12月に入って早いもので既に1週間。この調子であっという間に今年も過ぎていきそうです。年末になりますと、恒例の「今年の…」が続々発表になります。当ブログでも種々取り上げる機会があると思いますが、まず本日は先週発表された今年の「ヒット商品番付」から今年のトレンドを振り返り、来年への足がかりを探ってみたいと思います。
例年“三役”以上が、いわゆる代表トレンドということになるのですが、まずはその並びを一覧で見てみます。
東横綱「エコカー」 西横綱「激安ジーンズ」
東大関「フリー」 西大関「LED」
東関脇「規格外野菜」 西関脇「餃子の王将」
東小結「下取り」 西小結「ツイッター」
という感じです。(出典:日経MJ紙)
さて、これを見て今年のトレンドをどう思われますか?
ざっと見て第一印象で思いつくキーワードは「節約」。「エコカー」が人気になった理由は、「エコ」じゃないんですよね。要するに税制改正で「エコカー減税」が導入されたこと、それと「エコカー」の燃費の良さ。何しろ新型プリウスは旧タイプより30万円以上安くなってかつ登録時の税金が0円。約50万円もお得な訳です。しかも、燃費がいい!なんてったてリッター35キロ以上ですからね。「LED」も同じ類です。「消費電力が少ない」=「エコ」って印象が強いのですが、要は電気代の節約。特に電気代が鬼のようにかかる法人スジでは、事務所や店舗や工場の“灯り”は今や「LED」が常識。得のない「エコ」は利用者に受け入れられないと以前もお話ししましたが、景気悪化の影響でその傾向がモロに出た感じですね。この傾向は来年も続いて、「節約」が「エコ」選択の基準になっていくと思います。
「激安ジーンズ」「規格外野菜」「餃子の王将」「下取り」、よくよく考えるとこれらも全部「節約」ですね。「激安ジーンズ」「餃子の王将」はもう単純に「安い」訳です。高いジーンズからの「節約」、高い外食からの「節約」です。「下取り」もそうです。同じモノを買うのに、下取りがあって少しでもその分値引きがあって「節約」になるならそれがいいと、都内のデパートが最初にはじめたこの戦略はバカあたりしました。結局は形を変えた値引きに過ぎないのですが、うまく不況下の消費者心理を捉えたと言えそうです。「規格外野菜」も同じこと。味がさして変わらないなら、多少形が悪かったり小ぶりだったりしても「安い」がいい、と。不況はかなり末期的であると言うことがよく分かります。
さて残った「フリー」と「ツイッター」。これにも広い意味での「節約」がありそうですが、ここらには「節約」+αのキーワードとなりうる“+α部分”が潜んでいるように思います。「フリー」は、キリンが出したアルコール分ゼロの飲料。いわゆるビール風味飲料です。アルコール・ゼロ飲料の登場で、ドライバーや妊婦たちの飲みたいのに飲めない我慢からの解放が受けたそうで、爆発的なヒットになったとか。アルコールの「節約」でもありますが、どちらかと言うとキーワードは「軽量」でしょうか。「ツイッター」はいわゆる“つぶやきブログ”。最大140字という文字数制限も斬新で利用者が急拡大しました。一般のブログや2ちゃんに比べ気軽な感じがウケたようで、こちらの支持の根底には「ゆるさ」とか、140字という文字数制限からくる「軽さ」もありそうです。
さて、以上で無理無理ひっぱり出した共通キーワードは「節約」→「安い」と“+α”部分の「軽量=軽さ」ですが、この「+α」部分には不況の最中ということを考えると意外なほどに暗さがないのが不思議な感じがします。「規格外野菜」も「下取り」も、不況下の「節約」を知恵を使って楽しくやりましょう、というどこか明るい「軽さ」があるようには思いませんか?「エコカー」も「LED」も「エコ」にお墨付きをもらった「節約」なら暗くなく前向きみたいな…。「激安ジーンズ」も「餃子の王将」も、来店客はすごく明るいですよね(両店とも我が事務所から徒歩3分以内にありますので、毎日目にしておりますがとにかく店内に「節約」の暗さゼロです)。今年の流行は、みーんな「軽く」て「明るい」?
そうやって強引に考えてくると、「安い」「軽い」「自然体で明るい」といったところが、今年の“根本キーワード”であるように思えてきます。だから「フリー」が売れて「ツイッター」が流行った訳です。どちらも「安い」「軽い」「自然体で明るい」感じがしませんか?中でも「自然体で明るい」が、今の不況下の特徴的なキーワードなのかもしれません。「意図的な明るさ」や「力いっぱいの明るさ」って景気の良い時以外は浮いてしまいます。だから昔は不景気になると、心底暗かったのです。でも今回は不景気なのになぜか「自然体で明るい」。時代のなせる技でですね。番付の横綱から小結の8つの流行商品、どこか皆「自然体で明るい」って思えてきませんか。
政府の“デフレ宣言”も飛び出して、長引くと言われる現在の不況。来年のビジネスのヒントは引き続きこの「自然体で明るい」ってあたりにありそうな気がしていますが、いかがでしょう。
例年“三役”以上が、いわゆる代表トレンドということになるのですが、まずはその並びを一覧で見てみます。
東横綱「エコカー」 西横綱「激安ジーンズ」
東大関「フリー」 西大関「LED」
東関脇「規格外野菜」 西関脇「餃子の王将」
東小結「下取り」 西小結「ツイッター」
という感じです。(出典:日経MJ紙)
さて、これを見て今年のトレンドをどう思われますか?
