私が初めて自分の車として父に渡された車は本田のシビックだった。
小さいが良く走る車で、欠点はあったが私はけっこう気に入っていた。その次の車はホンダの初代プレリュードでデザインは少しダサいが、天井にブラインドがあるタイプで車を停めて夜空を見上げることが出来ることが気に入っていた。
そして自分で初めて買った車もシビックだった。しかもマニュアルシフトであり、大垂水峠をよく一人で走りに行ったものだ。運転はさほど上手くないので週末は避けるヘタレであった。でもあのシビックはエンジンの回転数を2千から三五〇〇程度に保持すると、エンジン音が気持ちよく、山道を快適に駆け抜けることが出来た。
以来三〇年近く、ひたすらホンダの車を乗り続けてきた。だから電気系統が弱いとか、シートがへたれ易いなどの欠点は嫌ってほど知っている。だがエンジンは快適であり、燃費も良く、なにより車を操作する快感があった。これはいくらトヨタの車の出来が良くても、真面目過ぎる車からは味わえない悦楽である。
だが心臓を悪くしてからは車を手放した。さすがに運転中に心室細動などが起きて事故を起こす可能性を否定しきれなかったからだ。実際、ICD(除細動器)の埋め込み手術を受けて退院後だが、二回ほど発作を起こしていることがICDのログに残っている。私は3秒程度の目眩だと感じていたが、実際には10秒近い失神状態であった。
これは怖かった。だから車を手放したことは後悔していない。とはいえICD埋込患者の生活指針では、2年以上何事もなければ運転再開は可能だとされている。もう三年目に入るので、そろそろ新車を買おうかと思っているが、取り敢えずは次のペースメーカー外来での診察次第だ。
長年HONDA党の私ではあるが、多分次は買わない。理由は簡単でデザインがダサ過ぎる。本来ならば候補に挙がるはずの新型フリードがその典型だ。これが商用車ならば、まぁまぁお洒落と云えるかもしれない。しかし、メインで乗る普通車としてはダサ過ぎる。
残念なことにおそらく塗装の質感は数段良くなっているし、内装だってそう悪い質感ではないはず。いざハンドルを握って走り出せば軽快だろうし、燃費も良いだろうと予測できる。だけど、あの外観はあんまりだ。まったくワクワク感がない。かつてのHONDAには、トヨタにも日産にもない快活さがあった。その魅力が失われている。
実は初めてではない。以前にも何度かデザインがダサ過ぎると思わせることが十数年おきにあった。まだ悪い癖が直っていない。
まだ決めてはいないけど、次はハイブリッド・エンジンを搭載する予定のスバル車になるかもしれません。実は何度か同乗しているのですが、けっこう気に入っています。特に安全運転装置のアイサイトは魅力的。これで燃費さえ良ければなぁ~と思っていたので、ハイブリッド・エンジン搭載はとても気になる情報なのです。