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No1464-2『佐々木、イン、マイマイン』~自分の中の佐々木を目覚めさせるんだ!~

この映画、はっきり言って、
最初はわかりにくい。
高校時代と現在とがまじりあっていて、
説明抜きに描かれている。

でも、だんだんと、悠二が何を目指していて、
今、どういう状況かもわかってくる。

観ながら、頭の中で、想像しながら、
人間関係や、人物像を組み立てていく。
これが映画の楽しさ。
観ている側も、頭の中で、創り出している。

その中でも、わけがわからないのが佐々木だ。
高校時代、変人にしか見えなかった佐々木の
純粋で、一生懸命で、熱血野郎ぶりが、
映画が進むにつれて、
段々見えてくる。

夢を追いかけていたはずが、いつのまにか見失い、
立ち止まって、鬱々としていた悠二。

佐々木に出会い、
高校時代の自分にもう一度出会い、
そうして、
自分自身の中で、何かが静かに発酵していく。
最後に、その何かに火がついて、
駆けて、駆けて、駆け抜けて、
輝きに向けて、一歩を踏み出す。

悠二の中で、最後に爆発したのは、
悠二の中の佐々木かもしれない。

化学反応は、私たちの心にも連鎖する。
佐々木だけでなく、
悠二を観ている私たちの心の中でも、
最後に一緒に爆発する。

だからこんなふうに終わるのかと思っていると、
この映画、最後に、もう一舞台、さらりと用意してくれる。
これがまたすごい。
あっけにとられるほど。

で、最後に流れる音楽が、中島みゆきのあの歌だから
もう、ただ熱い涙で目をおさえるしかなくなる。

この映画について、
言葉で表すとすると、こんな感じだ。

でも、こんな言葉では、おさまりきれないエネルギーが
この映画にはある。

バッティングセンター。
散らかった部屋。
カラオケボックス。
線路沿いの道。

自分を知っているような謙虚なところがあるかと思うと、
思い込んだらまっしぐらな佐々木。

だから、もう、佐々木に会ってみてください。

そう言うしかない。

そしたら、この呪文がわかるはず。

「佐々木!、佐々木!」
そう呼んで、
自分の中にいる“佐々木”を目覚めさせるんだ。

☆おまけ☆
この映画のカラオケボックスのシーンで、
佐々木の友達が歌ってる曲が、
小室哲哉作詞作曲で、H Jungle with t(ダウンタウンの浜田雅功ら)の歌で、
「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」。

これもいい曲で、
歌詞を読み返してみたら、
この映画のテーマに重なり合うところがあって、感慨深い。

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