仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

心にしみた忘れられない言葉

2021年04月18日 | いい話

法話メモ帳より

 

『心にしみた忘れられない言葉』(1999/2/1・岐阜県笠原町編集)

 

 

競馬で大穴が当たったんや、大学行かしたるわ

 

私が高校生のとき、父は手形の保証人となり、多額の負債を背負った。友情を重んじる父が友人に裹切られたのだ。家までも手放した父は、唯一の楽しみだった競馬もやめた。

 私は大学受験を控えていたが、状況を考えると、とても大学へなど行けない。就職して借金返済を手伝おうと決心していた。

 そんなある夜、酒の飲めない父が珍しく酔って帰ってきた。

 「競馬で大穴が当たったんや、大学行かしたるわ」

 照れ屋な父の精一杯の嘘だった。息子にだけは迷惑をかけたくないという、意地があったのだろう。

 その夜、私は泣いた。

       、                    加藤公平(32)大阪府

 

 

奈保子の為ならいくらでも頭をさげてやる、地につくまで‥

 

高校三年生の春、退部届けを出しました。前の日に、いやそうに練習をしていたということで、けられ、なぐられ、それも二十回以上‥、もう限界でした。

 「オマエは、ソフトで入学したんだ、学校も辞めろ」

 いきおいで、「辞めます」といい、親が呼ばれました。母親は、あやまってばかりいました。父親は、「本人が辞めたいのなら辞めさせて下さい」と深く頭をさげていました。

 車の中で父親が一言

「奈保子の為ならいくらでも頭をさげてやる、地につくまで…」

 私は、二度と父親の頭をさげさせてたまるかと思い、声を出さずに泣きました。

 無事に卒業でき、くいのない高校生活が送れました。

コメント
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