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文楽「大塔宮曦鎧」「丗三間堂棟由来」

すっかり空いてしまいましたが、なんとか生きてます。
書きたいことはいっぱいあるのに、やることもいっぱいあって、
書けないままに、すり抜けていきます。
書かないと、私はちゃんと生きれてるのだろうかと思うことも多いのですが。

昨日、友達に誘われて、久しぶりに、文楽を観に行きました。
やはりすごかったです。

「大塔宮曦鎧(おおとうのみやあさひのよろい」の「身替り音頭の段」。
最後のシーン。薄暗がりの中、子どもたちが、何人もぐるぐる輪になって、盆踊りのように踊っています。
その中には、命を狙われている若君と、若君の身代わりになるはずの鶴千代も混じっています。

若君の首を討つように命じられた老侍がやってきて、刀をふりかぶり、子どもの命を奪うと…。

それは、老侍自身の孫でした。。。

文楽で、自分の家族を身代わりに差し出す話はよくあって、
しかも、首を切ったり、結構残酷なのですが、
今回、この薄暗がりの照明の中、老人は、娘の無念を晴らすためとはいえ、
自ら命を絶ち切った孫のあわれに、涙を流します。
それを、若宮の母や、鶴千代の両親が見守っています。

人形だけでなく、人形遣いの顔もいっぱい舞台に並んで立っていて、
どの顔も、いわば表情はありません。

その中、太夫の謡いだけが、感極まり、
三味線もむせび泣くようで、いわばカタルシス。

人形の顔も人形遣いの顔も、淡々としているだけに、その静謐さと、
ドラマチックな音が、
観客の心に、どっと押し寄せてくるようで、感情を揺り動かされました。
本当に文楽ならではの世界です。

卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」の
 木遣り音頭の段も、
強盗が、おばあさんに口を割らせようとして、
縄でぐるぐる巻きにして、氷った池の上に吊るすというシーンがあって、
おばあさんを責めるなんて、ちょっと
びっくりしました。

人形だからできるシーンですが、
高いところに吊るされた人形を動かす、人形遣いの方もすごく大変そうで、
おばあさんもすごくいい人で、しっかりしてて、あくまで口を割らず、
その姿に、目頭が熱くなりました。

初日だというのに、空席もあって、残念。

終了後、西日本豪雨の募金集めのために、娘人形がいたので、
写真におさめさせていただきました!
後ろにいらっしゃるのは、人形遣いの吉田和生さんです。

 

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