goo

忘れられない授業

この雨で、桜も散ってしまいました。
桜は散った後もきれいで、
あちこちを風とともに駆けていく花びらを見るにつけ、
思い出すことがあります。

小学校6年生の授業のことです。
田舎の自由な学校で、
雪が積もれば、雪合戦のために2時間も授業をつぶしたり、
好きな本を写して、仕上がったら、装丁してもらったり、
担任の先生は個性的で、
楽しい授業が多かったです。

なかでも、国語の教科書に
宮沢賢治の「やまなし」が載っていて、
それを絵に描いてみようと言われました。
「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」という一節が印象的な、
谷川の底の蟹の子たちのお話です。

6,7人のグループで、
一枚のビー紙(模造紙。愛知県の方言)に、
めいめい自由に思ったように描くことになりましたが、
何もしゃべってはいけないと言われました。

大きな紙を皆で囲んで、
最初に誰が書くのか、とまどいながらも、
自分の前のあたりとか、まん中とか、
それぞれのお絵描きが始まりました。
私も、どこかに太陽を描いた覚えがあります。

時間が経つにつれ、段々余白がなくなり、
青色やら緑色やら、
なにやらわけのわからない世界ができました。

そろそろ終わりという頃。
友達の女の子が、
やおら、人差し指と中指に、赤い絵の具をつけて、
紙の対角線を、猫のように、歩かせました。

ちょうど猫が絵の上を歩いたみたいに、
赤い足跡がついて、
川を流れていく桜の花びらのよう。

それまでぼんやりした絵が、
川になり、動きが生まれました。
みなで、びっくりしたのをよく覚えています。

子どもの想像力は、すごいです。

コロナウイルスで、
なにかと意見がぶつかることの多い、
息苦しい毎日が続きますが、
想像力という人間の大きな翼で、
前向きに頑張っていきたいと思う今日このころです。

(写真は、3年前のGWに登りに行った武奈ヶ岳の帰りに
見つけた雪解け水の流れるせせらぎです。)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« NHKラジオ「す... ゴールデンウ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。