また乗り過ごしてしまった。
今年に入って2回目だ。1月に宮部みゆきでやらかして以来、久々に乗り過ごした。原因はマーゴリンだ。
自分で言うのもなんだが、私はそれほど不注意なほうではない。忘れ物は少ないし、降りるべき駅を忘れて読書に夢中になることも滅多にない。ないと言いつつ、半年で2回もやっているようでは、返す言葉もない。
弁護士大国アメリカは、作家にも弁護士が多い。やはり法廷での緊迫の場面や、法の裏をかいくぐる連中を描く様は、弁護士ならではと感じる。しかし、マーゴリンは違う。20年以上刑事訴訟を主に第一線で活躍する弁護士であるにも関らず、その作品では、そのことが強調されない。
よく取材した作家や記者でも、マーゴリンの描く法廷でのやりとりや、訴訟の実態などは書けると思う。もちろん、マーゴリンは書こうと思えば、もっと詳しく書けるのだろう。でも書かない。
マーゴリンの書きたいのは、ストーリーだ。そこに徹しているからこそ面白い。私はマーゴリンを「どんでん返しのマーゴリン」と密かに呼んでいる。展開が二転三転あたりまえ。読者の意表をつく驚愕のストーリーを提示してくる。
読むに従い、そのストーリーに引きずり込まれる。その結果が、降りるべき駅の乗り過ごしなわけだ。見事にマーゴリンにしてやられたわけだ。
それにしても、マーゴリンは弁護士の癖に法廷の正義を信じていないのか。タイトルの野生の正義は、エンディングで見事に実現する。やはり法は万能ではないのか。ふと、そう思ってしまった幸福な週末でした。
今年に入って2回目だ。1月に宮部みゆきでやらかして以来、久々に乗り過ごした。原因はマーゴリンだ。
自分で言うのもなんだが、私はそれほど不注意なほうではない。忘れ物は少ないし、降りるべき駅を忘れて読書に夢中になることも滅多にない。ないと言いつつ、半年で2回もやっているようでは、返す言葉もない。
弁護士大国アメリカは、作家にも弁護士が多い。やはり法廷での緊迫の場面や、法の裏をかいくぐる連中を描く様は、弁護士ならではと感じる。しかし、マーゴリンは違う。20年以上刑事訴訟を主に第一線で活躍する弁護士であるにも関らず、その作品では、そのことが強調されない。
よく取材した作家や記者でも、マーゴリンの描く法廷でのやりとりや、訴訟の実態などは書けると思う。もちろん、マーゴリンは書こうと思えば、もっと詳しく書けるのだろう。でも書かない。
マーゴリンの書きたいのは、ストーリーだ。そこに徹しているからこそ面白い。私はマーゴリンを「どんでん返しのマーゴリン」と密かに呼んでいる。展開が二転三転あたりまえ。読者の意表をつく驚愕のストーリーを提示してくる。
読むに従い、そのストーリーに引きずり込まれる。その結果が、降りるべき駅の乗り過ごしなわけだ。見事にマーゴリンにしてやられたわけだ。
それにしても、マーゴリンは弁護士の癖に法廷の正義を信じていないのか。タイトルの野生の正義は、エンディングで見事に実現する。やはり法は万能ではないのか。ふと、そう思ってしまった幸福な週末でした。