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No1256『三里塚に生きる』~懸命に生きてきた人々の人生の重み~

ここには本当に大切なものが映っている気がする。
40年も前。
空港さえ来なければ、
親から受け継いだり、自ら開墾した農地で
地道に農業をして、
平凡に暮らすことができたはずの人々。
普通のおじさん、おばちゃん、若者たちが、
農地を守るために、国を相手に戦わなければならなくなった。。。

22歳で自ら命を断った青年の遺書が心に残る。
ばあちゃんの顔のしわ一本一本に、苦労をみる。
とてもいい顔。

黙々と大地を耕し、キャベツを収穫し、洗い、
芋を掘る。
熟練した手の動きに見入る。
後ろを、轟音をたてて飛行機が飛んでいく。
普段と全く違う文脈で見える。

日本という国の、忘れてはならない負の記憶。
淡々と、当時のことを語る、その人達の語りが心を撃つ。
懸命に生きてきた一人ひとりの人生の重み。
言葉にされない、抱えている思いの深さ。
大変な修羅場を幾つも乗り越えてきた苦労。

空港建設という名のもと、
きちんと説明責任も果たさぬまま、
強制執行を連発し大切な農地を奪った国家。

故大津幸四郎監督の帽子の上にのった、
かまきりの色あざやかな緑色に涙。
今観られるべき一本だと思います。。。

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