ヌマンタの書斎

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猿は木から落ちても大丈夫だけど

2018-07-18 13:48:00 | 社会・政治・一般

猿は木から落ちても猿だが、政治家は選挙で落ちればただの人。それがよほど嫌だったのだろう。

第196回通常国会に提出された法案のうち、厚かましいにもほどがあると、私が呆れたのが「公職選挙法」の改正である。

なんと、参議院の定数増を狙った改正である。

どうやら鳥取・島根や徳島・高知のような合区された選挙区において立候補できなくなった候補者を比例代表名簿上位にすることで救済するのが目的らしい。

元々は高齢化などにより有権者が減少しているにも関わらず、選挙区の区割りのおかげで当選できた国会議員と、都市部の国会議員との獲得票の差が激し過ぎること、つまり定数是正が最高裁でも問題視されたことから産まれた合区制度である。

この合区制度により国会議員となれなくなった先生方を救済するのが目的だというから、呆れてものが言えない。

有権者の一票の重さを平等にすることは、民主主義においては当然のことである。人口が減少した選挙区は拡大するか、他の選挙区と合わせるなどして、定数を是正することこそ重要なことだ。

当選できなくなった国会議員様を救済するために、議員定数を増やすとは本末転唐ナあろう。

日本は、高齢化社会を迎える一方で、子供の数が減っていく少子化が同時並行で起きている。その結果、必然的に人口は減少する。となれば、有権者も減る訳だから、有権者の代表である国会議員も減らすのが本筋であろう。

時代の流れに逆行させて、どうするつもりだ。

まァ、国会議員にかかる費用(給与や事務所維持費)を削減していくならば、理解できなくもない。しかし、この国会議員様を養う税金の支出は増える一方ではないか。

このような重要な問題を、ろくに報じない新聞、TVは必要なのか?

反・安倍政治を叫ぶ野党議員の先生方からも、この国会議員増員法案への反対は声が小さい。反・安倍政治への想いよりも、自分たちの雇用確保、生活確保のほうが重要なのでしょうかねぇ。

つくづく、日本の政治の在り方に疑問を感じずにはいられません。

追記 この記事を書いたのは、6月末でしたが、今月に入りようやくこの公職選挙法の改悪が報じられるようになりました。が、時は既に遅し。自公政権に押し切られました。もっと早くに報じられていたらと残念でなりません。

森友、加計問題にうつつを抜かしていたアホなマスコミ様には、真剣に反省していただきたいものです。


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