ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

21世紀のインドと日本

2018-11-13 12:33:00 | 社会・政治・一般

仕事で山梨県に行くことが偶にある。

主に甲府周辺に行くのだが、帰途に石和温泉で一風呂浴びて寛ぐことが多い。ちなみに芸者(コンパニオン)遊びはやらない。広い温泉でノンビリと湯に浸かり、身体をリラックスさせるだけである。車なので酒も飲まないが、泊まる時は甲府名物のワインを頂く。

その甲府周辺を車で走っていて目につくのがインド料理店の多さである。日本人はカレー大好きではあるが、本格的なインド料理屋が甲府界隈に沢山あることは驚きである。

地元の方に訊いてみたら、インド人の多くは山梨の特産物である鉱石、とりわけルビーなどの宝石目当てで、こちらに移り住んで仕事をしているそうだ。山梨は古くから温泉や塩山で知られているが、昇仙峡などで採掘される水晶でも有名なのは知っていた。

だが、宝石の原石が採れることは、よく知らなかった。こちらで宝石を買い付け、加工して本国に輸出するのがインド人たちの仕事であるようだ。

ところで、そのインドだが安倍首相とモディ首相が非常に親密な関係を築いているようだ。戦前イギリスからの独立を目指したチャンドラー将軍以降、これほどインドの政治家と親しくなった日本の政治家は、戦後では安倍首相が初めてだと思う。

既に13回も会談を交わしており、今回3度目の来日をしたモディ首相を安倍首相は別荘に案内している。トランプ大統領以上の待遇ではないかと思う。私は安倍首相の内政手腕に関しては、あまり好意的にはみていない。

しかしながら、その外交手腕は歴代の首相でも一番ではないかと思う。

インドは現在、世界第二位の人口大国である。おそらく近いうちに中国を抜くと予測されている。またIT大国でもあり、二ケタの掛算を小学生に教えることで知られる数学大国でもある。

そして中国相手に一歩も引かない稀有な国でもある。旧ソ連とも、アメリカとも一定の距離を保ちつつ、決して敵対はしてこなかった立ち回り上手でもある。

IT大国といいつつ、国内には根深いカースト制度が生き残っており、近代社会とは程遠いのも確かだが、国内に膨大な知的労働者を有する未来の大国であると思っている。

また印僑と呼ばれる在外インド人たちの人脈が世界中にある国でもある。それでいて、他国とは決して混じり合わない稀有な国でもある。あまりに独自過ぎて、インド文化圏とも言うべき独特な社会を保ち続けている。

その人的パワーはシナの華僑、ユダヤ人コミュニティ、アルメニア人コミュニティと並んで世界中に展開されている。明治から昭和の初期では、日本人もインドの潜在力に気が付いて、積極的に手を結ぶことを考えていたが、敗戦とGHQの支配以降、その繋がりは途絶えていた。

しかし、中国の躍進と、アメリカの軍事的方針転換と相まって、日本は再びインドとのつながりを深めている。いわゆるシナ包囲網として理解されているが、それだけでは済まないと私は予測している。

現在のところは経済関係が中心だが、軍事的なつながりも今後増えていくと思う。つまり、かなり日本の安全保障の観点からして要注意だと考えなければならない。21世紀の日本にとって、インド、南アフリカ、オーストラリアとの関係強化は今後の大きな課題だと思います。

ある意味、シナ人以上に相互理解が難しい人たちだとも思いますが、インドとの友好関係の構築は未来への保険となりうるものではないかと私は考えています。それゆえに、今後もその動向には注意を払いたいと思います。

コメント
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