ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

プロレスってさ スティーブ・ウィリアムス

2008-07-02 12:13:53 | スポーツ
私はボディビルには興味はないが、それでも鍛え上げられた筋肉に対する敬意は持ち合わせている。

ただ、不自然に肥大した筋肉を美しいとは思わない。オイルを塗って、テカテカに光らせ筋肉を見栄え良くみせている裸の男たちは、ご遠慮願いたい。しかし、筋肉は無視できない。

喧嘩でも、柔道でも、はたまたプロレスごっこでもいいが、組み合っただけで筋肉の威力は分る。鍛え上げられた筋肉は、触れただけで脅威を感じる。男にとっては、実に分りやすい判断基準だ。

しかし、どれほど鍛え上げても、我ら日本人のような黄色人種の筋肉量には限度がある。しなやかな黒人の筋肉は望むべくもないが、なにより強固な骨格に支えられた白人種の膨大な筋肉には圧倒される。

あまり詳しくはないが、白人種のなかでも北欧系というか、コーカサス系やゲルマン系の人たちの筋肉のつき方は、野蛮なほどの迫力がある。

私が生で見たなかで、一番凄かったのが80年代から90年代に活躍したアメリカのプロレスラー、スティーブ・ウィリアムスだ。リングネームのドクターデス(殺人医師)とは裏腹に、髭面のワイルドな顔立ちだったが、なにより凄かったのが、その上半身の筋肉だった。

胸の厚さと、肩幅の広さが同じくらいあり、引き締まった腰ながら、腹筋が盛り上がっている。筋肉の太い筋に囲われた首の太さも凄いが、ぶっとい腕の太さといったら、まるで女性の太ももなみ。もちろん足も筋肉で覆われた鎧で、アメフト仕込みの強烈なタックルを産み出す。

受身の名人だった猪木を、試合開始直後にタックルで失神させてしまって、おろおろしていた試合は笑った。レフリーのミスター高橋が「バカ!本気だしやがって」と言わんばかりの鋭い視線を投げかけると、失神している猪木をわざわざ足で踏み叩き、起こしてやる不器用な演技ぶり。

筋肉だけなら、ウィリアムス以上のボディビルダーは数多居るが、アメフトとレスリングで鍛えられた実戦向きの筋肉は、まさに戦う男の制服だった。正直、あの体つきには憧れた。

ウィリアムスが結婚式に参列している写真を見て爆笑したことがある。タキシードを着ているのだが、異常な筋肉のせいで、シルエットが歪んでいる。どんなデザインの服だって、あの筋肉には敵わない。

率直に言って、プロレスは不器用だったが、レスリングは強かった。新日本プロレスで、旧ソ連のレスリングのメダリストたちとやりあった時の強さは驚異的だった。多分、あの時の米ソ対抗戦だけじゃないかな。彼がプロレスのリング上で本気を出したのは。

その後、全日本プロレスへ移籍して、テリー・ゴディと組んだ頃から急速にプロレスの流儀を覚え、強豪として長く活躍したのは記憶に新しいところだ。病気のため、引退を余儀なくされたが最後まで、あの強烈な筋肉を維持していたのは本当に驚きだった。
コメント (2)
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