花邑の帯あそび

1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…

帯の種類-付け帯-

2008-07-01 | 帯の種類

presented by hanamura


「付け帯」について

いよいよ夏本番にむけて、陽の光が強烈になってきました。
そろそろ蝉の大合唱もはじまることでしょう。
しかし、この季節に着物を着るのは、すこし気合いが必要ですね。
せめて、着付ける作業が楽になると、
着物を着ていこうという気持ちが高まるはず。
そこで、今回のお話しでは、「付け帯」についてお話しします。

「付け帯」とは、胴に巻かれる部分とお太鼓部分を
分けて仕立た帯のことです。
まず胴の部分を体に巻いてから、
お太鼓部分をそのまま付けるだけなんです。
帯を結ぶという手間が減るので、
少し楽して着物を着たいときにはとても重宝します。

また、古い布を帯に仕立てるときは
「付け帯」に仕立てると長く用いることができます。
古い布は、布自体が弱くなっているので、
帯をぎゅっと結ぶときに布が痛み、裂けてしまうことがあります。
そのため「付け帯」にすれば、ぎゅっと結ぶことがないので、
布を傷めることもありません。



「付け帯」の胴巻き部分の寸法は、
巾4寸~4寸3分(15cm前後)、
長さ4尺2寸~6寸(160cm~174cm)です。
この巾は、このままの状態で巻きつけられる寸法になっています。
また、長さは胴に巻きつけたときに、
2重巻きができるように仕立てられています。

この胴巻き部分の両端には紐がとりつけられています。
「付け帯」を用いるときには、
まず胴巻き部分を2重に巻いてから、
この紐を結んで体に固定します。
ちなみにこの紐は、結んだ後で帯の中にしまえば全く見えなくなります。

胴巻き部分を巻いたら、背中にお太鼓を付けます。
お太鼓は、はじめからお太鼓の形になって仕立てられているものや、
帯枕までセットされているもの、
お太鼓の長さを調節できるものなど、いろいろな種類があります。

お太鼓部分を背中に付けるときには、
背中にお太鼓をのせて、
その下に帯枕を入れ、お太鼓の山をつくります。
そして帯枕の紐をしっかりと前で結ぶことで、
背中にお太鼓を固定します。
あとは、他の帯を締めるときのように、
帯枕を帯揚げで覆い隠して、
帯締めをしっかりと結べばあっという間に完成です。
とても簡単ですよね。

「付け帯」は簡単に帯を付けることができ、
崩れにくいので、1回「付け帯」を用いると、
はまってしまう方も多いのです。
ご年配の方でも「付け帯」ならば、楽に帯を締めることができます。

時には「付け帯」という便利な帯を活用して、
「絽」や「麻」などの夏限定の着物や帯を楽しみたいですね。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は7月8日(火)予定です。


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