先週の3連休の初日、神戸の湊川公園にある、
いまどき珍しい2番館「パルシネマしんこうえん」へ
行ってきました。
公開から数か月遅れての2本立て、
入れ替えなしの1200円です!
『リメンバー・ミー』傑作でした!
2018年3月に公開されたピクサー・ディズニーのアニメ映画。
何度も涙があふれ、深い余韻が残るいい映画で、
めちゃお薦めです!
全く予備知識なしで観に行ったのですが、
死者の国が、まるでUSJみたいな遊園地の入口で、
そこにいる人たちは、皆、見た目は、骸骨ですが、
服も着てアクセサリーもして、楽しく生活していて、
この世と変わらない。
でも、ガイコツだから、鼻がないとか、
驚くと目玉が落っこちたり、バラバラになったり、
すぐ元通りになったりで、
動きもおもしろく、何度も笑えます。
あの世とこの世をつなぐ、
マリーゴールドの花びらを敷き詰めた橋の
なんとすばらしいこと。
死者の国の街を俯瞰した眺めも壮大(街づくりゲームに匹敵!?笑)です。
アイデア、脚本、映像ともすばらしく、
子ども向けにしておくにはもったいない作品。
大人が観ても、
自分が死ぬときに思い出せたら、
ほっこりするかもって思うくらい(笑)。
簡単にご紹介すると、
音楽が大好きな主人公ミゲル少年の夢は、
ミュージシャンになること。
でも、ひいひい爺さんが、奥さんと子どもを置いて、
音楽をするために家を出て、帰ってこなくなって以来、
家では、音楽はご法度。
ギターを弾くことも聴くことも禁じられ、
ミゲルは、こっそり音楽大会に出演しようとして、
死者の国に足を踏み入れてしまいます。
そこで、孤独だけど、陽気でおしゃべりのヘクターに
出会い、冒険が始まる…。
いい映画って、脇役に深みがあるんですね。
この映画でも、ミゲルにギターを貸してくれる
ヘクターの音楽仲間のおじいさん。
ほんの2,3分しか登場しませんが、
忘れられない存在です。
このじいさんと、ヘクターが飲んだグラスが2つ、
テーブルに置かれたショットの余韻。。。
死者の国に、遊園地の要素を盛り込み、楽しい空間にしてしまうなんて、
おもしろいアイデアですが、
死者が抱えている、どうしようもない悲しみ、寂しさを
この老ギタリストのじいさんが教えてくれます。
そして、ココばあちゃん!(可愛い名前!)
ミゲルのひいばあちゃんで、100歳に近く、
いつも車いすに座って眠っている。
このココばあちゃんの顔の皺の一本一本まで美しく、
まるでアニメではなく、
この人だけ実写なんじゃないかと思うほどにリアルで、
びっくりするぐらい。
皺くちゃのおばあちゃんを、
こんなに美しく描いていることに
正直、感動して、
老いた人への尊厳の気持ちを感じ、胸がいっぱいになりました。
そして、このココばあちゃんが語りだす姿には、
もう涙をおさえきれませんでした。
なんと、この映画の原題は『Coco』です!
冒頭とラストのわずかしか登場しない、
おばあちゃんの名前をタイトルにするなんてさすがで、
このタイトルが、
ちゃんとテーマを背負っているとわかるのは、
映画を観てのお楽しみです\(^o^)/
「リメンバー・ミー」、私のことを覚えていてね、
という邦題も、粋です。
動物好きの方には、ミゲルと一緒に旅に出る、
ダンテという犬がとっても可愛いです。
動物は、いつも主人公をピンチから助け、誘い、
ファンタジーの世界で活躍しますよね。
この映画のアイデアは、
メキシコの伝統的な祭礼行事
「死者の日」(11月1日、2日)をもとにしたそうで、
日本の、お彼岸のようなものですが、
メキシコでは、お墓の前で、お酒を飲んだり、
食事したり、音楽を奏でたり、歌ったりして、
先祖の魂と交流をはかるらしく、
文化の違いですね。
パルシネマでは『グレイテスト・ショーマン』との
2本立てで、こちらのほうが有名らしく、
劇場のあちこちに、トイレにまで、
『グレイテスト~』を観に来られたお客様、
併映の『リメンバー・ミー』も傑作ですので、
ぜひご覧ください。
という張り紙がしてありました。
お客さんが1本観ても、2本観ても、
劇場としては、収入は変わらないけど、
せっかくなら、いい映画に出会ってほしいという、
映画愛があふれるスタッフさんの思いが
めちゃ伝わり、本当にいい映画館です。
ジョン・ラセターという
『レミーのおいしいレストラン』、
『カールじいさんの空飛ぶ家』、
『インサイド・ヘッド』と
私の大好きなアニメ作品には、
全部、この人が関わっていて、本作でも、製作総指揮を務めています。