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音楽探訪その7「第3回じゃにオタ・スリーマンライブ」~自由で、音楽魂にあふれた楽しい空間~

音楽らしい音楽って、なんだろう。
気取らない音楽。
自分の心の中から生まれてくる思いを飾らず、そのまま音楽に乗せる。
自分の思いに正直に、まっすぐでありつつ、
聴く人の心に届くよう、どこまでお化粧をするか。

3月の終わりの土曜日、
第3回じゃにオタ・スリーマンライブに行ってきた。
ジャニーさんという、個性的で、我が道をいく最強のミュージシャンを筆頭に、
ジャニーさんのコアなファン、通称“じゃにオタ”である
和歌山のstudio304の方々と、
project-Pさんとのスリーマンライブ。

ジャニーさんは、そんなに歌がうまいわけではないけれど、
シンプルなメロディにインパクトがあって、心に残る。

たとえば、ジャニーさんの作詞作曲「勇気のリズム」
YouTubeで歌詞つき版本人が歌う版
project-Pのパンチョスさんが「ジャニー音階」と命名したように、
ちょっと音程がずれている。
笛や打楽器が入るタイミングも、絶妙にずれていたり、
意外なところで入るので、驚きと笑いを生む。

音楽に、かっこよくなきゃとか、そういうのはない。
自分の思ったままに歌詞を綴り、メロディをつけたらいいと、
ジャニーさんの歌は、教えてくれる。


このイベントを
あえて「じゃにオタ」とネーミングした勇気はすごい。
じゃにオタ愛”というのは、
音楽って、自分の好きなようにどんどんやったらいいし、
音楽の世界は、おおらかで、ゆるくて、広いんだっていう愛だ

ジャニーさんの歌は、人の心の中の音楽魂に火をつける。

ジャニーさんの音楽が大好きな仲間が集まって、
自分たちも、思い切り好きな音楽をしようと、
ジャニーさんの曲をアレンジしたり、インスパイアされた曲をしたり、
自由な発想でつくった音楽があふれ、
音楽魂に満ちた、最高にすてきなライブ空間が広がる。

ジャニーさんが好きでないと楽しめないのじゃないかと誤解されるかもしれないが、
ジャニーさんの音楽自体、自由で全方位に開放されているから、
どの人も楽しめる。

私がこのライブがとりわけ大好きなのは、
studio304の人たちをはじめ、
観客のみなさんが、本当に楽しそうに音楽を聴いていること。
楽しい笑顔と笑い声は、テーブルを超えて、会場全体に広がり、
あったかい雰囲気に包まれる。
こんなに笑えて、あたたかくて、音楽を心底楽しめるライブは、
そうたくさんはない。

今回、ジャニーさんが用意した新曲は
飼っている亀への愛を歌った「カメさん音頭」
YouTube亀の映像と歌詞つき)(本人が歌う版
太鼓やらも入って、最後は、死生観にまで到達する
オリジナリティあふれた曲。
ジャニーさんは、ライブ会場に、飼っている亀まで
小さなプラスチックケースに入れて連れて来てくれるから、
サービス精神満点だ。

ジャニーさんは、それぞれの曲に応じて、
笛やら太鼓やらカスタネット、ハーモニカ、オカリナと
いろんな楽器を加えていく。
にぎやかな音色が楽しさを増す。

ジャニーさんの歌は、
音楽と芸のぎりぎり境界を突っ走ると思っていたが、
十分音楽性にあふれていると実感。

ジャニーさんの「HAPPY CUTE GIRL」(YouTube)は
以前から大好きな曲。
「きみはHAPPY CUTE GIRL~」で始まる旋律は、
初恋の彼女への想いをのせ、音楽の原点という感じ。

「HOLIDAY FANTASY」(YouTubeアニメと写真とセリフの違和感が楽しい)は
彼女と遊園地で初めてデートして、観覧車に乗る歌。
二人きりになって、どきどきする心を歌う。
正直で率直な思いが、好感を呼ぶ。

今回、私にとって最大の発見が
ジャニーさんの「勇気のリズム」
前回のライブの時、studio304の方々が
「勇気のリズム」に体操をつけて披露してくれたので、
私の記憶では、「勇気のリズム体操」というタイトルに
勝手に変わっていた。
今回、project-Pのボーカルのまりなっちさんが歌い、
パンチョスさんが、シンセサイザーやショルダーキーボードを弾いたり、
笛(体育の授業で使うホイッスル)を吹いたりで、
これがとても楽しくて、お客さんにも好評だった。

studio304の方々では、
「セクシーアンドロイトビリビリちゃん」で、
ボーカルの竹田友香さんが読むジャニーさんへの手紙がとても楽しく、
声も可愛くて、歌声との変
え 方も上手い。

