしょう?
初めてみた方はビックリされるかもしれませんが。

NHKアーカイブスのHPから「アイガモ家族のひと夏」の記事を拝読致しました。
8月末、田んぼでの仕事を終えたアイガモは、食用になるのですね。

子どもたちと「いのちの循環」について考える時間を持つということは、とても大切なことだと思います。
mikiさん、お孫さんたちと大切な時間をお過ごし下さいね。
きっとお孫さんたちにとって、これからの人生の宝物の時間となると思います。

素敵なお話をありがとうございました。
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ありがとう、ふるさとの海。 (mari)
2010-09-03 22:47:58
omotannさま
魚好きのomotannさんに喜んで頂けたなら、何よりです♪
お腹いっぱいになりましたか(^^)

瀬戸内海には今回ご紹介したもの以外に、もっともっと全国的に知られた魚たちもいますよね。
マダイ、タコ、アナゴ、メバル、メダカガレイ(メイタカレイ)、
ヒラメ、ゲタ(舌平目)、ハモ、スズキ、タチウオ・・・などなど。
これらの魚たちの食べ方はご存知の方が多いだろうと、今回は少々マニアック?な品揃えをしてしまいました(^^;)

ワタリガニの上から見た雄と雌の見分け方。
周りの方にも教えてみてあげてくださいね。
きっと「おぉ~っ!」と喜び(驚き?)の声があがると思います。

別名・イシモチ。
耳石のお話、懐かしいですね(^^)

まだまだ勉強不足で・・・。
周りの方々から教わること多し、です。
日々の積み重ねで、少しでも皆さまにお役に立てる情報を蓄えていこうと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

「玉島魚市場お魚情報」も見てくださり、ありがとうございます。
本文で「写真を持っていない」と書いたヌメゴチ。
本日、撮りました~♪
早速アップしております。
お時間のある時にでもご覧になってくださいね(^^)
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初めまして ()
2017-04-12 14:18:02
初めまして 高知で飲食店に魚をおろしたりしてるものなんですが テッパウエビ ミミイカ ベイカなどこちらにはあがらないものをあつかってみたいのですが 可能でしょうか? ベイカはこちらでもあがるのですが 年々少なくて。 よろしくお願いします。
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はじめまして (mari)
2018-03-12 16:49:45
お返事が大変遅くなりごめんなさい。
テッポエビもミミイカもベイカも、残念ながらそんなにたくさんは獲れないのです。
どれもおいしいですよね。
扱いたいとおっしゃるお気持ちはとってもよくわかります。
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