ざっと見て第一印象で思いつくキーワードは「節約」。「エコカー」が人気になった理由は、「エコ」じゃないんですよね。要するに税制改正で「エコカー減税」が導入されたこと、それと「エコカー」の燃費の良さ。何しろ新型プリウスは旧タイプより30万円以上安くなってかつ登録時の税金が0円。約50万円もお得な訳です。しかも、燃費がいい!なんてったてリッター35キロ以上ですからね。「LED」も同じ類です。「消費電力が少ない」=「エコ」って印象が強いのですが、要は電気代の節約。特に電気代が鬼のようにかかる法人スジでは、事務所や店舗や工場の“灯り”は今や「LED」が常識。得のない「エコ」は利用者に受け入れられないと以前もお話ししましたが、景気悪化の影響でその傾向がモロに出た感じですね。この傾向は来年も続いて、「節約」が「エコ」選択の基準になっていくと思います。
「激安ジーンズ」「規格外野菜」「餃子の王将」「下取り」、よくよく考えるとこれらも全部「節約」ですね。「激安ジーンズ」「餃子の王将」はもう単純に「安い」訳です。高いジーンズからの「節約」、高い外食からの「節約」です。「下取り」もそうです。同じモノを買うのに、下取りがあって少しでもその分値引きがあって「節約」になるならそれがいいと、都内のデパートが最初にはじめたこの戦略はバカあたりしました。結局は形を変えた値引きに過ぎないのですが、うまく不況下の消費者心理を捉えたと言えそうです。「規格外野菜」も同じこと。味がさして変わらないなら、多少形が悪かったり小ぶりだったりしても「安い」がいい、と。不況はかなり末期的であると言うことがよく分かります。
さて残った「フリー」と「ツイッター」。これにも広い意味での「節約」がありそうですが、ここらには「節約」+αのキーワードとなりうる“+α部分”が潜んでいるように思います。「フリー」は、キリンが出したアルコール分ゼロの飲料。いわゆるビール風味飲料です。アルコール・ゼロ飲料の登場で、ドライバーや妊婦たちの飲みたいのに飲めない我慢からの解放が受けたそうで、爆発的なヒットになったとか。アルコールの「節約」でもありますが、どちらかと言うとキーワードは「軽量」でしょうか。「ツイッター」はいわゆる“つぶやきブログ”。最大140字という文字数制限も斬新で利用者が急拡大しました。一般のブログや2ちゃんに比べ気軽な感じがウケたようで、こちらの支持の根底には「ゆるさ」とか、140字という文字数制限からくる「軽さ」もありそうです。
さて、以上で無理無理ひっぱり出した共通キーワードは「節約」→「安い」と“+α”部分の「軽量=軽さ」ですが、この「+α」部分には不況の最中ということを考えると意外なほどに暗さがないのが不思議な感じがします。「規格外野菜」も「下取り」も、不況下の「節約」を知恵を使って楽しくやりましょう、というどこか明るい「軽さ」があるようには思いませんか?「エコカー」も「LED」も「エコ」にお墨付きをもらった「節約」なら暗くなく前向きみたいな…。「激安ジーンズ」も「餃子の王将」も、来店客はすごく明るいですよね(両店とも我が事務所から徒歩3分以内にありますので、毎日目にしておりますがとにかく店内に「節約」の暗さゼロです)。今年の流行は、みーんな「軽く」て「明るい」?
そうやって強引に考えてくると、「安い」「軽い」「自然体で明るい」といったところが、今年の“根本キーワード”であるように思えてきます。だから「フリー」が売れて「ツイッター」が流行った訳です。どちらも「安い」「軽い」「自然体で明るい」感じがしませんか?中でも「自然体で明るい」が、今の不況下の特徴的なキーワードなのかもしれません。「意図的な明るさ」や「力いっぱいの明るさ」って景気の良い時以外は浮いてしまいます。だから昔は不景気になると、心底暗かったのです。でも今回は不景気なのになぜか「自然体で明るい」。時代のなせる技でですね。番付の横綱から小結の8つの流行商品、どこか皆「自然体で明るい」って思えてきませんか。
政府の“デフレ宣言”も飛び出して、長引くと言われる現在の不況。来年のビジネスのヒントは引き続きこの「自然体で明るい」ってあたりにありそうな気がしていますが、いかがでしょう。