海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

桃畑の思い出

2022-04-05 | 思い出す事など

かれこれ30年ほど前のこと。
同僚の運転で取引先を訪れる際に、「良い道を見つけたから、今日はその道を通るわ」と言って見せてくれたのが眼下に広がる桃畑の風景でした。


駅の北側の道を通る時、いつも下側から見上げて楽しませてもらっていたけれど、上側からは眺めたことがなかったんですよね。
車中から眺めながら、感動しっぱなしだったことを覚えています。
この道を教えてくれた同僚くんに感謝です。


元気にしてるかなぁ。
桃の花、今年も見てるかなぁ。
私は倉敷からの帰りに寄り道をして眺めたよ。


桃農家の皆さん、いつもおいしい桃を生産してくださってどうもありがとうございます。
全国、否、世界に誇れる岡山県の桃。
どうぞ無事に成長し、豊作でありますように。

※ 写真の玉島八島・富田の桃畑は、環境省の「かおり風景100選」に選ばれています。

「悠久の時を旅する」

2021-09-29 | 芸術・文化

大好きな写真家・表現者である星野道夫さんの特別展「悠久の時を旅する」を観に、岡山県立美術館へ開館時間をめがけて行ってきました。

146点もの写真と直筆の手紙や原稿、カメラや取材ノートなどの貴重な展示もあり、ファンだけではなく何方がご覧になっても見応えのある特別展だと思います。

2日前の9月27日がお誕生日だった星野さん。ご存命であれば69歳になられていました。
会場に展示されている最後の1枚の写真を観て、何とも言えない気持ちになったけれど…。
こうして写真展が開催されたり、紡がれた言葉が読み継がれていく限り、星野さんの想いはずっとずっと生き続けていくのだと思います。

それにしても、何と生命力にあふれた写真たちなのでしょう。
カリブーにムース、グリズリー、オオカミ、フクロウ、ホッキョクグマ等々。
肉食動物だとわかっていても、思わず撫でてみたくなるような毛の質感。
植物たちの色鮮やかさ。
そして、それぞれが持つ時の流れ。
水の輪廻という言葉には、妙に納得し感動しました。

記念のお土産は、毎年のように購入している卓上カレンダーだけにするつもりでしたが…。(写真集・書籍はほぼ持っているので)
6人の寄稿が新たに加えられた『悠久の時を旅する』の新版と、星野さん特集が掲載されている「coyote」の最新号も購入しました。
読書の秋を満喫しようと思います。


美術館に行くということで、テーマに沿った着物で出かけることにしたのだけれど。
いやはやコーディネートに悩みました。袷の時期だったら迷わず深緑色の着物を選んでいたでしょう。星野さんが撮る森の緑色が好きなので。
しかし今はまだ単衣の時期です。悩んだ末に花柄の大島紬にポピーかな?と思っている柄の帯を合わせました。
ご自宅の前に山ほど種をまいてお花を咲かせていらっしゃったし、ポピーの写真も撮られていたのでね。


まん防ということで、仕事と生活必需品の買い物以外は、99%おうち生活でしたが…。
星野さんの写真展は絶対に逃したら後悔するわ!と思い、早々に足を運びました。
行けてよかった。至福の時間となりました。感謝です。

F先生との想い出

2021-09-21 | ねこからの手紙

今年の始めに大学時代の恩師の訃報が届いた。
体調を崩されていることを聞いてはいたけれど、こんなに早く旅立たれるとは思っていなかった。

とても個性的な先生だったので、印象的なエピソードには事欠かない。
ゼミ仲間たちと電話やLINE等で連絡を取り合い思い出話をしたのだけれど、あんなことがあった、こんなことがあったと話が尽きなかった。
ここには面白エピソードではなく、今でも感謝していることを記しておきたいと思う。

