goo blog サービス終了のお知らせ 

アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

カムチャッカの市民団体「アイヌ」

2012-04-20 12:58:33 | インポート
北海道新聞の記事(2012/04/13朝刊)に、カムチャッカの市民団体「アイヌ」の会員数が設立から5年間で約10倍の215人に増えたと報じられていました。
「アイヌ」の代表、アレクセイ・ナカムラさんは千島列島最北端のシュムシュ島、パラムシル島のロシア正教寺院に保管されている記録などから、アイヌ民族に特徴的な洗礼名を抜き出し、その子孫をカムチャッカ地方で探したとのこと。ロシア政府は、アイヌ民族は「第2次世界大戦後、日本に移住した」とし、現在は公式に認めていないとのことですが、アレクセイさんは認知度が高まってることからこの1~2年で認められるのではと話しているとのこと。


さて、「学問の暴力」(植木哲也著 春風社)に以下のくだりがあります。

千島(クリル)列島最北端の占守(シュムシュ)島別飛での発掘は、1937年(昭和12)と38年の夏に行われた。発掘に参加した渡辺左武郎は、「当時の解剖学教室にとっては画期的な大事業であった」と記している。
1937年の北大解剖学教室来た千島調査隊は児玉を隊長とし、助教授の伊藤昌一ほか全体で6名の構成で、7月に日魯漁業の北征丸に便乗して小樽港を出航した。僧や海峡からオホーツク海を通り、中部千島で太平洋に出たあと、濃い霧に悩まされ、途中のパラムシル島で座礁しながら、シュムシュ島に到着した。(P.111)


翌38年の発掘は伊藤が隊長となり、児玉は発掘隊に加わっていないようですが、シュムシュでの発掘数は28体(P.116表4)。

情報開示されたアイヌ民族人体骨発掘台帳(医学部解剖学第二講座)には、シュムシュは14体、パラムシルは6体の記述あり。別飛ほかの千島列島の総計は52体が記されています。この数と児玉らの論文に出てくる数との違いや、台帳の備考欄の「第一より移管 112頁」など意味不明の記述の解説がほしいです。
「第1」とは第一解剖教室ということか? そうであるなら「第一解剖教室」の台帳があって、「112頁」はその頁数か? 

ところで、アレクセイさんら「アイヌ」はこの事実を知っているでしょうか。連帯しつつ解決の道を拓いていけたらと思います。


はじめて見た容姿と飛び方をしていた鷹 稚内への途中で(ちょっと遠かった)


さっぽろ自由学校「遊」2012年度前期講座が5月から始まります。
テーマは「日本がアイヌにしてきたこと ~アイヌ民族が本当に求めている政策とは?~」
アイヌ民族の皆さんの直接の声を聴きます。

●5月29日(火)開講 全5回 月1回火曜19:00~21:00 
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」
●2012年5月29日(火) アイヌ高齢者の生活保障
小川 早苗 北海道アイヌ協会札幌支部(国際部長・人権部長)・札幌市環境アドバイザー
●2012年6月26日(火) どうしてお墓を暴くのか? ~遺族からみた遺骨問題~
城野口 ユリ 浦河アイヌ文化保存会会長・少数民族懇談会副会長
●2012年7月17日(火) 国家が先住民族に「謝る」ことの意味~海外の事例から考える~
寺地 五一 元東京経済大学教員。首都圏アイヌ民族の海外交流をサポート。
●2012年8月28日(火) アイヌ民族への補償とそのプロセス
吉田 邦彦 北海道大学大学院法学研究科教授
●2012年9月25日(火) アイヌ民族が求める政策
萱野 志朗 アイヌ民族党代表
http://www.sapporoyu.org/modules/sy_course/index.php?id_course=303


センターHP内の「イヴェント情報blog」にも掲載しました。http://blog.goo.ne.jp/sakura-ive


天塩の北に一直線に28本が立っている風力発電。

やっと新年度の活動を始められました。
今週前半には稚内教会に新しく就任された牧師にセンター紹介と協力のお願いでお訪ねし、18日には今夏の基督教独立学園生の研修依頼のために二風谷へ、夜は札幌でチ・カラ・ニサッタの会議、情報収集をしました。
アイヌ奨学金事務も始まりました。これから活動報告を増やしていきます。


最新の画像もっと見る