ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

自分探しの旅

2006年07月04日 | Weblog
中田の言葉だが、どうもこの言葉には違和感がある。
同じような言葉に「本当の自分」というのもある。
どちらも「紋切り型辞典」にでも載りそうな言葉だ。

それに対して「本当の自分という病」と言ってる人も
いる。
これは、確固たる本当の自分(理想化された自分)と
いうものが存在しているという前提の、ある種の幻探
しではないかと。
それだけ今の自分がしょうもなく、そこから逃げたい
がためのめの方便、それを美化した言葉ではないかと。
そうなのだ、変に美化するから自己陶酔的いやらしさ
を感じるのだそれらの言葉からは。
最初から現実逃避したい、と言えばすっきりする。
表向きは甘いなどと言われるかもしれないが(心の底
では羨ましいなどと思っているはず)。

アイデンティティーという言葉も同じだが、いつから
それらの言葉で表されるものが実際にあるということ
になったのだろう。
「本当の自分」などと考えてる自分も本当の自分の一
部だし、大体嘘の自分というものがあるのか。
そもそも嘘と本当というのははっきり分けられるもの
なのか。
つまり、元々曖昧なものなのだから、それをすっきり
させようとすること自体無理があるのだ。
心理学は多分そういうことを解明したいのだろうが、
どうしても「血液型占い」と同じように、単純化類型
化の限界が、いかがわしさを伴って露呈する。
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