戦後の日本人の最大の欠点は、世の中の動きを経済中心で観てしまうことだ。
私が事務所でたまに聴くラジオでのことだ。
>タレントの大竹まことがパーソナリティを務めるラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30)
6月17日の放送では大竹が、経済アナリストの森永卓郎氏と共に、在日米軍再編に伴う在沖縄米海兵隊の米領グアム移転に関する東京新聞の記事を取り上げた。
移転は今年12月から行われ、28年までに海兵隊約4千人をグアムに移すほか、ハワイや米本土などに約5千人を移動させることが見込まれている。
森永卓郎氏 今アメリカが何をやろうとしているかというと…グアムに海兵隊を移転させるというのは、今まで日本列島がアメリカを守るための防衛ラインだったのを下げるということです
大竹まこと グアムに。なるほど
森永氏 「あとは日本で勝手にやってね」ということなんですね。だから自衛隊を増強しなければならないんですけれども、でも、グアムに引くのならば辺野古いるの?っていう話だと私は思うんです
大竹 そうですね、辺野古が何十年後にできるのかはわからないですけど…
森永氏 防衛ラインを下げるなら下げても良いけど、その代わりに辺野古を辞めようよと言った方が良い気がしますけどね
あぁ~馬鹿丸出し。私は経済評論家としての森永卓郎にはさほど悪い印象はない。しかし、この人の豊富な知識とバランスある見識も、こと軍事が絡むとただのボンクラである。まぁ一番悪いのは、ろくに調べもせず、ただ反米反日反自民感情に引きづられていい加減な記事を書いた東京新聞なのは分かっています。
まずアメリカの在沖縄海兵隊のグアムへの移転は2006年に決定されたものです。この時点では、まだアメリカとシナの間では深刻な対立は生じていません。これは冷戦時代の終了に伴い、在外アメリカ軍基地の再構築計画の一環として決められたことです。つまり日本列島をアメリカの最前線基地とする戦略に全く変更はありません。ただ戦術的配置を変えただけなのです。
経済視点しかもっていない森永氏の軍事音痴ぶりが露呈した訳ですが、それを誘因したのは東京新聞です。この新聞社が相当に政治的に偏向していることは既に常識だと思うのですが、知識のつまみ食いが得意な言論人は、あまり重視していません。
今、本当に考えるべきは、日本の自衛隊がアメリカ軍の尖兵として活用される可能性が格段に増えたことです。これは国連のPKO活動に自衛隊が参加する時、アメリカのPMC(民間軍事会社)が協力していることからも明らかです。
日本憲法はあくまで国内向けの綺麗ごとに過ぎず、国際的な枠組みには囚われない実績作りが既に実施されているのです。私が理解しがたい以上に冷たい視線を国内の平和愛好市民たちに向けざる得ないのは、これらの日本が戦争に直接関与する可能性が高まっていることに無関心だからです。
しょせん彼らは脳内お花畑で平和の舞いに浮かれているだけで、本当に平和を守ることには無関心、無知、無恥であるだけ。人類の歴史は戦いの連続であり、人を理解するとは戦いを好む人間性を理解することであるはず。
私の知る限り、情愛の深い人ほどそれが傷ついた時に好戦的になり勝ち。戦いを挑んでくる相手を躊躇わせるのは平和憲法ではなく、やり返せる武力であることぐらい分かって欲しいものです。いくら経済面で友好的でも、戦争は容易に起こることぐらい近代史を学べば分かるはずなんですけどね。