危機が目前に来ないと、対応することが出来ないのか。
何度か書いているが、21世紀の地球は増大する人口が求める食料、水、化石燃料を巡り、世界各国が相争う時代になるはずだ。
ところが日本人に関する限り、ほぼ確実に人口が減少する。大雑把な予測でも、21世紀後半には一億を切り、最終的には6千万人強の人口となるとされている。つまり衰退することが、ほぼ決まっているのが日本である。
そのせいか、どうも日本政府のみならず、国民自体が食料問題などに対して危機感が薄い。日本の食糧自給率の低さは、かなり知られているが、それがさらに年々悪化しており、しかも日本政府はまったく無為無策である。
現在、農業がおこなわれず放棄された耕作放棄地は、全農地の1割にも及んでいる。
一度放棄された農地を再び農地に戻すのは、かなり難しい。はっきり言って相当な労力を要する。もちろん各地方自治体、農協、農水省などは対策を打ちだしている。でも、放棄された農地は増えるばかり。
私が無為無策だと誹謗するのは、根本的な問題に踏み込んでいないからだ。私は結果の出ない努力を評価しない。
なぜ農地が放棄されるのか。高齢化した農業従事者の問題、農地法の問題など問題は山積である。でも、最大の問題は、農業では十分食べていけないという残酷な現実であろう。
集積された大規模農家ならばいざ知らず、平地と山間部の間の小さな農地が多い我が国の農家では、農業だけで食べていくのは難しい。多くの場合、農協などへの勤務による週末農家や、農地を賃貸不動産に転用しての大家さん農家で食べているのが実情である。
はっきり言えば、小規模農家で十分な生計を維持するのは不可能です。
こんな農業の実態を放置して、いくら対策を出しても効果が出るはずがない。本来、農家を継ぐべき子供たちや、農業をやりたいと志して田舎暮らしを目指した若い人たちも、この経済的惨状では農業を続けられる訳がない。
「農家の常識は世間の非常識」だと言いきって、農業、牧畜業のエッセイ漫画として人気を博した荒川農園だが、この6巻において牧畜業を止めたことが報告されている。
規模を縮小して農業は続けるようだが、既に後継者はなく、そう遠くない将来には廃業しての耕作放棄地となることが予想できてしまう。
非難するばかりでは、まるで某野党政治家みたいなので、一応対案を呈示しておく。
農業、牧畜業からの所得は、非課税としろ。ただし申告しての非課税であり、加工食品に関しては課税でいいと思う。無申告部分があった場合は課税とすれば、適正な申告が増えるはずだ。
他の職業との不平等であるのは承知の上だが、そこまでやらないと農業は衰退してしまう。農産物の育成は一朝一夕では出来ない。人材も含めて、長期的な視点が必要だと思う。
再度確認しますが、21世紀は食料不足が人類を襲うことは、ほぼ確定事項なのです。当然に戦乱と難民を発生するでしょう。自前で食料を調達できないことは、国民が飢えることを意味します。
食べ物がないと、働くことも、勉強することも出来ません。この浮ウが予見できないなんて馬鹿にもほどがある。でも、安倍政権じゃ無理でしょうね。あの方、はっきり言って経済音痴、現場知らずですから。
もっとも、野党も似たり寄ったりなのが日本の不幸なのですが。