花邑の帯あそび

1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…

花邑日記

2008-10-07 | 花邑日記

presented by hanamura


どんよりとした雲がひろがった空。
昨夜から降り続けていた雨がようやく止み、
庭の柊の実には雨の雫ができています。
雨が降るたびに秋が深まっていくようですね。



さて、今日はお太鼓部分に帯芯を綴じる
作業にとりかかります。
「綴じる」とは、帯反と帯芯を縫い合わせていくことです。

綴じる作業では、まず針で帯反と帯芯を
仮止めしながら長さを揃え、帯芯の余分な部分を切ります。
この仮止めのときに
帯反と帯芯の長さを間違えて合わせてしまうと大変です。

帯芯の長さが足らないと、仕立て上がった帯は帯反がだぶついて、
しわができやすくなってしまいます。
帯芯のほうが長いと、仕立て上がった帯はひきつってしまいます。

そのため、仮止めの作業は一見簡単なように思えるのですが、
とても神経をつかいます。

そして、ちょっとした「さじ加減」が必要なんです。



帯反と帯芯をぴったり合わせ過ぎると、
縫っていくうちに帯反がわずかに伸び、
帯芯の長さが足らなくなってしまいます。

そのため、帯反は少し引っ張り気味にして
帯芯はかるくその上に載せ、合わせていきます。

しかし、このときに帯反を引っ張りすぎると、
帯芯の方が長くなってしまいます。

そこで微妙な「さじ加減」が必要になるのです。

また、帯反の素材は木綿や絹などさまざまです。
生地によって伸縮具合が違うので、
「さじ加減」を調節しながら、
合わせていくことが大切なんです。

しかし、この「さじ加減」を習得するのには、長い何月と多くの経験が必要です。

この「さじ加減」こそが「技」なのではないかと、
改めて感じてしまいます。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は10月14日(火)予定です。


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