今回「春になれば」という演歌や、
「燃えてCrazy Love」という、中森明菜と山口百恵のような
かっこよい、テンポのよい新曲を披露され、
いつもながらに竹田さんの声はインパクトがある。

studio304のひけーさん(楽曲も聴けるHP)
ギターで弾き語りの「ホタル」

失恋したけど、ずっと忘れられないでいる人への想いが、
心の中に灯りつづけるホタルの光と美しく重なり合い、共感した。
「僕の心は 今でもまだ 君の笑顔に 奪われたまま」
「僕の中に 小さく光る ホタルの光は 強く強く
  君の笑顔を 君の笑顔を 君の笑顔を 照らし続ける」

「まだすき」も失恋の曲で、元気な勢いのある曲で、
やはり失恋の曲は、経験が多いだけに(笑)心にしみる。

「Hapy Cute Girl!」も、
今回、女性が3人のボーカルと楽器演奏と
Girls版で聴けて、楽しさが倍増!
♪ひざしはポカポカ 電車はガタゴト・・のサビは最高。

「ホリデイファンタジイ」の歌は
休日にファンタを買い込んでお風呂に入れて、炭酸湯を楽しむおじいさんの話で、
「濁流」なんて歌詞がおもしろく、はちゃめちゃさが楽しい。

project-p(HP 曲を聴けるmuzie)さんは
新しいCDの収録曲「PRICELESS」(soundcloudインスト版)をライブでは初お披露め。
「尽きない願いよ 尽きない望みよ
尽きない悩みよ 尽きない不安よ」
と高音で伸びるまりなっちさんのフレーズが好き。
アンニュイな低音のラップと、高速で突っ走るボーカル。

「心のポケット探して見つけて
朝まで隠れさせて」
なんてすてきな歌詞はどうやったら思いつくのだろう。

「たまには心の鎖を外して
時間に意味など与えず自由に
誰にも求めず誰にも与えず
過ごしたっていいよね」
最後は「Let me fly forever more」で勢いよく跳躍し、
元気を届けてくれる。。。

小室さんチックな明るく可愛い「Catch my Eyes」に続いて、
新曲でできたてほやほやの
「Play the music for me」(soundcloudインスト版)をパンチョスさんが歌ってくれる。
EDMっぽいJpopとのこと。
長いイントロのトンネルを抜け出し、一気に光があふれる出だし。
サビの感じがとてもよく、朝日の光に満ちたイメージ。
あえて、感情を込めずに歌っているパンチョスさんの声がいい。
次は、まりなっちさんの声でレコーディングとのこと、完成が待ち遠しい。

続いて弾き語り2曲。
オケはなく、シンセサイザーのピアノの音での演奏で、
まりなっちさんが歌う。
「floating times」(muzie)や「relativity」(muzie)のような
重厚な音に満ち、疾走感にあふれ、
弾き語りになりそうにないと思われた曲が、
ピアノの旋律で、優しい世界に変わる。
色鮮やかでカラフルなドレスを着ていた美女が、いきなり白の着物で現れたイメージ。
これも編曲の上手さなわけで、
やはり弾き語り版のCDをつくってほしい。

弾き語りは、まりなっちさんの透明感あふれるきれいな声をじっくり味わえるし、
歌詞に込められた思いが歌にのって、
心にまっすぐとびこんでくるみたいなところがあっていい。

締めは「勇気のリズム」
ジャニ―音階をまりなっち音階に変えるのに苦労したとのこと。
自然体のお二人のざっくばらんなトークも楽しく、笑顔がすてき。

ラ イブでは、その人の生の歌声、演奏を聴けるだけでなく、
短いトークでも、その人の笑顔が見られ、
人柄みたいなのに触れられるのも魅力の一つ。


歌をとおして「その人の生き様」も現れると知人が書いていた。
友だちが、自分で書いてつくった曲を目前で歌ってくれる。
その人のあたたかさと情熱と優しさを感じるから、
どんなプロがつくった
曲よりも、心に深く届く。。。

このライブは、つい先週末のことなのに、
ずいぶん昔のことに思えるのは、
4月という異動の季節の忙しさのせいだろうか。

3月も、あっというまに去ってしまった中、
このライブについて、ちゃんと書くことができて、
ほっと一息の春の晩でした。


「勇気のリズム」を歌うproject-Pの楽しそうなお二人

※昨年3月に開かれた第2回の感想はコチラです。

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