それは、学科の全学生必修の講義の最初の時間でのことだった。
「今日は図書館に行きます」
そう言って先生は先頭に立ち、図書館の中をぐるぐると巡り案内し始めた。
「ここには辞典が、こちらにはこんなジャンルの本が」等と、大まかに次から次へと説明していく。
そして最後におっしゃった。
「自分で調べるのが勉強です」と。
この講義がきっかけで、その後に先生のゼミを選択したと言っても過言ではない。
“自分で調べることの大切さ”を学生生活の最初に教わったことはとても大きかったと思う。今も心に刻んだままだ。

あらゆる情報であふれている現在、その中からより良いもの・真実を見極めることに難しさを感じることがある。
特に今、コロナ禍でいろいろな情報が飛び交っている。中でも、いのちに直結する医療に関してはとても重要だ。
そんな時、恩師の姿勢と言葉を思い出す。
医療において基本の“き”を示した上で、それに沿って発信して下さる方の言葉は信頼できるし、ありがたい。

ここまで綴りながらずっと頭の中に浮かんでいたことがある。
「難しいことを難しく書くのは下手な文章だ。難しいことをやさしく表現できるのが上手い文章。人に伝わらなければ意味がない」
これも先生から教わったことである。
決して難しいことを書こうとしたわけではないけれど。
果たしてこの文章で、先生への思いが少しは伝わったのだろうか…。

F先生、最初の講義で一生ものの教えを授けて下さりどうもありがとうございました。
またいつの日か、先生の講義を聴けたらなと思います。

*写真は、大学4年の時のFゼミの仲間たち。撮影者はF先生。
 一番高いところまでのぼっているのが私です。
 楽しかったな。

父の友人

2021-07-09 | 思い、想う

数日前、友人から仕事の注文を頂きました。
すると何と、そこから父の学生時代の友人と繋がるというミラクルが起きました。
そしてさらに今日、その方とお会いできたのです。

父は母と結婚して後を継ぐまで、社会人になってからの10年間を機械の設計士として働いていました。
今日お会いすることのできた方は、機械関係の会社の代表をしていらっしゃったのでー。
一緒に仕事をしないかと誘ってくださったことがあったそうです。
(父からもその話は聞いてたなぁ)

父の本棚には、転職後に役立てたのであろうたくさんの本と一緒に、機械関係の本もずっと並んだままでした。
(あと、趣味の空手の本もね。中には師匠が書かれた本もあります。)


やっぱり機械関係の仕事が好きだったんだろうなぁ。
大工仕事や何かしら「つくる」ことが得意だったしね。

父の友人から父の若い頃の話を聞かせて頂けて、私からはその後の話をすることが出来てよかったな。
ご縁に感謝ですね。



「絵本作家 葉祥明 -風景に託すはるかな想い」

2021-04-28 | 芸術・文化


閉館1時間前の笠岡市立竹喬美術館を訪れてきました。
現在開催中の特別展「絵本作家 葉祥明 -風景に託すはるかな想い」を観るために。
https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/museum/

大好きな葉祥明さん。
(1993年10月には北鎌倉の葉祥明美術館を訪れました。)
岡山県内で作品展があるならば、見逃すわけにはいきません。

初公開の油絵を拝見できて感激しました。
そして改めて葉祥明さんのブルー系とグリーン系の色が好きだな、と思いました。
展覧会開催にあたっての、竹喬さんへの言葉も心に響いたなぁ。
(図録があったら購入したかったくらいに)

今回、特別展と同時開催で竹喬さんの空を中心とした作品が展示されています。
空や雲を多く描くようになったのは、長男・春男さんの存在が大きく影響しているそうなのですが…。
今回の展覧会で、春男さんの「屏風絵 茄子」に再会することができました。
2006年6月に岡山市デジタルミュージアムで開催された「未完の夢 無言館展」で一度拝見したことのある絵です。

