ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「裁くのは俺だ」 ミッキー・スピレイン

2006-07-20 09:34:07 | 
真似されるってことは、それだけで評価されていいと思う。

17日、アメリカの作家ミッキー・スピレイン氏は逝去されたとの報が新聞の死亡欄に掲載されていました。一応、ハードボイルド系の推理小説作家だと思います。一応と前置きしたのは、正直言って推理小説としては、それほどの名作とは言い難いと評さざる得ないからです。

そうだとしても、スピレイン氏の生み出した探偵、マイク・ハマーは記憶に残る主人公でした。それどころか、ハマーの亜流を数多く生み出した傑物だと評していいと思います。実にアメリカ的な探偵でした。推理力よりも行動力。捜査というより腕っ節。後年多くの類似の探偵を生み出した、タフガイ型探偵のはしりがマイク・ハマーでした。

推理小説としてはたいしたものではなかったと思いますが、エンターテイメントとしては面白かった。スピード感というか、疾走するかのごときストーリー展開は十分楽しめた。ハメットほど大人でもなく、マクドナルドほど深みもない。されどそんな感慨をぶっ飛ばすほど、マイク・ハマーの暴れっぷりは気持ちよかった。

だからこそ、多くの亜流を生み出したのだろうと思います。それにしても、アメリカ以外では有り得ない探偵でした。
コメント (2)
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