夜明け前の死 ﾘﾁｬｰﾄﾞ･ﾄﾞｲｯﾁ

この作品をミステリーとして読むと私の評価はとても辛い。

いくらなんでも、あのプロットはないだろうと思う。最後まで読んでも納得しかねる。ご都合主義だとは云わない。でも納得できる構成ではない。

しかし、エンターテイメントとして読めば結構いける。あの疾走感は見事。主人公が自分の死亡記事を見た時の違和感、身体に刻まれた刺青、明らかな銃傷と治療なのに、いずれも記憶にない。

話が進むにしたがい徐々に明かされる謎と、新たなる困惑が待ち受けている。

正直、名作とは言い難い。私は二度読みしてみたが、どうしてもこのストーリー上のプロットに納得がいかない。だから人様に奨める気にはなれない。

でも結構話題にはなったらしい。なんでこんな奇作がと思った。消化不良というか、消化不能な作品です。ある意味、ビックリですけどね。