(「無言館」にあるはずの絵が、どうして今ここに?)
そう思い、帰り際に受付の方に尋ねてみたところ、「現在、無言館にあるのはレプリカなのです」と教えて下さいました。笠岡市立竹喬美術館にあるのが本物だそう。
経緯をお聞きして目頭が熱くなりました。
笠岡にようこそおかえりなさいませ。

ふたつの展覧会を通して、強く平和を願ったひとときとなりました。


いのちを想う歌

2020-12-05 | 思い、想う

願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ 
西行『山家集』

私が西行とこの歌の存在を知ったのは、父が教えてくれたからだ。
「花の頃じゃなくて、ワシは年の初めがいいなぁ」と。
何度も父の口から発せられたこの歌は、いつの間にか自然に覚えていた。

魚の話をする機会に恵まれたとき、頂いた時間分を語るだけの情報を持っていたとしても、それにまつわる何か興味深いネタはないかと調べることにしている。
先日も調べていたところ、西行の歌に出会った。

立てそむるあみとる浦の初竿は つみのなかにもすぐれたるらむ
西行『山家集』

これは、アミをとっている風景を児島で見て詠んだものだ。
岡山の地で西行は、児島の他に真鍋・渋川・牛窓でも海辺に暮らす人々と営みのことを詠んでいる。
「人は、いのちをいただきながら生きている」
そのことに深く思いを巡らせた僧侶である西行の胸中は、いかばかりだったのだろう。

今日もあらゆるいのちにありがとう。

※ 写真は『現代語訳 日本の古典9 西行・山家集』井上靖(学研)より。

マニキュア

2020-11-11 | 思い、想う

握力のない母が爪切りをしている姿は、何だかおっかなびっくり状態に見える。
それを見ているとハラハラするので、このところ母の爪切りは専ら私の担当になっている。

伸び具合が気になったのでつんでいると、様子を見ていた兄が言った。
「マニキュアでも塗ってもらったら?」
すると母は、「もうこの歳になったらいらんわ~。昔はしとったこともあったけど」と答えた。
えっ!?母よ。私の記憶にある母の爪はいつも素っぴんだったよ…。

「いらんわ」と言われたものの私も母のマニキュアをしている姿を見たくなり、幾つかマニキュアを入れてある箱を取ってきて「どの色がいい?」と尋ねてみた。
兄は「派手な色にしたら。気分が上がるで~」と言ったけれど、母が選んだのは可愛らしい上品なピンク色だった。
ただ、"ラメがいい""左右違う色"という兄の意見を採用した。

塗り終わると満面の笑顔の母がいた。
乾くようにと手をパタパタと振りながら「可愛い色!」と嬉しそうだ。
やっぱり幾つになってもお洒落をすることは気分が上がるのだと思う。
母よ、またいつでも好きな色を塗ってあげるよ。
普段しない私が塗るのだから、出来映えはそれなりだけど。


【余談】
結婚式やパーティーでもない限り自分のマニキュアBOXに触れることのない私。
たまには私も塗ってみるかな~。
似合うかどうかは、謎(笑)

百日草

2020-11-05 | ねこからの手紙

小学生の頃からの記憶があります。
いつも笑顔で話しかけてくれましたよね。

お花が大好きで。
よく育てた花を切り花にしてプレゼントしてくれました。
生き物も大好きで。
今にも旅立ってしまいそうにフラフラ歩いている野良猫を見かけたときには、助手席に乗せて連れ帰っていましたよね。
看取ってあげるんだと。
ひとのお世話も大好きで。
家族はもちろん、誰にでも愛情深かったあなた。

自分で受話器を持てなくなっても誰かに頼んで電話をしてきては、声を聴かせてくれましたね。
「もう電話で話せないかもしれないから」と9月末にも。
「お歳暮とお正月用の注文を今からしとくわ」って。

いつもいつも誰かのためを思って動いていたあなた。
お正月を待たずに遠くに行かなくったっていいじゃない。
もうちょっとこっちにいて欲しかった…、な。
もっとみんなに甘える時間を過ごして欲しかったな。

