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No697『東京人間喜劇』上映後のトークその1~深田監督編~

深田監督の『東京人間喜劇』の上映後
『ふゆの獣』の内田伸輝監督、
『適切の距離』の大江崇允監督、
『イエローキッド』の真利子哲也監督がシネ・ヌーヴォに来場され
深田監督とともに、トークが行われたので紹介したい。
最初に深田監督の作品を中心にまとめてみた。

まずは、一言ずつ挨拶を求められ、
深田監督は、
『歓待』と雰囲気が違い、戸惑った方もいるかもしれないとコメント。

内田監督は『東京人間喜劇』の感想として、
「3編のうち、右腕が一番おもしろかった。
最後の男の顔のアップがすごくて
あれを撮りたくて、ずっとやっていたような…」
深田監督いわく
「痛みは治ったという表情。
でも、妻との関係がどうなるのかは、わからない。
問題が全部解決するという映画は嘘だと思う。
1、2話が好きという人と、3話が好きという人と
観客の好みも、はっきり分かれる傾向にある。
昨年シネドライブでみてもらってから、編集で少しだけ変えている」

大江監督は「ガツンと展開する感じがおもしろい」

真利子監督は
深田監督の『歓待』について、
真利子監督自身、
舞台となった東京墨田区の高校に通っていたこともあって、
「下町のリアリティが、作品の中で、
かなり大きなウエイトを占めていると思った。
錦糸町の駅の場面もわかる人にはわかるし、
地域の雰囲気ありきで話が進んでいる。
ブラジル人もとっぴだけれど、
地元を知り、地域について考える人にとっては、
リアリティを感じる要素で、
作品を生き生きとさせている」

司会者の景山さんの
「現実とのつながりをどの程度意識して映画をつくっているのか」
との問いに
深田監督は、
「フィクションとドキュメンタリーと
作り手は、あまり分けて考えていないのではないか。
つまり、カメラの前にあるものを撮る点では
どちらも変わらない。

映画は嘘だということを、観客は知っている。
主人公に、あるハードルが課せられて
全部解決して、ハッピーに終わっても
それが観客の心に届くのかは疑問だし、
それでは普遍的なものに至ることはできないと思う。

可能性としての救済。
世界には、こういう救済もあるのでは?という
可能性を提示したい。

それから、社会との関わり。
三脚を置く土地、地域にある問題を無視してはいけない。
映画と社会との関わりを忘れないようにつくっている」
とコメントされた。

<「ふゆの獣」は、私は今日見れなかったのですが、
なかなかおもしろい作品だったらしく、
その部分については、その2内田監督編として、ご紹介します>

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