静聴雨読

歴史文化を読み解く

ドイツ:絵と音楽の旅 4

2014-03-28 07:53:44 | 異文化紀行

 

(4)オペラと私

私のオペラ歴は永くない。

クラス会で会った小学校のクラス・メートに「あなた、昔からオペラが好きだったの?」と揶揄された。その通り、小学校時代は、音楽の「お」の字もオペラの「お」の字も口にしたことなどなかったのだ。クラシック音楽を聴き始めたのは、大学を卒業して社会人になってから。演奏会の値段が高いので、学生時代は音楽会に通うなど考えられもしなかった。オペラに近づくにはさらに高い障壁が立ちはだかった。オペラの演奏会は目玉が飛び出るほど高く、さらに、日本では限られた演目しか聴くことができないのだ。

そのような中で、わずかに聴いたオペラの中で、私の気に入ったオペラ作家はワーグナー・モーツァルト・ヤナーチェクであることがわかった。この3人のオペラは全曲聴いてみたいと思った。

 

数年前、正確には、2009年から、まずはワーグナーのオペラを征服しようと企てた。日本にいては、この試みを実現するには何年かかるかわからない。それで、本場(ワーグナーの場合はドイツ・オーストリア)に出かけることにした。本場では、数曲のオペラをまとめて聴ける機会があるのだ。

2009年には、バイロイト音楽祭で、『ラインの黄金』『ワルキューレ』『ジークフリート』『神々の黄昏』

『パルジファル』を聴いて感銘を受け、2013年にベルリン・ドイツ・オペラで、『ローエングリン』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『トリスタンとイゾルデ』『タンホイザー』を聴いた。

 

モーツァルトについては、『フィガロの結婚』は過去何回も聴いたし、『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』も聴く機会があった。あと、『コシ・ファン・トゥツテ』『後宮からの誘拐』『皇帝ティトスの慈悲』を聴けば、全曲制覇が成る。

 

ヤナーチェクについては、プラハで聴いた『イェヌーファ』にいたく感銘を受けた(1997年)。ごく、普通の農村社会を舞台にしたオペラで、伝説物(ワーグナー)や宮廷物(モーツァルト)とは全く異なる境地を開いたものとして注目した。隣のおばあさんと孫娘に「素晴らしかった」と話かけると、二人はうなずいていた。

さて、ヤナーチェクのオペラはあまり上演されない。全部で7作あるのだが、全曲制覇はいつになるか、予想つかない。 (2014-03)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