日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

田中好子さんの訃報に思う、キャンディーズが残したもの

2011-04-23 | 昭和
元キャンディーズのスーちゃんこと田中好子さんが55歳の若さで亡くなられました。スーちゃんネタで1本お悔やみを書ける程のファンではなかったので、昭和のガールズアイドルとは何かを振り返えることで、お悔やみに代えます。

今思えば、キャンディーズは女性グループ初のアイドルだったかなと。昭和40年代前半までは、歌手はまず歌が人並み以上にうまいことが最低条件だったので、純粋なルックスから入る“作られたアイドル”はいなかったように思います。30年代後半~40年代前半にかけての女性グループの人気者と言えば、こまどり姉妹、ピーナッツ、ジュンとネネあたりですが(他にもいましたっけ?なんかあまり思い浮かびません)、皆歌から入っていますから、その後の「ルックスありきで歌は二の次」というアイドル路線はこの時代に存在しなかったのです。

昭和40年代末期に登場したキャンディーズは、歌ではなくまず“可愛い女の子が3人”とい売り出し方をされたように思います。だから初期には歌が売れなくとも、けっこうバライティ番組に使ってもらったりとかしています。ただし音楽学院スクールメイツ出の経歴で人並み以上には歌えていたところが前時代の影を引いており、その後のアイドルとは一線を隔していたと言えます(キャンディーズは一応しっかりハモってましたね)。その後のアイドルとは「おにゃんこ」の秋元系、「モーニング娘。」のつんく系がその代表です。秋元系は徹底して素人路線。とにかく数集めた素人娘をユニゾンで歌わせて素人っぽさを魅力にする、みたいな形でした。「モームス」はオーディション系ですが、基本はまんま素人の女の子の将来性を買うみたいなノリ。いずれもプロとして育てられてプロとして管理されたキャンディーズとは、似て非なるものなのです(キャンディーズと同時代のピンクレディもオーディション出ではあるものの、完璧に造られた“アイドル(偶像)”として“非人間的”管理下で売り出されたスターでした)。

あの時代のアイドルの実態は、キャンディーズの3人が「普通の女の子に戻りたい」という名言と共に、突然自主的に「解散→引退」宣言したという流れが全てを物語っています。要するに当時は鍛えられビッチリ管理された“人造アイドル”こそがアイドルであり、睡眠時間は3時間、恋愛はご法度、プライベートはなし、いわば「アイドルはウンコしない」みたいな“非人間的”管理が彼らを苦しめたのです。それがキャンディーズ、ピンクレディの時代でした。キャンディーズの3人はそんな生活に疲れ、嫌気がさして突如「解散・引退宣言」をしてしまった訳です。

解散後の3人の芸能界復帰に際しては、「普通の女の子になるんじゃなかったのかい?」とおっしゃる方々も多数いた訳ですが、彼女たちが引退したかったのはあくまで当時の「人造アイドル稼業」であり、戻りたかった「普通の女の子」とは「普通の芸能人」のことだったのです。ですから芸能事務所がこの後アイドルの人気絶頂期での自主引退リスクを回避すべく、必要以上に造り込み過ぎず一定範囲で私生活も確保した「おにゃんこ」や「モームス」タイプに、女性アイドルグループを変質させていったのは芸能界の管理面における必然の流れであったのです。従い今のガールズグループは、キャンディーズが身を呈して“作られた非人間的アイドル”という商品を廃品に追い込んだ結果生まれたものであると言えるのではないかと思うのです(韓流ガールズグループのKARAが事務所とモメている問題は、韓国の芸能界が20~30年遅れていることを如実に物語っているように思います。今後彼女たちが日本におけるキャンディーズの役割を担うことになるのかもしれません)。

このように昭和を駆け抜けた元祖“作られたガールズアイドルグループ”のキャンディーズ。ピンクレディと共に確実に昭和芸能界のガールズ文化を象徴する存在でありました。こういう“作られたアイドルグループ”の場合、作られたものであるが故、年月を経ての再結成なんて全くのナンセンスで、もう二度と3人一緒に歌う生姿はありえないと見る側の覚悟は暗黙に決まっているものです(なので最近再結成したピンクレディが、全く盛り上がらないのは至極当たり前のことなのです)。ただ仮にそうであったとしても、田中さんの死でそれが動かぬ事実として確定させられてしまったことは、同じ時代を過ごした我々世代の気持ち的にはなんともさびしい限りではある訳です。

田中好子さんのご冥福をお祈りいたします。

皐月賞GⅠ がんばろう東日本その2

2011-04-23 | 競馬
牡馬クラシック第一弾皐月賞です。

今CMで流れているミホノブルボン、好きでしたね。本当に強い逃げ馬でした。坂路の申し子と言われた筋骨隆々の体つきで、無敗のまま小島貞昭騎手に初クラシックをプレゼントしました。この後、ダービーも勝って三冠を目指しましたが、菊花賞では“悲運の名馬”ライスシャワーに敗れ、ジャパンカップを目指しての調整中に故障が判明してそのまま引退。古馬になっていたら、相当強かったのではないかと残念でした。

さて今年。主役不在の混戦模様です。震災の影響で、開催が例年とはちがう東京になるのとステップレースの開催場所、日程が変更になったので過去のデータはそのままでは使いにくく、ますます予想がしにくい状況です。

今回もこだわりは東日本。今週から震災後ようやく関東圏での開催が再開された訳ですから。少なくとも春開催の関東でのGⅠは関東所属騎手または関東馬にばがんばってもらいたい。阪神開催の桜花賞を関西馬、関西騎手にもっていかれたので、とくに再開初週のこのレースはなんとしてもね。そうなると、注目は関東の内田博幸騎手⑥ダノンミルです。このところ皐月賞で好成績の若葉賞勝ち馬でもあり、かつ今年が東京開催で東京得意の父ジャングルポケットというのも心強いです。

気になるのは、7枠の2頭。⑬リベルタスは鞍上が関東のエース横山典です。前走こそ大敗したものの、朝日杯3着後に出世レースと言われる若駒ステークスを快勝しています。⑭フェイトフルウォーは、距離が2000メートルに延びてからクラシックで好成績馬が出るようになった京成杯の勝ち馬。鞍上関東の田中勝は数少ないGⅠ勝ちをこの皐月賞であげています。⑮デボネアは関西馬に関西騎手ですが、京成杯2着、弥生賞3着ならここで勝っても驚けない存在です。

枠連で、3-7
(ちなみに3枠のダノンミル以外のもう1頭は、“一生買わない最低野郎”柴田善⑤ナカヤマナイトなのでそこは困りものですが、関東馬に関東騎手なので震災復興特別恩赦ということで春開催の限り枠連の“代用品”のみ解禁します)。
あとは、ワイドで⑥⑬⑭のBOXでもおさえておきますか。

④サダムパテックが人気ですが、GⅠ朝日杯を1番人気で4着したように「大レースに弱そうでなんとなく買いたくない馬」なので、消しとします。