今までいっぱいお話しをしてくれて、たくさんのやさしさと勇気を届けてくれて、本当に本当にありがとうございました。
次に会えたときには、またいっぱいお話しましょうね。

あなたがよくプレゼントしてくれた百日草を捧げます。
花言葉の『不在の友を思う』『遠い友を思う』『別れた友への想い』『絆』『古き良き時代』『いつまでも変わらぬ心』を添えて。

元気に「ただいま」と

2019-06-28 | 今日のつぶやき

「通学以外で着用しないのは、ヘルメットを制服の一部と考えているからかもしれません。だから“行ってきます”と出掛けたら、必ず“ただいま”と元気に帰宅できるよう着用するものだと話します。」
これは、ある学校の先生からお聞きした話です。
とても納得致しました。

「行ってきます」と出掛けたら、「ただいま!」と元気に帰ってくるのが当然のこと。
そう思って、親や家族は「いってらっしゃい」と送り出すんですものね。

母は、会社に行くときも遊びに行くときも、それが早朝であろうが夕方であろうが、家の外まで見送りに出てくれます。
そして姿が見えなくなるまで、笑顔で手を振りながら送ってくれます。
悪天候の日などは「今日は見送らなくてもいいよ」と言うのだけれど―。
欠かすことはありません。
見送ることがお守りになると思っているかのように。
それは、母の父親(私からすると祖父)が事故で他界したことが随分影響しているのだと思います。

今朝は「今日は○○方面に出掛ける」と話したら―。
「○○って海辺を車で走らんといけんのんじゃろう?端っこを通ったらいけんよ。危ないから」
と、言いました。
(左側通行だから、行きは必ず海側を走らないといけないんだどな~)
(わが家の前も、職場の前も、海なんだけどな~)
そんなことを考えながらも、
「わかった!!いってきます♪」
と元気に答えておきました。

「いってらっしゃい」と送られたら、元気な姿で「ただいま」と言えるように。
今日もどうぞ笑顔で安全な一日を(〃'▽'〃)

オシャレ大使

2019-06-16 | ねこからの手紙

わが家のオシャレ大使は父でした。
自分に似合うものをよくわかっているし、TPOに合わせてセレクトする人でした。
だからもちろん、衣替えも衣類の整理も几帳面に完璧にやっていました。
(写真は夏物・柄シャツの箱より)

今もきちんと整理された父の服があります。
そこで兄に「お父さんの服を着たら?」と提案してみるのですが…。
「サイズが全く合わないから着れん」と一言。
「じゃあ、誰かに着ていただこうよ」と言っても、「嫌だ!」の一言。

父・息子のあるある話で、ライバル?のような意識があるのか、父とはまったく違う選択をしながら突き進むタイプの兄。
けれど、根は父っ子なんですよねぇ。

私がまだ生後3ヶ月で、兄が1歳11ヶ月だった頃のこと。
駅の喫茶店で休憩後、母と兄と私に「切符を買ってくるからここで待っていて」と伝え、切符を買いに向かった父。
その姿を見た兄は、大好きな父に置いていかれるのかと思い、必死な表情で父を追いかけたといいます。

その日はいつもの腰痛が出ていて、マイペースにぼちぼちと歩いて発券機に向かっていた父ですが―。
兄のそんな様子に気付き肩車をしたのだそう。
母は、その時の様子を思い出しながら―。
「きっと私じゃ頼りにならんと思ったんじゃろうなぁ」と笑います。

かつて大学時代にウエストが60㎝なくて、父から「もっと太れ!」と言われ続けていた兄よ。
教えを守り過ぎたね。
父の服が着られるよう、今度はサイズダウンに励もうぜっ!
(じゃないと、私が着るぞ。笑)

さて、今日は父の日。
歴代の父たちのために、今日は美味しいものをプレゼントすると致しましょう。