今ではもう再販不可能ではないだろうか。
この漫画は一言で云えば、映画スターウォーズのパロディである。ただし反乱軍VS帝国ではなく、小さいが活きの良い惑星ヤクザと全銀河制覇を目指す大規模ヤクザの戦いである。
西暦5000年になって人類は宇宙を、そして銀河を制覇したがヤクザは無くならなかったで始まる冒頭のドンパチからして笑ってしまう。笑って楽しむのがこの手の漫画との付き合い方だが、笑えないのは人の性だ。
おそれく西暦5000年になっても人間の品性は変わらないだろうし、ヤクザやマフィアといった裏社会は存在すること間違いなしだと思っている。
何故なら人は欲望の強い生物であるからだ。心の奥底では人は皆平等であるなんて信じてはいない。自分は他の人より優秀だ、強いんだ。そう考える人たちが一定層実在するが故に、人類社会は常に紛争を抱えてきた。
それを制して平和で安定的な社会を築くために考案されたのが行政組織による治安を法令に基づいて行うことだ。しかし、不完全な人間の考えた法制度ゆえに、必ず綻びがある。
そこに納得できない不満を抱えた人たちが、数の力で不正を強行できる集団を作る。これがヤクザでありマフィアといった裏社会の土壌である。ちなみに神という神聖不可侵な存在をもってして、社会を安定させる仕組みもある。
でもこの場合、宗教組織が暴力をもって社会の安定を強制させる方向に必ず向かってしまう。宗教は神の正義に反対するものを悪と規定するから、妥協も宥和もあり得ず、恐怖政治が行われることが少なくない。
恐怖政治は洗脳が土台となるが、やはり暴力機構は必要となる。やはりヤクザやマフィアのような不正規組織が裏に生まれてしまう。つまるところ、人類は未だかつて暴力による不正の横行を完全に止めたことはない。
すなわち、力こそ正義である。
かくして人類は如何に科学の叡智を振り絞ろうと、宇宙に、惑星に、銀河に暴力を振り回すヤクザを拡げてしまうと予言できる。
まァそんな小難しい理屈は抜きにして、ドスや日本刀の替わりに、レーザーサーベルや超振動ナイフを振りかざす未来のヤクザの暴れっぷりを楽しむのが、本作を読むコツである。
余談だが作画者である石川賢は、この手の漫画を描きだすとギャグを挟み込むのが巧い。ただし話が暴走する傾向があるが、兄貴分である永井豪の兄弟の方が原作者なので、上手にまとまってエンディングを迎えています。
その意味でも石川賢の代表作の一つにしたいぐらいなのですが、内容が内容なので今じゃ本屋の店頭に並ぶことは、まず無理でしょう。実に残念ですと言いつつ、あたしゃ密かに楽しんでおりますが、悪しからず。
この漫画は一言で云えば、映画スターウォーズのパロディである。ただし反乱軍VS帝国ではなく、小さいが活きの良い惑星ヤクザと全銀河制覇を目指す大規模ヤクザの戦いである。
西暦5000年になって人類は宇宙を、そして銀河を制覇したがヤクザは無くならなかったで始まる冒頭のドンパチからして笑ってしまう。笑って楽しむのがこの手の漫画との付き合い方だが、笑えないのは人の性だ。
おそれく西暦5000年になっても人間の品性は変わらないだろうし、ヤクザやマフィアといった裏社会は存在すること間違いなしだと思っている。
何故なら人は欲望の強い生物であるからだ。心の奥底では人は皆平等であるなんて信じてはいない。自分は他の人より優秀だ、強いんだ。そう考える人たちが一定層実在するが故に、人類社会は常に紛争を抱えてきた。
それを制して平和で安定的な社会を築くために考案されたのが行政組織による治安を法令に基づいて行うことだ。しかし、不完全な人間の考えた法制度ゆえに、必ず綻びがある。
そこに納得できない不満を抱えた人たちが、数の力で不正を強行できる集団を作る。これがヤクザでありマフィアといった裏社会の土壌である。ちなみに神という神聖不可侵な存在をもってして、社会を安定させる仕組みもある。
でもこの場合、宗教組織が暴力をもって社会の安定を強制させる方向に必ず向かってしまう。宗教は神の正義に反対するものを悪と規定するから、妥協も宥和もあり得ず、恐怖政治が行われることが少なくない。
恐怖政治は洗脳が土台となるが、やはり暴力機構は必要となる。やはりヤクザやマフィアのような不正規組織が裏に生まれてしまう。つまるところ、人類は未だかつて暴力による不正の横行を完全に止めたことはない。
すなわち、力こそ正義である。
かくして人類は如何に科学の叡智を振り絞ろうと、宇宙に、惑星に、銀河に暴力を振り回すヤクザを拡げてしまうと予言できる。
まァそんな小難しい理屈は抜きにして、ドスや日本刀の替わりに、レーザーサーベルや超振動ナイフを振りかざす未来のヤクザの暴れっぷりを楽しむのが、本作を読むコツである。
余談だが作画者である石川賢は、この手の漫画を描きだすとギャグを挟み込むのが巧い。ただし話が暴走する傾向があるが、兄貴分である永井豪の兄弟の方が原作者なので、上手にまとまってエンディングを迎えています。
その意味でも石川賢の代表作の一つにしたいぐらいなのですが、内容が内容なので今じゃ本屋の店頭に並ぶことは、まず無理でしょう。実に残念ですと言いつつ、あたしゃ密かに楽しんでおりますが、悪しからず。