昨年訪れた
朗読会のときのことだったでしょうか。
ちらりと触れられた「鬼の涙」というお話に惹かれるものがあり、
それ以来ずっと気にかかっていました。
そして、今年の5月。
書籍化されたことを知り、即購入。
自然と溢れてくる涙を拭うことなく、
じっくりゆっくりと読みました。
本日。
宮脇書店総社店さんにて「鬼の涙 ブックトークと生演奏の朗読ライブ」が行われました。
作者 平田勉さん
絵 源内満弓さん
朗読 金盛千裕さん
即興BGM 朝田恵利さん
朗読会の詳細を知ったのは、何と、1週間前だったんです。
よかった~、間に合って。
フリーアナウンサーの金盛千裕さん。
地の文や情景描写、3人の子ども達。そして鬼も。
元々の心地良い素敵な声に加え、表情豊かな声色で朗読されて。
心に真っ直ぐに響いてきました。
著者の平田勉さん。
朗読もなさいました。
鬼のことを「温羅(うら)」と呼ぶ、鬼を身近に感じる総社という地で育った氏。
小学校教諭で学芸会用の脚本を手掛けられており、何作か鬼を題材にしたものがあるそうです。
その脚本を元に本にしたのが、この『鬼の涙』なのです。
感情移入された鬼役は、さすが!!の一言でした。
即興BGMの朝田恵利さん。
朗読のときだけでなく、トークのときにもずっと演奏されていました。
朝田さんの演奏は、いつもその場に寄り添うように在ります。
あの一体感を、ぜひ皆さんにも生で一度は感じて欲しいなぁ。
言葉と音楽が合わさって、今日も素晴らしい相乗効果が生まれていました。
それも自然に。
素敵ですね。
朗読が始まって、少し経った頃。
小さな女の子が、
「かえろう~。かえろうよ。こわい。」
と、母親にしがみついて言いました。
自力で読むには、小学校の高学年くらいにならないと少し難しいかな?という内容の「鬼の涙」。
しかし読み聞かせならば、小さなお子様でも心の奥に本質が伝わるようです。
「鬼は文明の暴走をくい止めるために大切な存在であったと考えています。
その鬼を恐れなくなって、人間達は間違った方向に進んでしまったように思います。
(中略)
鬼を愛する多くの人たちに読んで頂けたら幸せです。」
(作者「あとがき」より)
荒れていく鬼の姿は、人間の姿を映したもののように感じました。
苦しんでいる鬼を感じる度に、人間の罪深さに気付かされるのです。
けれども、本当は…。
優しく温かな心を持っています。
鬼も。人間も。
大切なものは、何なのか。
決して忘れないで、思い出して―。
子どもたちだけでなく、多くの大人たちにも読んで欲しい『鬼の涙』。
この本が伝える思いを、しっかりと受け取めたいと思います。
会場では、原画展も開催されていました。
お話にそっと寄り添う、本当に素敵な挿し絵です。
生で拝見できて、より一層思いが伝わってきました。
嬉しいことに―。
本の購入者には、著者である平田勉さんと、絵を描かれた源内満弓さんがサインをしてくださったんですよ♪
私の本にもお二人のサインが!
お気に入りの本が、さらに宝物となりました。
どうもありがとうございました。
半農半デ(半分ぶどうの栽培、半分デザインの生活)とおっしゃる源内さん。
今日の朗読会に参加された方々のためにと、愛情込めて作られたぶどうをお土産に持ってきて下さっていました。
「黄玉、安芸クイーン、紅伊豆、マニキュアフィンガー、ピオーネ」の5品種。
減農薬、低肥料、草生栽培で育てられているぶどう達は、まことに美味しかったです。
朗読会での感動の余韻に浸りながら、おいしく頂きました。
ご馳走さまでした。
本当にとても幸せな1日でした。
感謝。
【追記】
最後に。
本日の貴重なショットを。
朗読中は、ほとんど表情を崩さずにキーボードに向かわれていらっしゃった朝田さん。
笑みを湛えて弾いていらした時間がありました。
それは休憩時間!
小さなお子様と一緒に聴きに来られている方がいらして、子どもたち用に演奏をしてくださったのです。
アンパンマンとトトロのテーマ曲!
サプライズの演出に、会場中の皆が笑顔になったひとときでした。
「朗読ライブ」の様子は、ぜひ皆さんのブログからも感じてみてくださいね。
「半農半デ」のトド日記
やもりんのBGMダイアリー