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No355「喜劇 団体列車」~渥美清と蝶々さんのかけあい~

未だ独身の駅員さんの渥美清と、
母親役のミヤコ蝶々さんとが、
ちゃぶ台で朝ご飯を食べている。
この二人が並んで、喋っているのを観るだけで
なんだか嬉しい気持ちになるのは、なぜだろう。

最後に残った1匹のめざしのとりあい。
蝶々さん、口も達者だが、箸も強い。
めざしは蝶々さんの茶碗に。
渥美清は歩が悪く、ぶつぶつ独り言で愚痴を言っている。
この掛け合いの絶妙なタイミング。
なんか、とても楽しい感じで、わくわくした。

渥美は、
助役試験を何度も落ち、次こそはと奮闘する、
国鉄ローカル線、四国の伊予和田駅の駅員。

早く息子に嫁をと画策する蝶々さん。
嫁候補の父に笠智衆さんが登場。
酔った勢いでとっくりからそのまま酒を飲んだり・・。
助役試験に9回落第、助役になれずに退職した元国鉄マン、
でも、乗客を助けたことは一度ならず、と
出世せずとも、仕事を真っ当してきた姿をたたえる。

寅さんが生まれる数年前1967年の作品。
渥美が、マドンナ役の佐久間良子に惚れ、夢見るシーンも楽しい。
夢の中で、橋から海に落っこちる。
溺れている姿を、そのまま布団の上で、派手に再現して
見せてくれる渥美の芸のおもしろさ。
まさに動きで笑わせてくれる役者さん。

最後には、今はもうなき瀬戸内海の連絡線が登場。
往復する船が互いにすれ違うとき、乗客が互いに手を振り合う。
遠すぎてきっと姿までは見えっこないと思いつつも、
大きな声を出して、手を振り合う心に、思わず胸が熱くなる。
渥美さんの楽しさで、最初から最後まで、笑いどおしの1本でした。
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