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No689『白夜行』~なんだか、もったりした長尺ドラマ?~

今日、3連休の締めに前売券を買っていた
『白夜行』に行ってきた。
目下、業界では引っ張りだこで、
『狼少女』で期待の若手、深川栄洋監督とあって
期待で胸膨らませて行ったのだが、
さすがの深川監督も、原作あり、ホリプロ制作とあって、
力を発揮しきれなかったのでは?
2時間半の長尺、ちょっと苦痛に近かった。

原作は東野圭吾による、児童虐待も入った悲惨な話で、
そのまま映画化するしかない、というのも理解できる。
でも、最後まで見て、
希望もなく、あまりの後味のわるさに
映画として、これでいいのかというのが正直な感想。

原作を読んでいないので、なんともいえないが、
映画だから、という表現の工夫も特にみあたらず、
この3日間の映画行脚が、一気にすとーんと
落とし穴にはまってしまったような暗い気分で
思わず、帰り道、駆け出したくなった。
(いい映画をみても、いやな映画をみても、いつも走りたくなるようで…)

というのも、
これぞ、という魅力的なキャラが
脇役も含めてほとんどいない。
船越栄一郎が、
貧相にみえるものの、根性と熱意にあふれた刑事として
奮闘しているが、
全体の印象を凌駕するほどの魅力には及ばなかった。

掘北真希は、きれいだけれど、
冷徹で影と毒を秘めた悪女にはとてもみえず、
高良健吾の好演を期待したものの、出番がわずかで、残念。
印象的だったのは、田中哲司と戸田恵子。

児童虐待ものといえば
『永遠の仔』のドラマを思い出す。
これもまたおぞましい話で、原作を読んだ時
かなりショックだったが、
テレビドラマは、なんとか頑張って奮闘していたような気がする。
子ども達の連帯感に救われた感があるのに対し、
今回、掘北の演じるキャラが、
徹底的に悪で、罪悪感のカケラもなく終わる。
ジャンヌ・モローとかなら、魅力的な悪になるだろうが、
掘北では、可愛らしいお嬢さんでしかなく、
不消化な後味しか残らない。

しかも、全体に、どうもまったりとした会話ドラマになっていて、
原作に忠実になるあまり、
映画としてのリズム、躍動感に欠けてしまったような気がする。
ちょうど、プラネットで1970年代の
テンポのよい刑事ドラマを見た後だっただけに
よけいに、だらだらしてみえた。
最後の種明かしだけでも、
もう少し、パズルを解いていくようなおもしろみが出て
劇的に響いてくれば、と残念な感じ。

と、まあいいとこなしの感想で恐縮ですが、
掘北真希ファンにとっては、
きれいなお嬢様になりすました彼女を楽しめると思う。
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