ピカビア通信

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2010年05月18日 | 食べ物


「キッシュ」つながりで、とうとう本丸の店に行くことになった。スノッブなM氏がお土産で買ってきてくれたあの店だ。以前にも書いたが、そこは本来はイタリアンである。なのだが、何故かお持ち帰り用のお惣菜コーナーにはキッシュが置いてあるのだ。別にイタリアンにキッシュが置いてあっても何の問題もないのだが、個人的には、イタリアンを標榜するならもっとイタリアっぽいものを置いて欲しいというのがあるのだ。往々にして、そういうのはどっちつかずの個性のない店であったりするから。

店の名前は「クチーナにし村」、松本に去年出来た店だ。シンプルな内装の店内は、カウンターが中心で入りやすい。初々しい感じのマダムは見ようによっては女子大生。間違っても緊張させるような雰囲気にはならない。この点でも入りやすい店ではないだろうか。しかし、そんな初々しい雰囲気とはうって変わって料理は洗練されていた。アンティパスティに「子羊の燻製のサラダ」、パスタに「鱸のスパゲティ」メインの代わりに同じくパスタの「筍とグリーンアスパラのリゾット」と食べたが、子羊は燻煙具合もよくしっとりとして美味しく、パルミジャーノとよく合っていた。鱸はまあそこそこ、特筆すべきはリゾット。塩味は薄いのだが、筍の香りとアスパラの香りが凝縮されており、勿論おじやもどきでもなくかなり洗練された一品であった。キッシュはどうもねと思っていたが、イタリアンに関しては松本では一番洗練されているのではないか(他の店を全て知ってるわけではないので個人的な直感によるもの)と思った。

そこでキッシュを基準に考えてみた。つまり、キッシュのようなお惣菜的食べ物は、洗練という方向はむしろ美味さをそぐのではないかと。アルザスならアルザスの普通のお惣菜屋で売られてているような、郷土色濃いものが本来の味であるように思うのだ。格好つけない実質的に美味いものという位置づけで良いのではないだろうか。だから、ことキッシュに関してなら松本にはもっと適した本格派のお惣菜屋がある。「デリカテッセン マルク」だ。フレンチのお惣菜だったら「デリカテッセン マルク」、洗練されたイタリアンを食べるなら「クチーナにし村」、これで良いのではないか。松本もレベルが高くなってきたわい(羨ましい)。
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