presented by hanamura
どんよりとした雲がひろがった空。
昨夜から降り続けていた雨がようやく止み、
庭の柊の実には雨の雫ができています。
雨が降るたびに秋が深まっていくようですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/b0/cc9e1e4c3f51786a446b30534124a70a.jpg)
さて、今日はお太鼓部分に帯芯を綴じる
作業にとりかかります。
「綴じる」とは、帯反と帯芯を縫い合わせていくことです。
綴じる作業では、まず針で帯反と帯芯を
仮止めしながら長さを揃え、帯芯の余分な部分を切ります。
この仮止めのときに
帯反と帯芯の長さを間違えて合わせてしまうと大変です。
帯芯の長さが足らないと、仕立て上がった帯は帯反がだぶついて、
しわができやすくなってしまいます。
帯芯のほうが長いと、仕立て上がった帯はひきつってしまいます。
そのため、仮止めの作業は一見簡単なように思えるのですが、
とても神経をつかいます。
そして、ちょっとした「さじ加減」が必要なんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/14/51773724a3cb37922bbba60f74f3cf4e.jpg)
帯反と帯芯をぴったり合わせ過ぎると、
縫っていくうちに帯反がわずかに伸び、
帯芯の長さが足らなくなってしまいます。
そのため、帯反は少し引っ張り気味にして
帯芯はかるくその上に載せ、合わせていきます。
しかし、このときに帯反を引っ張りすぎると、
帯芯の方が長くなってしまいます。
そこで微妙な「さじ加減」が必要になるのです。
また、帯反の素材は木綿や絹などさまざまです。
生地によって伸縮具合が違うので、
「さじ加減」を調節しながら、
合わせていくことが大切なんです。
しかし、この「さじ加減」を習得するのには、長い何月と多くの経験が必要です。
この「さじ加減」こそが「技」なのではないかと、
改めて感じてしまいます。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は10月14日(火)予定です。
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