ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「暴れん坊本屋さん」 久世番子

2008-05-08 07:28:06 | 
ついに本屋さんがなくなった。

私が通勤に使う地元の駅は、東京23区内とは思えないほど田舎じみた風情がある。まあ、近くに寺町があり、緑豊かな街でもある。その意味では住みやすい街だと思っている。

しかしながら、駅前商店街が悲惨だ。大手スーパーのある北通りはともかく、南通りは今や10軒足らずしか営業していない。以前は3軒あった本屋さんも、次々と閉店して最後の一軒が昨年末に店を閉じた。

コンビニの雑誌コーナーだけが本売り場となる、文化的劣位の町に成り下がってしまった。駅前商店街の不況は、構造的なもので、本屋だけの問題ではない。

店の経営者夫婦の高齢化と後継者不足があるのは確かだが、消費者の嗜好の多様化と、生活様式の複雑化が背景にある。大規模店舗に対する規制緩和から、巨大な駐車場を備えた複合商業施設が、駅前商店街から客を奪ったのも事実だと思う。

インターネット上の書籍販売が好調なのも、街の本屋さんの売上減少に拍車をかけた。それと言っちゃなんだが、大手取次店の経営戦略も、街の本屋さんには逆風だったと思う。売れる大規模店舗から優先して配本したら、街の小さな本屋さんはたまらない。

そんな逆風吹き荒れるなかで頑張っている本屋さんがある。それが嬉しい。私は手にとって、本を選んで買いたいタイプなので、ネット販売ではまず買わない。本屋さんが身近にないことは、私には悲劇そのものだ。

しかし、まあ・・・やおい系というか少年愛の世界は、私には余計だな。多分、久世女史の他の漫画を読むことはなさそうだ。さりとて、この本屋さんの内情を描いた漫画エッセーは面白い。興味がありましたら、是非どうぞ。

最後に一言、頑張れ街の本屋さん!
コメント (4)
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