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新春初笑いは、「こどもの発想。」から

今朝、自分が自分を呼んでいるような声で目覚めた・・というのは気のせい?
今まで何度か元旦を下宿とか一人で迎えたことはあって、
さびしいということは全くないのだけれど、
年末、奈良で甥っ子たちと遊びすぎて、
年賀状とかやることが山積みで、大阪で年を越した。

夜半、二年参りと称して(「めぞん一刻」の読者ならご存知)、
一人、意気揚々と、近所の神社に出かけたら、
12時ちょっと前だというのに、神社の前の道路には長蛇の列ができていた。
近所の人たちが、次々とやってきては、挨拶を交わしている。
「やること、先に済ませておかなきゃね」
神社というのが、地元に住む人たちにとって、
なんとはなしに支えになっているのがわかるのは、何処も同じ。

実は私はこの神社に足を踏み入れるのは初めてのことで、
いつもは、祭りの時に元気なかけ声を遠くから聞くだけ。

12時になった途端、前に並んでいた女の子が「あけおめ」と挨拶していた。
30分ほども並んで、やっとお参りし、甘酒をもらって帰った。
やはり大阪の夜は、実家の愛知と比べたら、断然あたたかく、
空が明るくて、星がみえなかった。

団地のエレベータで、偶然、外人といっしょになったので、
降りる時に、「ハッピー ニュー イアー」と言ってみたら、
にこりと笑ってくれた。
英語での新年の挨拶は、こんなふうでよかったのか、自信ない。

前置きが長くなったが、
人間のこころって、涙でできているのかしらと思うくらいに、
逆に、笑うってことが、すごく大事なことだと実感するこの頃。

昨年、新聞の紹介記事がきっかけで、
小学校の中高学年の男の子たちが
苦労して考えたギャグがいっぱい詰まった本を購入した。

「こどもの発想。」天久聖一著。株式会社アスペクト発行。
月刊コロコロコミックの投稿コーナーをまとめた本で、とてもおもしろい。
風邪で調子がわるかった晩、
寝る前に、ふとこの本を久しぶりに手にとってみたら
やたらおもしろくて、ばかみたいに笑え、元気がでた。

「サンタクロースはクリスマス以外何をしているか、想像して答えなさい」の問いに
「刀の手入れ」。

「恐竜が絶滅した理由はなんですか?まちがえて答えなさい」に
「ハミガキ粉のつけすぎ」。

恐竜が歯を磨いていたり、
サンタクロースが刀を研いでいる姿を想像するだけで、やたら笑える。
こういうイメージを結びつけること自体、
とても、子どもでないと思いつけない気がする。

この本のすごさは小学生の投稿葉書をそのままコピーして本に掲載していること。
筆圧、字体、字の大きさ、修正液の跡から伝わる、小学生たちの努力のなまめかしさに圧倒される。
涙ぐましい思考の跡は、ただもうすごいと尊敬する。
まさに、「熱中の美学」。
大人になると、なかなか集中も熱中も難しくなるから、うらやましい。

「すもうで力士が土俵にまくのは何なんですか?まちがえて答えなさい」に、
「ケシゴムのカス」とか、
「愛」って答はすばらしい。

著者にいわせれば、この「コロコロバカデミー」というコーナーの理想は、
「百点以上の0点を取ろう!」というコンセプトだそうだ。
100点なら、だれでも、勉強すればだせる。頭のよい子なら皆同じ答えだ。

でも、100点を超える0点の答えは、その子にしか思いつけないオリジナル。
まさに、この「愛」って答は、100点に近い満点だと思う。

こどもの発想は本当にすごい。
不謹慎ネタ、下ネタも当然多いけれど、
著者は、むしろそれが「子供の自然の姿」であり、
「思春期前のリビドーが、飾り気なく発揮されたこれらのハガキが、
苦笑いとともにある種の懐かしさを呼び起こす」と評している。
なんだか、あきれながらも、爆笑してしまうわけ。

ほかにも、
チンギス・ハンの顔写真をみて「あなたの考えたニックネームをつけなさい」との問いに
「さばくのとんちんかん」と、
大きくマジックペンで書かれた答。
かの著名なチンギス・ハンのことを、「とんちんかん」と呼べるのは、君だけだよ、って言いたくなる。

この本を、初めて、仕事の帰り道に地下鉄のホームで読んだ時、
あまりに笑えて、ひとりでくすくすして、もう少しで乗りそこねるところだった。

本当にこどもはすごい。

花咲かじいさんの昔話。
裏の畑でポチが鳴き、駆けつけた正直じいさんにポチが放つ言葉は?
漫画に、ポチのセリフを、吹き出しに書き入れる問題。
正解は「ここ掘れ、ワンワン」でしょう。
そして、掘ったら、小判が出てくるはず。

でも、こどもたちの発想は、はるかに上をいく。

「今どきまだ小判かよ!
ドルだぜ!ドル!ジジィ」とか

「たまには、銀座とか、さんぽしたーい。」

「あっ!!!金だ。このジジィびんぼうだけど、
オレが見つけたから、オレの金」

「ほれっていいたいけど、アンタこしいたくてほれないだろ。」

ポチが擬人化して、しっかり自己主張をしているところが
現代っ子らしいといえるのかもしれない。
それにしても、この頁が、私には一番おもしろく、
何回読んでも笑ってしまう。

ほかにも、シンデレラがお城に忘れてきたものに
「けいば新聞」とか
「マクドナルドのレシート」って笑える。

バレンタインデーに女の子が好きな男の子にあげるものを
まちがえて答えなさいとの問いに

「返却日が2月14日のレンタルビデオ」

なんて、絶対渡さないけど、発想としては、おもしろすぎる。

年末、甥っ子たちと奈良に泊まりに行った晩、
本は隠して、問題を出すだけにするつもりが、
しっかり、本の存在もばれてしまい、
声に出して読んだら、
涙が出るほどおもしろくて、3人で大笑いした。

翌朝、東大寺の大仏様に行く途中、
柱くぐりがあるから、楽しみだねと、
「大仏様の鼻の穴だったか、耳の穴だったかと同じ大きさの穴が柱にあって
そこをくぐりぬけるんだよ、どっちだったっけ?」と
小学五年生の甥っ子に聞いたら
「おけつじゃないの?」と言って、にこにこ笑っていた。
10歳の少年の頭は私の想像をはるかに超えていて、
「なに、それ!?」とあきれながらも、大笑いしてしまった。

彼には、この本を超えるギャグを考えてほしいと、
大いに将来を期待したい、親ばかならぬ、伯母ばかでした。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
今年もよろしくお願いします (JNK)
2014-01-02 22:22:35
甥っ子さんたちとのエピソード、いつも楽しませてもらっています。
素敵な関係ですね!
私にも甥っ子がいるのですが、わりあい年が近く姉弟のように育ったので、ちょっと感じがちがいます。
他愛のないことで笑い合える、それがいちばん楽しいですよね~
今年もエッセイ、楽しみにしています。
 
 
 
JNKさまへ (ぱらぱら)
2014-01-03 01:00:57
あけましておめでとうございます。こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いします。
コメントありがとうございます!

「他愛ないことで笑い合える」って楽しいですね。
弟や義妹の視線をちょっとうかがいながらも、こどもネタでいっしょに盛り上がってしまってます。
『ぼくの伯父さん』というジャック・タチの映画のような、ちょっととぼけた伯父さんならぬ伯母さんになれたらなあというのが理想です。案外と、甥っ子のほうが早く大人になったりしてるのかもしれませんね!?
 
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