ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

万引きは犯罪

2014-08-26 12:59:00 | 社会・政治・一般

一日一回は本屋さん。

特に用事がなくても、一日に一回は本屋さんを覗くのは、私の長年の習慣である。だからこそ、近年廃業する本屋さんが増えていることに胸を痛めている。

駅前の商店街に必ずあったはずの本屋さんだが、私が日ごろ使っている地元の駅周辺には、もはや一軒の本屋さんもない。ほんの20年前のは4軒もあったのにだ。

原因はいろいろある。店主の高齢化、後継者不足は本屋に限らず小さな店舗なら、どこでもある悩みだ。だが、本屋さんには「万引き」という悪辣な被害が多く、これが経営を圧迫していた。

本の販売は、利幅は薄く、それが雑誌や文庫本ともなると、一冊あたり十数円であることもある。なんだ、被害はそんなものかと思ってはいけない。

たとえば10冊を1000円で仕入れたとしよう。この本を一冊300円で売れば、利益は一冊当たり200円。つまり10冊完売すれば、2000円の利益だ。

しかし、この10冊のうち3冊が万引きの被害に遭ったとすると、売値300×7冊=2100円であり、一方仕入れ値は100円×10冊=1000円だから、粗利は1100円にしかならない。万引きさえなければ、粗利は2000円のはず。

つまり万引きによる損害は実質900円なのだが、問題は手持ち資金である。万引き後の7冊を完売したとしても、手元に残るのは1100円である。この中かから、次の本の仕入れ代を払えば、あと100円しか残らない。この100円から生活費やバイト代を払うのだ。

これでは本屋の経営が立ち行かないのも当然であろう。上記の数字にピンとこない人は、数字を1000倍にしてみれば、より現実的かもしれない。万引きの被害が如何に深刻か、お分かり頂けたでしょうか。

実際、万引きによる被害に根を上げて廃業した本屋さんは全国に数知れず。本屋さんだけでなく、全国の小売店は万引きによる被害と経営悪化に悩んでいる。

そんな最中に起きたのが、東京は中野にある「まんだらけ」という有名店で起きた玩具の鉄人28号の万引き事件である。話題になったのは、この犯人の映像を顔にモザイクをかけて公表し、12日までに返却しなければ、モザイクをはずして顔を公表すると発表したからだ。

結局、警察が介入してモザイクをはずしての公表は中止させられた。私としては残念でならない。

この事件で何が不愉快かって、人権をたてにモザイクを外すことを誹謗する一部の弁護士やら言論人がいたことである。馬鹿もいい加減にしろと言いたい。

だいたいが、この手の輩は被害者と加害者の人権を平等に扱うことに固執する人権至上主義者である。一見立派な考えにみえるが、実際は理念先行で現実をみない脳内お花畑育成者である。

現実を直視する勇気を持たず、理想に酔い痴れているだけの迷惑な酔っ払いのようなものだ。人権はすべての人に平等にあるのだろうが、その結果の行為の責任は平等ではない。

小難しく考えなければ、他人のものを奪う権利を行使している人が、奪われた人と平等な訳がないことぐらい分かるはずだ。万引き犯の人権を守ろうとするあまりに、奪われた人の権利を蔑ろにする悪しき平等主義であることが何故に分からない。

面子重視のお役所である警察は、まんだらけに画像公開を止めさせた以上、断固として犯人を捕まえる義務がある。警察自らがさっさとモザイクを外した画像を公開して犯人を追いつめろ。オレオレ詐欺の容疑者の画像を公開しておきながら、まんだらけから玩具を奪った犯人の画像を非公開にする理由が分からん。

ここまで書いた時点(8月16日)では捕まっていなかったが、先週後半逮捕されたとのこと。しかも写真週刊誌に顔が公表されている始末。営利目的の雑誌に公表が良くって、被害者が公表できないなんて、なんかおかしくありませんかね。

コメント (4)
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