日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

私の名盤コレクション1 ~ Tazana Kid / John Sebastian

2011-04-17 | 洋楽
震災以降、軽ネタをお休みしていたので70年代洋楽ロードがどう展開していたのか正確には分からなくなってしまいました。そんなこんなで書き上げ済で未ロードの原稿も含め読み返してみたのですが、突然の大震災による影響なのか、自分の今の気分がなんとなく、この企画のような悠長に時代の流れを検証するノリではなくなったとつくづく感じてしまったのです。そんな訳で、少なくとも気分が戻るまで一旦中断させてもらおうと思います。

ただ洋楽ネタは引き続き取り上げていきたいので、暫定的ではありますが違う切り口のものを初めてみます。もっと自分の嗜好を前面に出していこうと思います。ブログですから。以前、「アメリカで売れた」という基準で100枚のアルバムを取り上げました。今回は、個人的な名盤をなぜそれが好きなのかを思い入れを語りつつ自己分析しながら、取り上げてみたいと思います。1回に1~2枚づつ取り上げられればと思います。では第1回。


★Tazana Kid / John Sebastian

1. Sitting In Limbo
2. Friends Again
3. Dixie Chicken
4. Stories We Could Tell
5. Face Of Appalachia
6. Wild Wood Flower
7. Wild About My Lovin'
8. Singing The Blues
9. Sportin' Life
10. Harpoon

いきなりマニアックに、ジョン・セバスチャンです。
彼は60年代に、ラビンスプーンフルと言うバンドで「魔法を信じるかい」「ディドリーム」などのヒット曲を放っています。
このアルバムは74年のリリースで、ソロになってのスタジオ盤としては3作目。
実に彼らしいカントリーやルーツ・ミュージック的な音楽に溢れた、素晴らしく温かみのあるアルバムです。

オリジナル曲ではA2「フレンズ・アゲイン」A4「ストーリー・ウイ・クッド・テル」が白眉です。
彼の人柄がにじみ出るようなやさしいメロディは、その歌声と相まってとにかく最高に癒されること間違いなしです。

カバーではジミー・クリフのA1「シッティング・イン・リンボ」、リトル・フィートのA3「ディキシー・チキン」という今となっては超有名曲を、いち早く取り上げています。
特に「ディキシー・・・」では、作者の今は亡きローウェル・ジョージがギターを弾き同時期にリリースされたフィートのアレンジとは一味違う粋な演奏を聞かせてくれています。
フィートのオリジナルではビル・ペインのピアノがかなり強力なアクセントになっているのですが、ここではキーボードはなく完全ギターアレンジのジョンとローウェルのデュオ的な演奏が最高にイカしています(ローウェルとの共演はもう1曲、共作の「フェイス・オブ・アパラチア」が収められています)。

他には56年ガイ・ミッチェルの№1ヒット「シンギング・ザ・ブルース」なんていう、個人的に最高にセンスのいいカバーもあったり、「ワイルドウッド・アバウト・マイ・ラヴィン」や「スポーティン・ライフ」と言ったトラディショナルをもとにスプーンフル時代にカバー&改作していた曲のセルフカバーもあり、本当に彼の魅力の全てが凝縮された作品なのです。しかもゲスト陣には、ローウェルの他にもライ・クーダーやデビッド・リンドレー、さらにポインター・シスターズなど私の大好きな面々の名前がズラリ。このセンスすごいわと思ずにはいられない訳です。最高。古き良き70年代がここにあります。

この後76年に、テレビドラマの主題歌「ウエルカム・バック」の№1ヒットでにぎにぎしく表舞台に復活する彼ですが、同曲収録の同名タイトルアルバムよりもゲスト陣の活躍も含め楽曲、演奏とも断然こちらの出来が優っています。

レコード時代には日本発売された形跡はなかったものの、04年に限定紙ジャケで突如奇跡の国内リリースがなされました(来日でもないのに)。今はもう入手は難しい?手に入るなら、絶対に一聴して損のない名盤です。

P.S.アマゾンで輸入盤ありました。
http://www.amazon.co.jp/Tarzana-Kid-John-Sebastian/dp/B000IAZN9U