![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/98/87a6973d41bd214cbdfcaa0f514a680c.jpg)
「mariちゃん、写真をあげる!」
お客様から茶色の封筒を手渡されながら、頭にたくさんの?マークが飛ぶ。
(ん?最近お客様と一緒に写真を撮ったっけ???)
「開けて見てみて!写真見て!」
不思議に思いつつも急かす声に促され、封筒から1枚の写真を取り出してみた。
そこに写っていたのは、やわらかな笑顔をたたえた父の姿だった。
「あ、お父さん。」
私の声に、お客様は満面の笑顔。
「25年くらい前になるかなぁ。会社の旅行で一緒に長野に行ったときの。アルバムを整理してたら出てきたけぇ、あげる!」
私は、父と一緒に旅行に行ったことがない。
父だけでなく、母とも、兄とも、泊まりで行く家族旅行というものを経験したことがないのだ。
大抵かしこまって写る父の笑顔の写真は珍しい。
余程楽しかったんだろうなぁ。
久しぶりにアクセサリーケースから出してみた。
小学2年のとき、会社の旅行土産に買ってきてくれた2本のネックレスを。
どちらもコルクの栓がしてあるガラスの小瓶に入っていたけれど、今はネックレスだけしか手元にない。
深いグリーンの天然石の方には、瓶の4分の1ほどに色とりどりの小さな天然石が詰まっていたんだけどな。
買い物をするとき熟考するタイプの父は、次の旅行から食べ物しかお土産に選ばなくなった。
きっと、随分悩んだんだろう。今見ても父らしいセンス。
父から私への特別なお土産は、2本のネックレスが最初で最後となった。
今日、時を経てわが家にやってきた1枚の写真が、いろいろなことを思い出させてくれました。
「家族の知らない姿を、知っている誰かが届けてくれることがある。」
写真って、本当に良いものですね。
人って、ご縁って、優しくてありがたいものですね。
素敵な1日に感謝。